【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

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二章 ハーレムルート

もぅ…眠ぃ

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フロアに戻ると僕よりも先に皆が僕に気が付いた。

皆の元に駆け寄り王族に何かされなかったかと心配の嵐だった。

「ん?何も。獣人について聞かれたけど、その後は何も…んふふ。沢山食べて良いって許可もらったよ。」

「…そうか…なら、他のも用意してあるから食べるか?」

「うん」

僕達がいた席に戻り再びフォークを握って食べ始めた。
どれも美味しくて幸せで食べすぎてしまい、僕のパーティーデビューは美味しく終わった。

帰る前には美味しいものを取り分けてくれた使用人にお礼をしてから僕達は王宮を去った。
この状態で馬車に乗ったら酔っちゃうかな?と不安だったが、お兄様の肩に寄り掛かれば天国で、帰る道中約束通り頭を撫でてくれて幸せな気分だった。

「シャル?着いたぞ…シャル?」

お兄様の声は聞こえていた…けど、目覚めたくないもう少しだけこのままが良いよ。
ダンスして沢山食べて大好きなお兄様に寄りかかって眠りに…。

「寝てしまってるみたいだな。」

「ふふ、シャルは変わらないね。」

お父様とお母様の声が聞こえたのは気の所為かな?

「俺が連れて行きます。」

ん?連れて行く?

「ふにゃっ」

身体が浮き、咄嗟に腕をお兄様の首に回していた。

「起きたのか?部屋まで運んでやるから大人しくしてろ。」

「にゃぁあん」

お兄様の首に顔を埋めた。

「ドミニクはシャルを甘やかしすぎじゃない?」

「…弟ですから。」

お母様の言葉に僕も頷いてしまう。

日本の時には居なかったお兄様の存在を知ってから甘えっぱなしだと思う。
シャルマン本人も甘え坊ということで許されているので僕が沢山甘えても許してくれる。
一度許されるとどこまで許してくれるのか試している所もあったりする。

「もうすぐ人妻だよ?」

人妻…なんだかエッチな響き。
 
「俺の弟には変わりませんよ。」

「…そうだね。」

「にゃーん」

そうです。
僕はいつまでもお兄様の弟です。

「シャルもドミニクに甘えすぎると婚約者達が嫉妬するよ?」

「にゃ゛っ…」

確かにこんなにしてたらダメだよね…いくらお兄様でも…。
僕が変な事になっちゃったりしたら…お兄様に甘えすぎてフェロモン暴走なんて事にならないとは言いきれない…。

離れた方がいいのかも…。

「気にするな、家族のスキンシップは大事なことだ。」

「…にゃぁあん」

…そうだよね。僕達は家族だ。
それに今までお兄様に抱っこされてもエッチな気分にはならなかったもん。
家族が家族に甘えるのは当然だし大事だよね。
お兄様ぁ大好き。

「はぁ、ドミニクはまだ結婚できそうに無いな。」

お母様の声を遠くに聞きながら僕はお兄様と屋敷に入り部屋まで送ってもらった。
ソファに下ろされるも、往生際悪く首に回している手を離さなかった。

「今日も一緒に眠るか?」

「にゃん」

「わかった。着替えてから来なさい。風呂はどうするんだ?眠いなら洗浄魔法するか?」

「んー、お風呂入ってから行きます。」

「わかった。いつでも来なさい。」

「はい」

お兄様を見送り急いでお風呂へ向かった。
本当なら長風呂するところだが、お兄様が待っているので急いで上がった。
大好きな柑橘系の香りを身に纏いながらお兄様を目指した。

こんこんこん

ノックしただけでなんだが嬉しかった。
部屋にはお兄様が僕を待っていてくれていると思うだけで顔がニヤけてしまう。
扉が開きお兄様にベッドまでエスコートされ二人で眠った。
王宮でのダンスに疲れていたのか、ベッドに入った途端に眠気に襲われ、お兄様の胸にしがみ付きながら目を閉じた。

「良い香りだな。」

お兄様の言葉が催眠術のようで、返事をすること無く眠りについていた。
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