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妖精との出会い
237話 女装少年ミハイルの不安な冒険①
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静かな空間に”ピチョン”という水音が硬質に響く―――
水音以外まるで隔絶された世界の様に、音のない空間に僕は居た。
光を瞼に感じ目を開けると
目に見えるのは、はるか上に幅の排気口の様な感じの小さな鉄格子が。きっと僕の細腕すらも通らない…
鉄格子の隙間から木々と空が見える。それ以外見えないと言ってもいい。
あそこが出入り口?高くない?
それに、おかしい…
こんなに木々が見えるなら葉っぱの擦れる音や、虫の声が聞こえても良いのに…魔法で防音処理がされているのかな?
思案しながら、僕は床からゆっくり体を起こす。
起き上がるとさらりと赤髪が視界に入った。
ウィッグを付けたままで運ばれた事が察せられた。いがいにしっかりセットされてるんだな…
ウィッグのセットがずれていないか確認しているとピリっとした痛みが走り
痛みの元を視線でたどると、そこにはひっかけたような傷と血の跡があった。
ワイバーンにひっかけたのか…?
あの時は必死でそこまで考えていなかった。
レドがカミラちゃんを受け取ってくれたその時のことを思い出し、僕は口角を上げた。
流石親友。レドのあの動き…僕も負けられないな―――
僕は傷痕を確認して問題なしとして、首を回し軽くストレッチをし始める。
僕が寝ていたのは石畳の上。硬い所で寝ていたせいか全身から悲鳴が上がっている…
うははの上で転がれたらぜったいポヨポヨで気持ちいいだろうな――
なんて思いながら四方を見る。壁、壁、壁、壺?え…何コレ?
恐る恐る壺を覗くと、3匹の青いスライムがウヨウヨ中を動いている。
その動きを眺めていると、はっと気づいて顔を青くした。
まさか…まさかと思うが、これ…トイレなの?
僕はゲンナリしながら、大きなため息を吐き顔を上げる。
まぁ考えれば分かるか。
ここはどう見ても…牢屋だもんな…
トイレ設置してくれてるだけでめっけもんなのか…
僕は壁に触れてざりっと軽くこする…不思議だ。
今は冬のはずなのに壁が暖かい…なぜ?
石畳も温かい
いったい僕はドコに連れてこられたのか―――
あたたかい壁に背中をくっつけて
トーさんに教えてもらったように深呼吸をする。
ゆっくり魔力を巡らす。
声を出さないように――
音を立てないように―――
目を閉じ集中して、ゆっくり、ゆっくり、魔力を広げる。
小さな気配が近くにある、でもこの気配は人間ではないような…
魔物でもない?
まったく敵意が無い気配に首をかしげる。
僕は大きく息を吐き気配察知を終了する。
僕の魔力では広範囲の気配察知は出来ないし、継続使用も魔力不足で出来ない…
僕は鉄格子を見上げ大きくため息を吐く。
トーさんの背中を追いかけてるけど、大きすぎるその存在感にまいど自信を無くす。
諦めないけどね。
――まあ何はともあれこんな所、一人で抜け出せなきゃ追いかけるとか言えないけど。
ひとまず夜に動くとして、それまでは体力温存だ。
ストレッチくらいはいいだろう。
僕は寝転がって四つん這いになり、ゆっくりと背中を丸める。
その姿はまるで伸びをした猫のよう。
カナとトーさんと一緒に旅行していた時教えてもらった、ヨーガ?だっけ…あーーヨガだ!ヨガの猫のポーズをとる。
身体のびて好きなんだよね。
次は顔を少し上げる背中を反らし、胸を開く牛のポーズ。
息を吸って背中を反らす 、ふ―――。良い感じのびてるのびてる。
ココに入れられてどのくらいか分からないけど、食事事情が分かるまでは、筋トレは出来ないもんな。
