40 / 64
第二章「魔石編」
第四十話「賢者の実力」
しおりを挟む
爆発的な熱風の中からは無数の炎の槍が生まれ、上空を漂う炎の槍は一斉に落下を始めた。上空に生まれた槍を見上げたレッサーデーモンは、慌てて逃げ出そうとしたが、目にも留まらぬ速度で降り注ぐ無数の炎の槍を避けきれず、体中に槍を浴びて命を落とした。
魔法を作り上げる速度、威力、効果。全てが超一流だ。フローラの魔法が入門者の魔法の様に思える程の強さを持っている。フローラが得意とする攻撃魔法、サンダーの魔法の威力は確かに高いが、ジルさんがたった今使用した魔法は、フローラの雷とは比較にならない程の攻撃力だ。勿論、俺のソニックブローも彼女が放った無数の炎の槍の魔法の威力には到底及ばない。
「今の魔法はなんですか? 炎の槍を作る魔法ですか?」
「そうよ。炎の槍、ファイアジャベリンを同時に制御した魔法。全盛期は空を埋め尽くす程の槍を作れたんだけどね。今はせいぜい八十本ってところかしら」
「八十ですか? 単発の魔法を八十も同時に制御するなんて! これがジルさんの実力ですか……」
「まぁ、幻影の体での限界はこれくらいかしら。だけど、レッドドラゴンくらいなら杖一振りで消し去れるよ。幻獣程度の魔物には魔法一発もあれば十分さ」
「幻獣程度ですか……」
「ああ。本当に強いのは幻魔獣。人間を凌駕する魔法能力と、知能を持つ魔物さ。スケルトンキングやワイバーンなんかは全盛期の私でも苦戦する魔物だよ」
俺も幻魔獣の従魔であるヴォルフを持つ人間だから理解出来るが、幻魔獣の強さは桁違いだ。人間よりも遥かに早い速度で成長し、瞬く間に魔法を習得する。幻獣のレッドドラゴン程度の相手に負ける訳にはいかないと思うが、ジルさんの予想によれば、古代のダンジョンで古くから生き延びてきたレッドドラゴンは、幻魔獣程度の強さを持っている可能性があるのだとか。
地下に幽閉されて生きてきたレッドドラゴンは、長い年月を掛けて力を蓄えている可能性が高いらしく、通常のレッドドラゴンよりも遥かに強いと考えるのが自然なのだとか。それに、敵の正確な生息数も分からない。クリステルはファルケンハインの地下のダンジョンで、冒険者がレッドドラゴンを発見したと言っていたが、レッドドラゴンが群れで生息している可能性もある。
あらゆる魔物の中でも最も長寿のドラゴン族。中でもレッドドラゴンは非常に獰猛で、集団で狩りを行う事を得意とする。日の入らない地下の空間に幽閉されたレッドドラゴンが地上に出れば、たちまちファルケンハインに住む人間を襲い、大陸の支配を始めるかもしれない。
「ドラゴン族の魔物が大陸を支配していた時代もあった。当時の人間はドラゴンから身を隠しながら生きていたのだとか。私が生まれるよりも遥かに昔の時代だけどね。魔物に大陸を支配されない様に、せいぜい頑張るんだね」
「随分他人事なんですね……ジルさん」
「そりゃそうさ。私はとうの昔に死んでいるんだからね。それに、私は賢者としてもう十分に働いた。だからラインハルト。あんたが騎士として大陸を救いなさい。私の全ての力を授けても良いと思っている。この六ヶ月間で全てを学びなさい」
「はい! ジルさん!」
「素直で宜しい。体力的には合格だが、これからは毎朝レッサーデーモンとの楽しい遠足を行う事にしようじゃないの」
「楽しい遠足? そんなに穏やかなものではありませんでしたが……」
ジルさんは楽しそうに俺を見上げると、俺達は二人で森を歩きながら帰路についた。早朝から『レッサーデーモンとの楽しい遠足』を行い、午前中は座学をしながら失われた体力を回復させる事になった。そして、効率良く体を作るために、ジルさんは俺のためにタンパク質を中心とした料理を作ってくれる事になった。
