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聖女時代
嫌な展開はここから始まる
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コルネリウスがファヴィオラとのお茶会のために訪問する、約束の五日後。
以前のこともあり、聖女候補は協力して時間を調整し祈りをした。
そのため今日は、コルネリウスが訪れる前に祈り終えた。
ファヴィオラはコルネリウスとのお茶会の準備をし、他の聖女候補も各々の時間を過ごす。
私たち候補者は、互いに干渉しない。
なので、私たちは知らなかった。
ある人物の行動を。
「……ひっく……ひっく……」
「……ソミール嬢?」
「ひっく……コ……ルネリウス……さぁん……っく」
ソミールは植え込み近くでしゃがみ込み、涙を流していた。
そこをファビオラに会いに来たコルネリウスに『偶然』声を掛けられる。
「怪我でもしたのか?」
「……うんん」
「では、なぜこんな場所で泣いている?」
「それが……いえ……なんでもないの。私のことは、気にしないで。コルネリウスさんは、約束があるんだよね……時間に遅れちゃうよ」
「……約束の時間まで、少し余裕がある。話を聞こう」
「だけど……」
「話せば気持ちも落ち着く」
「……ありがとう……私……今、王様の謁見の為に……礼儀作法の講義を……受けてるの……努力しているんだけど……皆のようにはいかなくて……」
「そうだね。他の候補者は幼い頃から礼儀作法の教育を受けている。ソミール嬢にとっては初めての事で、習得するのは容易ではないだろう。王族もその事は理解している。努力が見えればそれで十分だ」
「……そうなの? だけど皆は、私の作法は酷いから王族に会うべきじゃないって……」
「そんな事は無い」
「講義の間も、私に教えても意味がないからやるだけ無駄だって……そもそも平民の私が同じ部屋にいると、匂いが移って不快だとか……私のような者が聖女候補となったのも何かの間違いだから、追い出すべきだって話しているの聞いちゃって……私、辛くて……」
「聖女候補がそのように話しているのか? 信じられない……」
「私だって……突然、今日から貴方は『聖女候補です』って、司祭に言われて『ここで皆と学ぶように』とだけで、ずっと一人で……それでも最初はラヴィちゃんやファビちゃんとも仲良かったけど……他の皆に何か言われたみたいで、私を避け初めて……私、一人でも頑張ってたけど、どうしても辛くて……こんな事なら聖女候補になんてなりたくなかった……」
「それは、辛かったな。私から司祭に話してみよう」
「やめて。そんなことしないで。もし、司祭様に知られたら司祭様が悲しむよ。それに、相手は貴族だもの。私の家族に何かあったら……私一人が我慢すればいいの。後二年だもの……大丈夫よ……私さえ我慢すれば……ひっく……ひっく……」
「そんな話、聞いてしまった以上放置はできない」
「ごめんなさい。聞かなかったことにして。私が安易に教会内での聖女候補たちの話をするべきじゃなかったのに。私が悪いの。全部私の責任だから、誰にも言わないで。お願い」
涙をこぼしながらソミールはコルネリウスの両手を包み、唇が触れてしまうようなし距離で訴える。
「一人で耐えようとするな。貴族令嬢しかいない聖女候補の中に、一人平民という立場で辛かっただろう。私たちの配慮不足だった。申し訳ない」
「いえ、コルネリウスさんのせいじゃ……私が皆と仲良く出来なかったのがいけないの……貴族の方が平民なんかと一緒は嫌だよね……私、勘違いしちゃったの。同じ聖女候補なら、分かり合える、仲良くできる……なんて……身分が違いすぎるのにね」
「本来、教会内で聖女候補に身分は関係ない。差別のない環境でなければならないんだ。私から強く抗議し、聖女候補にも忠告ができる。我慢する必要はない」