そんな事を考えながら、猫のポーズと牛のポーズを繰り替えす。
――その様子を、別の場所から静かに覗き込む存在がいた
***(赤いの視点)
大きな滝の横に、奇怪に盛り上がった石の段が連なっている。
それは昔から、この聖域に無遠慮に足を踏み入れる者を捉える“檻”となってきた場所だ
最近は知らぬ間に子供がここに現れてはその檻に入れられ、誰も現れず食事も無く弱っていく…
檻の隙間から仲間たちが木の実などを入れる事もあるが、足りないのだろう…
小さな人間たちは動かなくなっていく―――
昨夜もまた一人の子供が現れた。
最近現れるようになった子供の中では少し大きく、髪の長い少女だった。
そう言えば少し前にもその子に似た同じ年頃の娘がいたように思う。
赤い髪が自分と同じなので気になって覚えていた…
少ししたら、この聖域に出入りできる人間が連れて行ってしまったが―――
ただ今回のこの少女は今まで現れたどの子供達とも違い、とても落ち着いた様子で今の状態を把握しようとしている、冷静さに興味がわいた。
興味を示したのは自分だけではない。自分の周りにはいくつもの光が檻の中の人間の様子を見ながらおしゃべりを始めている。
『あの童は何してるの?』
『さー…知らない』
『面白い人間』
『でもきっとあの童も僕たちの事見えないんだよ』
『人間なんて』
『みんな一緒だ』
『クレイ以外みんな一緒』
『『『そうだー!そうだー!』』』
みんなの声が揃う。
皆が愛してやまない彼女がこの国から消えて幾日たったのか…
心根の卑しい者達がこの地に無遠慮に入る事すらできない。
しかし彼女の魔力を絶たれたこの聖域はすでに脆くも崩れ始めている。
騒ぎながら、覗き見している皆をよそに、自分は声を漏らした。
『でもあの童、さっき――ふわ・ふわしたのを出していた。温かそうだ。触ってみたいな』
『ふわふわじゃなくて魔力じゃない?』
『魔力…?』
『赤いのが人間に興味を持つなんて珍しい』
自分と会話をしていた青いのが笑みを含めて魔力か―――と呟く。
『人間と言うか、あのふわふわした魔力が欲しい……』
自分が興味あるのはあの人間ではなく、魔力なのだと青いのに宣言するように吐き出した。
水音以外まるで隔絶された世界の様に、音のない空間に僕は居た。
光を瞼に感じ目を開けると
目に見えるのは、はるか上に幅の排気口の様な感じの小さな鉄格子が。きっと僕の細腕すらも通らない…
鉄格子の隙間から木々と空が見える。それ以外見えないと言ってもいい。
あそこが出入り口?高くない?
それに、おかしい…
こんなに木々が見えるなら葉っぱの擦れる音や、虫の声が聞こえても良いのに…魔法で防音処理がされているのかな?
思案しながら、僕は床からゆっくり体を起こす。
起き上がるとさらりと赤髪が視界に入った。
ウィッグを付けたままで運ばれた事が察せられた。いがいにしっかりセットされてるんだな…
ウィッグのセットがずれていないか確認しているとピリっとした痛みが走り
痛みの元を視線でたどると、そこにはひっかけたような傷と血の跡があった。
ワイバーンにひっかけたのか…?
あの時は必死でそこまで考えていなかった。
レドがカミラちゃんを受け取ってくれたその時のことを思い出し、僕は口角を上げた。
流石親友。レドのあの動き…僕も負けられないな―――
僕は傷痕を確認して問題なしとして、首を回し軽くストレッチをし始める。
僕が寝ていたのは石畳の上。硬い所で寝ていたせいか全身から悲鳴が上がっている…
うははの上で転がれたらぜったいポヨポヨで気持ちいいだろうな――
なんて思いながら四方を見る。壁、壁、壁、壺?え…何コレ?
恐る恐る壺を覗くと、3匹の青いスライムがウヨウヨ中を動いている。
その動きを眺めていると、はっと気づいて顔を青くした。
まさか…まさかと思うが、これ…トイレなの?