重力の魔法によって実際の体重よりも遥かに重くなったジルさんを背負い、一時間も森を走り続けたのだ、体中の筋肉が悲鳴を上げている。立っているだけでも足が震えている。なんと情けないのだろうか。これが国王陛下から騎士の称号を授かった冒険者の姿……。今の情けない姿は誰にも見られたくないな。俺はタウロスとの訓練で十分に肉体を鍛えたと思っていたが、まだまだ訓練が足りていなかった様だ。
家に戻ってくると、俺は床に倒れ込んだ。既に体力は限界を迎えており、もう少しも体を動かす事も出来ないだろう。たった一時間の訓練で全ての力を使い果たして仕舞った。そんな様子をジルさんは微笑みながら見つめている。発言は厳しく、訓練の間は容赦なく俺を痛めつけてくるが、訓練が終わればとても気さくで一緒に居るだけで楽しくなるような人だ。それに、ケットシーという生き物はとても愛らしく、近くにいれば何度も俺に頬ずりをし、俺の膝の上で体を丸めて甘えてくる。これなら厳しい訓練も耐えられそうだ。
暫くするとジルさんが料理を終えた。彼女は杖を振ると、部屋の中央には木製のテーブルが現れ、テーブルの上には大量の料理が並んだ。これは付近に生息する魔物の肉から作った料理なのだとか。皿には山盛りの肉が盛られており、ステーキや唐揚げ、それからシュルスクのスープにサラダ。そして極めつけは巨大なボウルに入ったスパゲッティだ。
「筋肉を増やすためには栄養は十分に摂っておく必要がある。さぁ、この食事を全て片付けるんだよ。ラインハルトは男なんだからこれくらい食べれるだろう?」
「これはあまりにも多すぎませんか?」
「百キロ近い私を背負って走ったんだ、体中の筋肉が傷ついているだろう。さぁ食べるんだよ。死ぬほど鍛えて大量の栄養を摂取すれば、その小さな体も短期間で爆発的に筋肉を増やす事が出来る。シュルスクのスープには、栄養の吸収を早める薬草を混ぜておいたからね」
「百キロ? 道理で死ぬほど重いと思いましたよ。毎日タウロスのヘヴィアクスを使って鍛えたきた私でも、投げ出したくなる程の重さでしたからね」
「うむ。食事をしながら私が魔法学について授業を行うからね。早速始めようじゃないの」
それから俺は大量の食事を摂りつつも、ジルさんの魔法に関する授業を受けた。ジルさんの料理は美味しく、最初は古い時代の料理に感動しながら食事をしていたが、次第に大量の料理に吐き気を感じ始めた。これも筋肉を増やすためだと思いながら、永遠と栄養を胃に詰め込んだ。
飽和状態までタンパク質や炭水化物を摂取すると、枯渇していた活力は徐々に回復を始め。魔力が体に満ち溢れた。歩くだけでも全身の筋肉が震えていたが、暫く休んだせいか、体力も回復したようだ。
「そろそろ外で魔法の訓練をしようじゃないの」
「魔法も教えて頂けるんですね!」
「勿論さ。体だけ鍛えても強くはなれないからね。まずは火属性の魔法から教えるよ。ラインハルトはファイアの魔法が使えるのだろう? 試しに一発ファイアの魔法を撃ってみなさい。実力を見てあげるよ」
ファイアの魔法なら何度も練習してきたらから自信がある。ファイアとソニックブローだけを永遠と練習してきたのだから。両手を空に向けて精神を集中させる。体内の魔力を掻き集めて炎を作り上げると、辺りには強い熱風が吹き始めた。両手を包むように爆発的な炎が生まれると、俺は集めた魔力を放出した。
巨大な炎の塊が空を裂き、静かな森に爆発音を轟かせると、炎が炸裂して辺りを燃やし尽くした。ジルさんは俺を見上げて微笑むと、上空に右手を向けて魔法を唱えた。
『メテオストーム!』
