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イルグリット王国 魔道具編
122話 灰猫 シンとウハハの邂逅
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【灰猫 視点】
アタシは先ほどあった背の高い男の肩に乗せられたまま街を移動している。この男の人は意味が解らないほどあっけなく、アタシを追いかけていた奴たちを動けなくした。そして先ほどからもずっとガラの悪い連中を動けなくしては、何かを聞き出している。そしてピタッと止まったら口の前に人差し指を置いて
「静かにしててな」
そうアタシに優しく言うと誰かと会話をはじめた。
「ハイハイ師匠、お疲れ様です。ええ、今日王都に到着した。……人聞きが悪いな、多少だよ。まぁ小さな灰色の猫さんを保護した。……無関係だと思うがな。ギルド…俺今休養中だぞ。あーまぁ錬金の方なら…居場所登録だけしとく。今は仕事する気無いしな。はいはい。」
会話を終えた男の人はアタシをよしよしなでてくれる。
「うちの娘がな、モフモフ好きなんだ。しばらくの間、娘の側に居てやってくれ」
「ニャーン」
この人が爺を助けてくれないかな…力を貸してくれないかな…そう思いながら、今行き場のないアタシはそう返事するしかなかった。アタシの返事を聞いた男の人はまたアタシを優しくよしよしなでてくれた。この人の娘?どんな子なんだろうか…
お祭りが始まるまであと数日。爺を助けるためにどうにか動かないと…
肩に乗ったままついた先は宿屋。しかも地元の人間は入った事無い結界で囲われている高い宿だ。普通に肩に乗ったまま入って、受付の人に
「かわいい猫保護したんだ。追加料金かかっても良いから部屋に入れて良いか?」
「大丈夫ですよ。洗浄魔法かお風呂入れてから、部屋で離してくださいね」
「ありがとな。じゃあ」
男の人は手を上げてそのまま部屋に向かった。部屋に入ると、橙色の常夜灯の光が淡く室内を照らしている空間で、小さな寝息が聞こえてきた。そして
「ウハハ?」
小さい不思議な声が聞こえたと思ったら男の人は優しい声で
「ただいまウハハ。ちょっと洗浄魔法お願いして良いか?」
「ウハハ!」
声と共にぴょんと小さなスライムが飛び出してきた。スライムは「ウハハ!」っと言いながら飛び跳ねたと思ったら、アタシの身体がさっぱりふわふわになった。
魔法だ。今の…このスライムが?スライムって魔法使うの???知らなかった。
感心していると、そのスライムが私の前にやってきた。
「ウハハ?ウーーーハハ!!」
スライムってしゃべるの?どうしたら良いのだろう?えっと…
「ニャーン」
「ウハハ?」
私の声を聴くと一声不思議そうに傾き…傾きすぎてコロンと横に一回転した。
コロンコロン
あたしの周りを転がるスライム。それを男の人が部屋着に着替えながらみて不思議そうにしている
コロン、コロン、コロン、コロン
ついにアタシの周りを一周してスライムは「うは~?」思案顔
「どうしたウハハ?」
「うーぁはは」
スライムが男の人を見て一声揚げるといきなり小さかったスライムの身体が膨れ上がり、アタシに襲い掛かってきた。
「ニャァァァ!!!!!!……」
大声を上げた途中で包み込まれ、そしてスライムの体内でポンと獣化が解けて元に戻ったと思ったらすぐさまスライムに吐き出された。もう唾を吐き捨てる感じで”ペッ”って出された。ベッシャっと頭から床に捨てられたアタシは、
「ギャフ!!」
っと乙女にありえない声を上げた。男の人は大きく目を見開き固まった。
「ウハハ!!ウハウハ!!」
得意げにスライムは飛び跳ね何かを主張する。その声に男の人はハッとした顔をしてベットからシーツを抜いて被せてくれた。
「すまんえっと、俺はえぇぇっと…この街に祭りを見学に来た旅の者だが、君は?」
男の人は出来るだけ私から目線を外して、横を向きながら顔から首まで真っ赤になって戸惑っている。あら、あら?なに、子供までいる人がそんなうぶな反応。可愛い。男の人をじっと見ていると、スライムがぴょんぴょん視界の端で跳んでいるのが見えて、ハッとして自己紹介をはじめた
「先ほどは助けていただきありがとうございましたニャ。あいつらから逃げるため、獣の姿になってましたニャ。猫獣人のシンと言いますニャ。よろしくお願いしますニャ」
私はシーツを被ったまま、その場で頭をさげた。ニッコリ笑顔で頭を上げた時、なぜか男の人は真っ赤なお顔から、青い顔になっていた。男の人はアタシの後ろに目線がいっている。そう思っていると、後ろから可愛らしい声が聞こえてきた。
「へー猫耳獣人さん。しかも語尾に「ニャ」とは日本の猫耳女子好きには垂涎のキャラですね。トーさん。こんな夜更けにあられもない格好の女の子が部屋にいる説明してくれますよね。」
振り返ったアタシが見たものは、腕を組みベットの上で仁王立ちの幼子が、先ほどのスライムを肩に乗せ凄い圧をかけてきています。
これが先ほどおっしゃっていた………娘さんでしょうか?