僕はゲンナリしながら、大きなため息を吐き顔を上げる。
まぁ考えれば分かるか。
ここはどう見ても…牢屋だもんな…
トイレ設置してくれてるだけでめっけもんなのか…
僕は壁に触れてざりっと軽くこする…不思議だ。
今は冬のはずなのに壁が暖かい…なぜ?
石畳も温かい
いったい僕はドコに連れてこられたのか―――
あたたかい壁に背中をくっつけて
トーさんに教えてもらったように深呼吸をする。
ゆっくり魔力を巡らす。
声を出さないように――
音を立てないように―――
目を閉じ集中して、ゆっくり、ゆっくり、魔力を広げる。
小さな気配が近くにある、でもこの気配は人間ではないような…
魔物でもない?
まったく敵意が無い気配に首をかしげる。
僕は大きく息を吐き気配察知を終了する。
僕の魔力では広範囲の気配察知は出来ないし、継続使用も魔力不足で出来ない…
僕は鉄格子を見上げ大きくため息を吐く。
トーさんの背中を追いかけてるけど、大きすぎるその存在感にまいど自信を無くす。
諦めないけどね。
――まあ何はともあれこんな所、一人で抜け出せなきゃ追いかけるとか言えないけど。
ひとまず夜に動くとして、それまでは体力温存だ。
ストレッチくらいはいいだろう。
僕は寝転がって四つん這いになり、ゆっくりと背中を丸める。
その姿はまるで伸びをした猫のよう。
カナとトーさんと一緒に旅行していた時教えてもらった、ヨーガ?だっけ…あーーヨガだ!ヨガの猫のポーズをとる。
身体のびて好きなんだよね。
次は顔を少し上げる背中を反らし、胸を開く牛のポーズ。
息を吸って背中を反らす 、ふ―――。良い感じのびてるのびてる。
ココに入れられてどのくらいか分からないけど、食事事情が分かるまでは、筋トレは出来ないもんな。
そんな事を考えながら、猫のポーズと牛のポーズを繰り替えす。
――その様子を、別の場所から静かに覗き込む存在がいた
***(赤いの視点)
大きな滝の横に、奇怪に盛り上がった石の段が連なっている。
それは昔から、この聖域に無遠慮に足を踏み入れる者を捉える“檻”となってきた場所だ
最近は知らぬ間に子供がここに現れてはその檻に入れられ、誰も現れず食事も無く弱っていく…
檻の隙間から仲間たちが木の実などを入れる事もあるが、足りないのだろう…
小さな人間たちは動かなくなっていく―――
昨夜もまた一人の子供が現れた。
最近現れるようになった子供の中では少し大きく、髪の長い少女だった。
そう言えば少し前にもその子に似た同じ年頃の娘がいたように思う。
赤い髪が自分と同じなので気になって覚えていた…
少ししたら、この聖域に出入りできる人間が連れて行ってしまったが―――
ただ今回のこの少女は今まで現れたどの子供達とも違い、とても落ち着いた様子で今の状態を把握しようとしている、冷静さに興味がわいた。
興味を示したのは自分だけではない。自分の周りにはいくつもの光が檻の中の人間の様子を見ながらおしゃべりを始めている。
『あの童は何してるの?』
『さー…知らない』
『面白い人間』
『でもきっとあの童も僕たちの事見えないんだよ』
『人間なんて』
『みんな一緒だ』
『クレイ以外みんな一緒』
『『『そうだー!そうだー!』』』
みんなの声が揃う。
皆が愛してやまない彼女がこの国から消えて幾日たったのか…
心根の卑しい者達がこの地に無遠慮に入る事すらできない。
しかし彼女の魔力を絶たれたこの聖域はすでに脆くも崩れ始めている。
騒ぎながら、覗き見している皆をよそに、自分は声を漏らした。
『でもあの童、さっき――ふわ・ふわしたのを出していた。温かそうだ。触ってみたいな』
『ふわふわじゃなくて魔力じゃない?』
『魔力…?』
『赤いのが人間に興味を持つなんて珍しい』
自分と会話をしていた青いのが笑みを含めて魔力か―――と呟く。
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