ジルさんが魔法を唱えた瞬間、上空には無数の岩が出現し、岩に纏わりつく様に炎が燃え始めた。家よりも大きな岩の塊は、辺りに強烈な炎を散らしながら高速で落下を始めた。炎を纏う無数の岩が地面に落ちると、俺はバランスを失って膝をついた。地面を揺るがす程の強力な魔法に狼狽しながらも、何とか立ち上がると、岩が次々と地面に落下し、辺りには巨大な爆発音が響き続けた。
ジルさんの偉大な魔法を目にしながら、俺は自分の魔法の弱さ、騎士としての弱さを実感した。メテオストームの様な強力な魔法が使えれば、幻獣は一撃で倒せると自信を持って発言出来る訳だ。遥かに昔に命を落とし、幻影の状態で使用した魔法が、これ程までの威力を持っているのだ。全盛期のジルさんなら一発の魔法で地面を割る事も出来たかもしれないな……。
「どうだね。これが本物の攻撃魔法さ。あんたのファイアの魔法はまだまだ未熟。そんな魔法で火属性のレッドドラゴンに挑めば、強烈なブレスを全身に浴びて一撃で命を落とすだろうね」
「とてつもない威力ですね。これが本物の攻撃魔法ですか……今までの私の魔法は一体なんだったのでしょうか」
「今の魔法はメテオという地属性と火属性の融合魔法を同時に使用したもの。メテオは単発でも十分な殺傷力を持つ魔法だが、同時に使用した方が遥かに威力が上がるんだ」
「流石です……賢者様。これからの訓練が楽しみで仕方がありません!」
「うむ。それでは訓練を始めようか。六ヶ月間ではメテオの様な高等な魔法を習得する事は出来ない。まずはファイアの魔法を学び、ファイアの魔法を応用したファイアジャベリンとファイアボルトを習得しようじゃないの」
「宜しくお願いします! ジル師匠……!」
「あら、師匠だなんて。なんだか随分久しぶりに聞く言葉だわ」
師匠はモフモフした小さな手で顔を隠し、恥ずかしそうに俺を見上げると、俺は師匠の偉大さを初めて実感した。メテオストームか。騎士である俺にあの様な高等な魔法が習得出来るとは思えないが、少しでも師匠に近づくために、死ぬ気で訓練をしよう。
それから俺と師匠の地獄のような魔法訓練が始まった……。
魔法を作り上げる速度、威力、効果。全てが超一流だ。フローラの魔法が入門者の魔法の様に思える程の強さを持っている。フローラが得意とする攻撃魔法、サンダーの魔法の威力は確かに高いが、ジルさんがたった今使用した魔法は、フローラの雷とは比較にならない程の攻撃力だ。勿論、俺のソニックブローも彼女が放った無数の炎の槍の魔法の威力には到底及ばない。
「今の魔法はなんですか? 炎の槍を作る魔法ですか?」
「そうよ。炎の槍、ファイアジャベリンを同時に制御した魔法。全盛期は空を埋め尽くす程の槍を作れたんだけどね。今はせいぜい八十本ってところかしら」
「八十ですか? 単発の魔法を八十も同時に制御するなんて! これがジルさんの実力ですか……」
「まぁ、幻影の体での限界はこれくらいかしら。だけど、レッドドラゴンくらいなら杖一振りで消し去れるよ。幻獣程度の魔物には魔法一発もあれば十分さ」
「幻獣程度ですか……」
「ああ。本当に強いのは幻魔獣。人間を凌駕する魔法能力と、知能を持つ魔物さ。スケルトンキングやワイバーンなんかは全盛期の私でも苦戦する魔物だよ」
俺も幻魔獣の従魔であるヴォルフを持つ人間だから理解出来るが、幻魔獣の強さは桁違いだ。人間よりも遥かに早い速度で成長し、瞬く間に魔法を習得する。幻獣のレッドドラゴン程度の相手に負ける訳にはいかないと思うが、ジルさんの予想によれば、古代のダンジョンで古くから生き延びてきたレッドドラゴンは、幻魔獣程度の強さを持っている可能性があるのだとか。
地下に幽閉されて生きてきたレッドドラゴンは、長い年月を掛けて力を蓄えている可能性が高いらしく、通常のレッドドラゴンよりも遥かに強いと考えるのが自然なのだとか。それに、敵の正確な生息数も分からない。クリステルはファルケンハインの地下のダンジョンで、冒険者がレッドドラゴンを発見したと言っていたが、レッドドラゴンが群れで生息している可能性もある。
