安全第一異世界生活

文字の大きさ
124 / 244
イルグリット王国 魔道具編

123話 灰猫 シンと圧の強い幼女

しおりを挟む
【灰猫 シン 視点】
「トーさんはそんな深夜に、ど、う、し、て、お外にいたのかな?」

圧の強いこの幼子は…私を助けてくれた人の娘のカナメちゃん。私の獣化を解除しちゃったのは、スライムのウハハちゃん。そして正座で説教されているのが、外であんなごろつき達を、瞬く間に一掃していたとは今は見えない隣国の錬金術師のクロトさん。そしてクロトさんの横で借りたクロトさんの服を着て正座しているのがアタシ。灰色の猫獣人のシン。クロトさんはしどろもどろと…カナメちゃんに話しはじめた。

「いやぁ、なんか外が騒がしいっていうか、妙な空気だったんで、ついつい気になっちゃって。で、せっかくだから、この間の例のかけらの事、ちょっと調べ直そうかな~なんて、思ってたところだったんだよね」 

「欠片?あの魔道具の?」

「あの時は言わなかったんだけど、あれってかなり前…17・8年前位に、ジャルの森のある所で見たことあったんだよ…あのピンク色の魔法陣付きの魔道具。で、師匠にオーラシアン王国の方で調べてもらっていて…でこっちでも聞き込みしてた。嫌な動きの気配も気になったし…で、灰色の猫を見つけて保護したら…女の子だったんだよな…」

「誘拐?」

あたしはブンブンと手を横に振って違うをアピールしつつはっきり否定した。

「保護にゃ」

「ふーん」

おう。幼子の圧が強い。この子ホントに5歳児なの?圧がこう隣の雑貨屋の奥さんの圧の様だ…こわこわ、此処はアタシが猫で有った事が分かればいいのか?
えっと…だから、アタシは立ち上がろうとして正座のせいで足がしびれて隣に正座していたクロトさんに倒れ込んでしまった。

「うわぁ!!」
「にゃぁぁ!!」

気が付くとクロトさんを押し倒すような状態になっていて、顔に血が集まり真っ赤になった。

「あわわわわ!申し訳にゃいにゃ!!」

クロトさんも真っ赤になりながら

「いや…大丈夫だ。」

ズン!!っと重い空気の圧がかかる。息苦しい。

「ラッキースケベを目の前で目撃するとは…現実に起こりえる事象だったのね」

淡々と語る幼女の言ってることが理解できないがこの状態は悪手であることだけは判る。あわわわわわ!!アタシはすぐに飛び起き来るっと空中で一回転して獣化した。もちろん猫の姿にだ。そしてクロトさんの上に着地した。「グエ!」っと クロトさんから聞こえたが…今は無視することにして

「にゃん」

私はクロトさんを下敷きにしたまま前足をそろえて、猫姿でカナメちゃんに頭を下げた。

「なるほど。ロシアンブルー?いえ…シャルトリューかな。金色の目が奇麗な子ね」

「シャルトリュゥ?ってなんだ?猫じゃないのか?」

クロトさんは頭を傾げ不思議そう。なので渋い顔をしながらカナメちゃんが曖昧な言い方でお茶を濁している感じがした。

「まあ灰色毛の金目の猫ちゃんだと思っておいて」

ニッコリ。

「そ…そうか。うん。シャルトリュゥな…」

おぉぉ?クロトさん娘に一切頭が上がらない感じ。私シャルトリューですか。なんか凄いわぁ。かっこいいし強そうな名前。強いの憧れるわぁ♡

「それで?シンお姉さんは成人前だよね?違う?親御さんは心配してるんじゃないの?」

カッカカカ!カナメちゃん!!なんにゃ!その迷子になった子供をあやすいい方は!!!あたし絶対カナメちゃんより年上なのに!!!年下に聞くような言い方年上のプライドが!!!!

カナメちゃんと、クロトさんとウハハちゃんに無言でじっと見られて………カナメちゃんからひと言

「人型に戻ってお話ししようね」

ニッコリ

ひぃぃぃぃぃ!!!笑顔の圧が圧が!!強いよぉ!!!

***

【カナメ 視点】

テーブルに珈琲とウハハ用に果実水を置いて席に座る。洋服を着て座ってもじもじと居心地悪そうにシンさんが耳をピコピコしている。

「珈琲苦手ですか?香りがきついですもんね。果実水用意しましょうか?」

「いえ!!あの甘ければ飲めますニャ」

「ごめんね、いつもトーさんも私もブラックだから気づかなくて」

角砂糖をシンさんの前に出すと、嬉しそうに角砂糖を5つ…おぉ結構な甘党ですね。入れてようやく飲めたみたいで良かった。

「それで、教えてくれるかな?」

私がニッコリ笑うと、シンさんはビクッとした後…ぽつりぽつり自分の事を語りだした。

魔道具工房の「ガンゾウ工房」の親方である爺に育てられたこと。親の事は覚えてない事。
そして今回いくつかの工房が集まって 、魔道具の祭典までにある魔道具を作って居る事。その心臓部分を担当しているのが、ガンゾウ工房の親方の爺さんと言う事。

「あいつらニャ…あの魔道具が出来上がった時、この街は魔物が入らない街になると豪語したんだニャ。なのに、なのに…あの回路…に、あの魔法陣………あの動力源…あれは魔物を何百年も呼び寄せる魔道具だニャ。あれは起動させちゃなんないニャ……だから持って逃げたんだ。動力に使う心臓部の魔石を」

そう言ってシンさんは、掌の上にピンク色のこぶし大の魔石を出した。その魔石を見た途端トーさんは目を見開いた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』

鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」 幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された 公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。 その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、 彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。 目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。 だが、中身は何ひとつ変わっていない。 にもかかわらず、 かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、 「やり直したい」とすり寄ってくる。 「見かけが変わっても、中身は同じです。 それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」 静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。 やがて彼女に興味を示したのは、 隣国ノルディアの王太子エドワルド。 彼が見ていたのは、美貌ではなく―― 対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。 これは、 外見で価値を決められた令嬢が、 「選ばれる人生」をやめ、 自分の意思で未来を選び直す物語。 静かなざまぁと、 対等な関係から始まる大人の恋。 そして―― 自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。 ---

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...