「私は、大丈夫です」
「……本当に、司祭に報告しないでいいのか?」
「司祭様には言わないで……私は平民だから……」
「まさか……司祭が候補者を平等に扱っていないのか?」
「司祭様はとても気を使ってくれて、出来る限り平等になるようにしてくれてるの」
「……聖女候補たちか……私の婚約者候補だからと、勘違いしているようだな。少し話しておくべきだな」
「それだけは……その……皆さん、コルネリウスさんを慕っているの……慕っている方に忠告されたら、悲しむよ。私は、大丈夫だから」
「……自分が辛いのに、他の候補者の心配するなんて……だが、それだとソミール嬢が辛いだろ?」
「私は平気。私、結構打たれ強いんだよ。平民だもの。えへへっ」
涙目で笑顔を向けるソミール。
「……わかった。だけど無理はするなよ。私に出来ることがあれば、言ってくれ」
「はい。ありがとうございます……コルネリウスさんに話せて、気持ちが楽になった……えへっ……泣いちゃった……このこと、誰にも言わないでね。私たちだけの、秘密にして」
「あぁ、誰にも言わない」
「私、顔洗いたいから先に行くね。コルネリウスさんも誰かと約束があるんだよね? 時間は平気?」
「問題ない」
「良かった、私のせいで遅刻になったらって心配だったの」
「気にする必要はない」
「ありがとう……また、話せるかな?」
「ああ。今度はソミール嬢に会いに来る」
「嬉しい。その時が、楽しみ。じゃあね」
「ああ」
ソレーヌが先にその場を離れ、コルネリウスはファヴィオラの待つ場所へと向かう。
「アンギレーリ嬢、待たせてしまい申しわけない」
「いえ、お忙しいのは承知しております。お会いできただけで、嬉しいです」
「……そうか」
コルネリウスは約束の時間の前には到着したのだが、ファヴィオラとのお茶会の時間には遅刻。
本来二人のお茶会は、一時間の予定だった。
だが、コルネリウスが遅れて来たことで十五分ほどで終了。
延長することなく、コルネリウスは時間通り王宮へ帰って行った。
以前のこともあり、聖女候補は協力して時間を調整し祈りをした。
そのため今日は、コルネリウスが訪れる前に祈り終えた。
ファヴィオラはコルネリウスとのお茶会の準備をし、他の聖女候補も各々の時間を過ごす。
私たち候補者は、互いに干渉しない。
なので、私たちは知らなかった。
ある人物の行動を。
「……ひっく……ひっく……」
「……ソミール嬢?」
「ひっく……コ……ルネリウス……さぁん……っく」
ソミールは植え込み近くでしゃがみ込み、涙を流していた。
そこをファビオラに会いに来たコルネリウスに『偶然』声を掛けられる。
「怪我でもしたのか?」
「……うんん」
「では、なぜこんな場所で泣いている?」
「それが……いえ……なんでもないの。私のことは、気にしないで。コルネリウスさんは、約束があるんだよね……時間に遅れちゃうよ」
「……約束の時間まで、少し余裕がある。話を聞こう」
「だけど……」
「話せば気持ちも落ち着く」
「……ありがとう……私……今、王様の謁見の為に……礼儀作法の講義を……受けてるの……努力しているんだけど……皆のようにはいかなくて……」
「そうだね。他の候補者は幼い頃から礼儀作法の教育を受けている。ソミール嬢にとっては初めての事で、習得するのは容易ではないだろう。王族もその事は理解している。努力が見えればそれで十分だ」
「……そうなの? だけど皆は、私の作法は酷いから王族に会うべきじゃないって……」
「そんな事は無い」
「講義の間も、私に教えても意味がないからやるだけ無駄だって……そもそも平民の私が同じ部屋にいると、匂いが移って不快だとか……私のような者が聖女候補となったのも何かの間違いだから、追い出すべきだって話しているの聞いちゃって……私、辛くて……」
「聖女候補がそのように話しているのか? 信じられない……」