あらゆる魔物の中でも最も長寿のドラゴン族。中でもレッドドラゴンは非常に獰猛で、集団で狩りを行う事を得意とする。日の入らない地下の空間に幽閉されたレッドドラゴンが地上に出れば、たちまちファルケンハインに住む人間を襲い、大陸の支配を始めるかもしれない。
「ドラゴン族の魔物が大陸を支配していた時代もあった。当時の人間はドラゴンから身を隠しながら生きていたのだとか。私が生まれるよりも遥かに昔の時代だけどね。魔物に大陸を支配されない様に、せいぜい頑張るんだね」
「随分他人事なんですね……ジルさん」
「そりゃそうさ。私はとうの昔に死んでいるんだからね。それに、私は賢者としてもう十分に働いた。だからラインハルト。あんたが騎士として大陸を救いなさい。私の全ての力を授けても良いと思っている。この六ヶ月間で全てを学びなさい」
「はい! ジルさん!」
「素直で宜しい。体力的には合格だが、これからは毎朝レッサーデーモンとの楽しい遠足を行う事にしようじゃないの」
「楽しい遠足? そんなに穏やかなものではありませんでしたが……」
ジルさんは楽しそうに俺を見上げると、俺達は二人で森を歩きながら帰路についた。早朝から『レッサーデーモンとの楽しい遠足』を行い、午前中は座学をしながら失われた体力を回復させる事になった。そして、効率良く体を作るために、ジルさんは俺のためにタンパク質を中心とした料理を作ってくれる事になった。
重力の魔法によって実際の体重よりも遥かに重くなったジルさんを背負い、一時間も森を走り続けたのだ、体中の筋肉が悲鳴を上げている。立っているだけでも足が震えている。なんと情けないのだろうか。これが国王陛下から騎士の称号を授かった冒険者の姿……。今の情けない姿は誰にも見られたくないな。俺はタウロスとの訓練で十分に肉体を鍛えたと思っていたが、まだまだ訓練が足りていなかった様だ。
家に戻ってくると、俺は床に倒れ込んだ。既に体力は限界を迎えており、もう少しも体を動かす事も出来ないだろう。たった一時間の訓練で全ての力を使い果たして仕舞った。そんな様子をジルさんは微笑みながら見つめている。発言は厳しく、訓練の間は容赦なく俺を痛めつけてくるが、訓練が終わればとても気さくで一緒に居るだけで楽しくなるような人だ。それに、ケットシーという生き物はとても愛らしく、近くにいれば何度も俺に頬ずりをし、俺の膝の上で体を丸めて甘えてくる。これなら厳しい訓練も耐えられそうだ。
暫くするとジルさんが料理を終えた。彼女は杖を振ると、部屋の中央には木製のテーブルが現れ、テーブルの上には大量の料理が並んだ。これは付近に生息する魔物の肉から作った料理なのだとか。皿には山盛りの肉が盛られており、ステーキや唐揚げ、それからシュルスクのスープにサラダ。そして極めつけは巨大なボウルに入ったスパゲッティだ。
「筋肉を増やすためには栄養は十分に摂っておく必要がある。さぁ、この食事を全て片付けるんだよ。ラインハルトは男なんだからこれくらい食べれるだろう?」
「これはあまりにも多すぎませんか?」
「百キロ近い私を背負って走ったんだ、体中の筋肉が傷ついているだろう。さぁ食べるんだよ。死ぬほど鍛えて大量の栄養を摂取すれば、その小さな体も短期間で爆発的に筋肉を増やす事が出来る。シュルスクのスープには、栄養の吸収を早める薬草を混ぜておいたからね」
「百キロ? 道理で死ぬほど重いと思いましたよ。毎日タウロスのヘヴィアクスを使って鍛えたきた私でも、投げ出したくなる程の重さでしたからね」
