安全第一異世界生活

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コルドナ辺境拍領

179話 トーさんのハートを鷲掴み!!

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『ハワワ!!ハワワワアワ!!!』

森の中で奇妙な声が響く。薬草採取に来ていた冒険者の内の一人がふと顔を上げ

「なぁ…なんか変な声が聞こえないか?」

一緒に来ていた仲間に聞いてみるが、

「いや?何か居るのか?」

訝し気に眉をひそめて首をかしげて不思議そうに仲間を見る

「聞こえないか?」

もう一人の仲間の少女は聞こえないと首を振る。するとまた奇妙な声が

『ハワワワワワ!!ハワーーーー!!!』

「ほら!!今聞こえたんだけど…」

仲間の二人はお互い目を合わせ首を振る。声が聞こえた冒険者は困惑しつつ…少し怖く感じ3人が目を合わせ、依頼分を採取したらすぐさま森を抜けて街に帰還した。
冒険者が去ったその森にはまた奇妙な声が響く

『ハワワワワ!!!』

***

最近ずっと街中で商会の仕事をしていたカナメはコーくんやウハハの気分転換に街外の薬草採取のクエストに3人で出てきた。草原に隠れる様に薬草が生えているのを採取していく。

「ポーション用の薬草を、こっちで採取してるから大丈夫だよ。開けた場所だしモンスターもそうそう出ないから。コーくんも、ウハハも久々にお外に出たんだから遊んでていいよ。」

私の言葉に、ウハハとコーくんはコクット頷くとぴょんぴょん飛び跳ねて原っぱをかけて行った。

「あんまり遠くに行っちゃだめだよ!!」

ずっと街中に居たから外が嬉しいんだね。クスクスと笑いが漏れてしまう。さて、私は採取頑張ります。手袋をはめてナイフで薬草の根の上5mm位を切って採取していく。10本を一束にしてまとめていく。久々の冒険者活動が楽しくてついつい鼻歌歌いながら続ける。
そんなのどかな草原に奇妙な声が響く

『ハワワアワワワ!!!』

あれ?何か声が聞こえた。まるで出会った頃のウハハみたいな感じのたどたどしい声…キョロキョロしてもなかなか方向が定まらない。一度作業の手を止めて聞き耳スキルで耳を澄ます。神経を研ぎ澄ますように周りの音を拾う事に集中…しばらくそうしていたけど、まったく先ほどの声が聞こえない…残念に思いながら、何かいる様ならコーくんとウハハが気づくでしょう。そう思い採取を再開する。その後も奇妙な声は何度か聞こえてきた。

***

お日様が山間に傾きかけた頃、ようやく草原にウハハとコーくんが興奮したようにぴょんぴょん跳ねながら戻って来た。出た時と同じ様に元気だ。そんな元気なコーくんが

「カナメ!!なんかいたぞ!!不思議生物じゃ!!」

「ウハハ!!いたーーーのぉ!!」

テンション上がっている二人の言葉に首をかしげながら二人が近くに来るまで、中腰作業でやられた腰をトントンしながら背筋を伸ばし二人に聞いてみた。

「何が居たの?ダンゴ虫?一角ウサギ?」

二人は私の近くまで来ると首を振り

「違うぞ」「ちがうのぉー!」

そう言うとおもむろに私の前でコーくんが手を差し出す。その手の上には…

***

「「「ただいまぁーーー!!」」」

玄関が開き元気な声が家に響く。その声を聴いてトーさんがリビングのソファーから起き上がり玄関に居る皆に笑顔で聞いてくれるトーさん、

「お帰り楽しかったか?」

ウハハもコーくんもタックルのごとく突進してしがみ付く

「なんだよ!二人とも?どうした???」

めったにない二人からの突進にトーさんは困惑しながら声を上げた。そうしたらコーくんが勢いよく声を上げる

「トーよ我の願い叶えるぞよ!!」

「家族、ふ、える、いいでしょ?」

コーくんに続いてたどたどしくもウハハが一生懸命トーさんに乗り上げ懇願する

「家族?どういう事だ?カナメ分かるように教えてくれ?」

私も困り顔でトーさんに手を前に出してと伝えるとトーさんが困惑気に前に手を出してくれた。その手の上にそっとゴルフボールくらいの大きさの毛玉を置く。困惑するトーさん

懇願するコーくんとウハハ

トーさんの手の上でプルプル震える毛玉はか細い声を出す

『ハワワ、ハワァーーー』

トーさんは声が毛玉から聞こえたことに困惑気にしながらも、毛玉を自分の目の位置まで腕を持っていきじっと観察していると毛玉がプルプル震えながら少し体勢を上げたのか毛玉とトーさんの目が合った。私はその瞬間を忘れはしないだろう。

ハートキャッチされた瞬間のトーさんの顔。
毛玉、一瞬でトーさんを篭絡するとは恐ろしい子。

この毛玉はのちに『ハワワ』と名付けられ、みんなの護るべき家族になった。
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