なんか怖い……
「お姉さんもです。私にもわかるようにご説明お願いします」
アワワワワ‥‥お顔は笑顔なのに!!なのに!!怖い!メッチャ怖い!!!
アタシは先ほどあった背の高い男の肩に乗せられたまま街を移動している。この男の人は意味が解らないほどあっけなく、アタシを追いかけていた奴たちを動けなくした。そして先ほどからもずっとガラの悪い連中を動けなくしては、何かを聞き出している。そしてピタッと止まったら口の前に人差し指を置いて
「静かにしててな」
そうアタシに優しく言うと誰かと会話をはじめた。
「ハイハイ師匠、お疲れ様です。ええ、今日王都に到着した。……人聞きが悪いな、多少だよ。まぁ小さな灰色の猫さんを保護した。……無関係だと思うがな。ギルド…俺今休養中だぞ。あーまぁ錬金の方なら…居場所登録だけしとく。今は仕事する気無いしな。はいはい。」
会話を終えた男の人はアタシをよしよしなでてくれる。
「うちの娘がな、モフモフ好きなんだ。しばらくの間、娘の側に居てやってくれ」
「ニャーン」
この人が爺を助けてくれないかな…力を貸してくれないかな…そう思いながら、今行き場のないアタシはそう返事するしかなかった。アタシの返事を聞いた男の人はまたアタシを優しくよしよしなでてくれた。この人の娘?どんな子なんだろうか…
お祭りが始まるまであと数日。爺を助けるためにどうにか動かないと…
肩に乗ったままついた先は宿屋。しかも地元の人間は入った事無い結界で囲われている高い宿だ。普通に肩に乗ったまま入って、受付の人に
「かわいい猫保護したんだ。追加料金かかっても良いから部屋に入れて良いか?」
「大丈夫ですよ。洗浄魔法かお風呂入れてから、部屋で離してくださいね」
「ありがとな。じゃあ」
男の人は手を上げてそのまま部屋に向かった。部屋に入ると、橙色の常夜灯の光が淡く室内を照らしている空間で、小さな寝息が聞こえてきた。そして
「ウハハ?」
小さい不思議な声が聞こえたと思ったら男の人は優しい声で
「ただいまウハハ。ちょっと洗浄魔法お願いして良いか?」
「ウハハ!」
声と共にぴょんと小さなスライムが飛び出してきた。スライムは「ウハハ!」っと言いながら飛び跳ねたと思ったら、アタシの身体がさっぱりふわふわになった。
魔法だ。今の…このスライムが?スライムって魔法使うの???知らなかった。
感心していると、そのスライムが私の前にやってきた。
「ウハハ?ウーーーハハ!!」
スライムってしゃべるの?どうしたら良いのだろう?えっと…
「ニャーン」
「ウハハ?」
私の声を聴くと一声不思議そうに傾き…傾きすぎてコロンと横に一回転した。
コロンコロン
あたしの周りを転がるスライム。それを男の人が部屋着に着替えながらみて不思議そうにしている
コロン、コロン、コロン、コロン
ついにアタシの周りを一周してスライムは「うは~?」思案顔
「どうしたウハハ?」
「うーぁはは」
スライムが男の人を見て一声揚げるといきなり小さかったスライムの身体が膨れ上がり、アタシに襲い掛かってきた。
「ニャァァァ!!!!!!……」
大声を上げた途中で包み込まれ、そしてスライムの体内でポンと獣化が解けて元に戻ったと思ったらすぐさまスライムに吐き出された。もう唾を吐き捨てる感じで”ペッ”って出された。ベッシャっと頭から床に捨てられたアタシは、
「ギャフ!!」
っと乙女にありえない声を上げた。男の人は大きく目を見開き固まった。
「ウハハ!!ウハウハ!!」
得意げにスライムは飛び跳ね何かを主張する。その声に男の人はハッとした顔をしてベットからシーツを抜いて被せてくれた。
「すまんえっと、俺はえぇぇっと…この街に祭りを見学に来た旅の者だが、君は?」
男の人は出来るだけ私から目線を外して、横を向きながら顔から首まで真っ赤になって戸惑っている。あら、あら?なに、子供までいる人がそんなうぶな反応。可愛い。男の人をじっと見ていると、スライムがぴょんぴょん視界の端で跳んでいるのが見えて、ハッとして自己紹介をはじめた
「先ほどは助けていただきありがとうございましたニャ。あいつらから逃げるため、獣の姿になってましたニャ。猫獣人のシンと言いますニャ。よろしくお願いしますニャ」
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「へー猫耳獣人さん。しかも語尾に「ニャ」とは日本の猫耳女子好きには垂涎のキャラですね。トーさん。こんな夜更けにあられもない格好の女の子が部屋にいる説明してくれますよね。」
振り返ったアタシが見たものは、腕を組みベットの上で仁王立ちの幼子が、先ほどのスライムを肩に乗せ凄い圧をかけてきています。
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