「私だって……突然、今日から貴方は『聖女候補です』って、司祭に言われて『ここで皆と学ぶように』とだけで、ずっと一人で……それでも最初はラヴィちゃんやファビちゃんとも仲良かったけど……他の皆に何か言われたみたいで、私を避け初めて……私、一人でも頑張ってたけど、どうしても辛くて……こんな事なら聖女候補になんてなりたくなかった……」
「それは、辛かったな。私から司祭に話してみよう」
「やめて。そんなことしないで。もし、司祭様に知られたら司祭様が悲しむよ。それに、相手は貴族だもの。私の家族に何かあったら……私一人が我慢すればいいの。後二年だもの……大丈夫よ……私さえ我慢すれば……ひっく……ひっく……」
「そんな話、聞いてしまった以上放置はできない」
「ごめんなさい。聞かなかったことにして。私が安易に教会内での聖女候補たちの話をするべきじゃなかったのに。私が悪いの。全部私の責任だから、誰にも言わないで。お願い」
涙をこぼしながらソミールはコルネリウスの両手を包み、唇が触れてしまうようなし距離で訴える。
「一人で耐えようとするな。貴族令嬢しかいない聖女候補の中に、一人平民という立場で辛かっただろう。私たちの配慮不足だった。申し訳ない」
「いえ、コルネリウスさんのせいじゃ……私が皆と仲良く出来なかったのがいけないの……貴族の方が平民なんかと一緒は嫌だよね……私、勘違いしちゃったの。同じ聖女候補なら、分かり合える、仲良くできる……なんて……身分が違いすぎるのにね」
「本来、教会内で聖女候補に身分は関係ない。差別のない環境でなければならないんだ。私から強く抗議し、聖女候補にも忠告ができる。我慢する必要はない」
「私は、大丈夫です」
「……本当に、司祭に報告しないでいいのか?」
「司祭様には言わないで……私は平民だから……」
「まさか……司祭が候補者を平等に扱っていないのか?」
「司祭様はとても気を使ってくれて、出来る限り平等になるようにしてくれてるの」
「……聖女候補たちか……私の婚約者候補だからと、勘違いしているようだな。少し話しておくべきだな」
「それだけは……その……皆さん、コルネリウスさんを慕っているの……慕っている方に忠告されたら、悲しむよ。私は、大丈夫だから」
「……自分が辛いのに、他の候補者の心配するなんて……だが、それだとソミール嬢が辛いだろ?」
「私は平気。私、結構打たれ強いんだよ。平民だもの。えへへっ」
涙目で笑顔を向けるソミール。
「……わかった。だけど無理はするなよ。私に出来ることがあれば、言ってくれ」
「はい。ありがとうございます……コルネリウスさんに話せて、気持ちが楽になった……えへっ……泣いちゃった……このこと、誰にも言わないでね。私たちだけの、秘密にして」
「あぁ、誰にも言わない」
「私、顔洗いたいから先に行くね。コルネリウスさんも誰かと約束があるんだよね? 時間は平気?」
「問題ない」
「良かった、私のせいで遅刻になったらって心配だったの」
「気にする必要はない」
「ありがとう……また、話せるかな?」
「ああ。今度はソミール嬢に会いに来る」
「嬉しい。その時が、楽しみ。じゃあね」
「ああ」
ソレーヌが先にその場を離れ、コルネリウスはファヴィオラの待つ場所へと向かう。
「アンギレーリ嬢、待たせてしまい申しわけない」
「いえ、お忙しいのは承知しております。お会いできただけで、嬉しいです」
「……そうか」
コルネリウスは約束の時間の前には到着したのだが、ファヴィオラとのお茶会の時間には遅刻。
本来二人のお茶会は、一時間の予定だった。
だが、コルネリウスが遅れて来たことで十五分ほどで終了。
延長することなく、コルネリウスは時間通り王宮へ帰って行った。
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