「うむ。食事をしながら私が魔法学について授業を行うからね。早速始めようじゃないの」
それから俺は大量の食事を摂りつつも、ジルさんの魔法に関する授業を受けた。ジルさんの料理は美味しく、最初は古い時代の料理に感動しながら食事をしていたが、次第に大量の料理に吐き気を感じ始めた。これも筋肉を増やすためだと思いながら、永遠と栄養を胃に詰め込んだ。
飽和状態までタンパク質や炭水化物を摂取すると、枯渇していた活力は徐々に回復を始め。魔力が体に満ち溢れた。歩くだけでも全身の筋肉が震えていたが、暫く休んだせいか、体力も回復したようだ。
「そろそろ外で魔法の訓練をしようじゃないの」
「魔法も教えて頂けるんですね!」
「勿論さ。体だけ鍛えても強くはなれないからね。まずは火属性の魔法から教えるよ。ラインハルトはファイアの魔法が使えるのだろう? 試しに一発ファイアの魔法を撃ってみなさい。実力を見てあげるよ」
ファイアの魔法なら何度も練習してきたらから自信がある。ファイアとソニックブローだけを永遠と練習してきたのだから。両手を空に向けて精神を集中させる。体内の魔力を掻き集めて炎を作り上げると、辺りには強い熱風が吹き始めた。両手を包むように爆発的な炎が生まれると、俺は集めた魔力を放出した。
巨大な炎の塊が空を裂き、静かな森に爆発音を轟かせると、炎が炸裂して辺りを燃やし尽くした。ジルさんは俺を見上げて微笑むと、上空に右手を向けて魔法を唱えた。
『メテオストーム!』
ジルさんが魔法を唱えた瞬間、上空には無数の岩が出現し、岩に纏わりつく様に炎が燃え始めた。家よりも大きな岩の塊は、辺りに強烈な炎を散らしながら高速で落下を始めた。炎を纏う無数の岩が地面に落ちると、俺はバランスを失って膝をついた。地面を揺るがす程の強力な魔法に狼狽しながらも、何とか立ち上がると、岩が次々と地面に落下し、辺りには巨大な爆発音が響き続けた。
ジルさんの偉大な魔法を目にしながら、俺は自分の魔法の弱さ、騎士としての弱さを実感した。メテオストームの様な強力な魔法が使えれば、幻獣は一撃で倒せると自信を持って発言出来る訳だ。遥かに昔に命を落とし、幻影の状態で使用した魔法が、これ程までの威力を持っているのだ。全盛期のジルさんなら一発の魔法で地面を割る事も出来たかもしれないな……。
「どうだね。これが本物の攻撃魔法さ。あんたのファイアの魔法はまだまだ未熟。そんな魔法で火属性のレッドドラゴンに挑めば、強烈なブレスを全身に浴びて一撃で命を落とすだろうね」
「とてつもない威力ですね。これが本物の攻撃魔法ですか……今までの私の魔法は一体なんだったのでしょうか」
「今の魔法はメテオという地属性と火属性の融合魔法を同時に使用したもの。メテオは単発でも十分な殺傷力を持つ魔法だが、同時に使用した方が遥かに威力が上がるんだ」
「流石です……賢者様。これからの訓練が楽しみで仕方がありません!」
「うむ。それでは訓練を始めようか。六ヶ月間ではメテオの様な高等な魔法を習得する事は出来ない。まずはファイアの魔法を学び、ファイアの魔法を応用したファイアジャベリンとファイアボルトを習得しようじゃないの」
「宜しくお願いします! ジル師匠……!」
「あら、師匠だなんて。なんだか随分久しぶりに聞く言葉だわ」
師匠はモフモフした小さな手で顔を隠し、恥ずかしそうに俺を見上げると、俺は師匠の偉大さを初めて実感した。メテオストームか。騎士である俺にあの様な高等な魔法が習得出来るとは思えないが、少しでも師匠に近づくために、死ぬ気で訓練をしよう。
それから俺と師匠の地獄のような魔法訓練が始まった……。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる