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イルグリット王国 魔道具編
124話 灰猫 シンの願いと暗雲立ち込める祭り
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「それは…俺が探していたものだな……」
トーさんの言葉を聞いて、シンさんは身体をびくつかせたが、すぐさまトーさんが制した。トーさんの掌にはこの前見つけたあの魔道具の欠片が瓶に入れられシンの目の前にかざされた。
「それを君から奪うつもりはない。俺はこれについて調べていたんだ」
「それは…まさか…」
シンさんは自分の持つ魔石とトーさんの出したかけらを交互に見ながら困惑した。困惑を感じトーさんが話し始める。
「この欠片はイルグリット王国の国境を越えてから森で偶然見つけたものだ。俺はこれと同じようなものを昔見たんだ。オーラシアン王国で」
「……え?」
「起動後魔獣がどうなるのか見たことがある。あれは…下手すると人間にも影響する」
深刻に話している二人を見ながら珈琲を飲む。こういうの異世界ファンタジーでよくあるよね。結局こう助けを求める人を勇者はほっとけないって言うあれだろうなっと、少し距離を置いた目線で見ていると、
「どこの国だ?」
トーさんがぼそりと一言呟いて、テーブルをトントンと人差し指で叩く。
トントントン
部屋の中に響くその小さな音に シンさんは息をのんだ。私はあら?勇者系から戦争謀略系にシフトチェンジの流れを感じながら珈琲を飲み干した。そうしてコップをテーブルに置くと、両手をパンっと合わせ皆の顔を見て
「ひとまず深夜なので寝ましょう。」
トーさんもシンさんもそうだった!と今の時間を思い出したかのようにコクリと頷いた。私は自分のベットに入りながら、トントンとお布団を叩き
「シンさんは間違いはないと思いますが、獣化して私のお布団で一緒に寝てください。」
ニコニコ伝えると、すぐさまくるりと空中で回転して灰猫姿になって、ベットの上にやってきた。よしよしと柔らかい頭をなでお布団に入ってからトーさんに
「トーさん、ラッキースケベを目の当たりにした娘の気持ちを察し、今後は娘にそういう気を遣わせないように、トーさんは早々に寝てください 」
トーさんは言われた内容を理解すると真っ赤になって
「子供が……あぁぁわ…いや…うん、そうだな…すまん。気を付ける」
どもりながらいろいろ考えて謝罪してくれた。電気を消してそっとトーさんが、お布団に入ったのを確認して皆ひとまず朝まで寝る事で、それぞれが頭で整理する時間を作ることにした。
でも、そうよね。私は枕元で寝るウハハの側にそっと寄り添って寝る灰色の毛の可愛い猫を見てきっとこの子が笑えるようにトーさんは助力するんだろうなって確信があった。
***
【???視点】
魔道具工房の連なるエリア内で深夜でもいくつかの工房は明かりが消えることなく灯っている。ガンゾウ工房でも薄暗い室内の中、スタンドの白い光が図面を照らし、その図面を食入るように見ながら爺が作業をしている。工房の中で数人が作業に疲れ寝落ちている状態だ。そんなガンゾウを確認している影がある。その影は隣の工房に入ってその中の椅子にドカリと腰を下ろした。
「信じらんねぇな、あの老いぼれ。自分の孫の居場所すら知ろうともしねぇなんて。まともな人間じゃねぇ、神経がぶっ飛んでるんだろ!」
「傍からみりゃあ、あのシンもただの小間使いの様なもんだったしな。ガンゾウさんは魔道具にしか興味がねーからな。」
舌打ちをした男の一人は、テーブルに置いてあった酒瓶をあおり入っていた酒を飲み干すと、腕で口を拭って吐き捨てた
「今の回路を組み立てる事しか頭が回らねーんだろ!猫の奴がどんな思いで出て行ったかなんて考えてもねーんだ!!」
怒り出す男から目をそらしもう一人がため息をつきながら、たしなめる
「あまり騒ぐと、気づかれたら面倒だ。俺たちは俺たちの仕事を適当にこなしてノルマだけ完遂しておこう。あの魔道具が起動しないように気づかれない細工をしながら…」
そう言いながら、男は拳を握る。シンは無事にあいつらの手から逃げ出せただろうか……ガンゾウさんから邪険にされても、ほっとかれても傍を離れなかったシンが、自ら傍を離れたんだ…あの魔道具はそれだけ作っちゃダメなもんなんだろうな……
難しいものほど、作れないと言われるほど、作りたくなる職人のガンゾウさん…
『ジジイの手は魔法の手だニャ!こんなにすごいものを作れるなんて、ジジイはシンの自慢だにゃ!!』
幼い灰猫の獣人シンは無邪気に言った。魔道具工房が連なるエリアの皆はそれを見て生活をしていた。口が悪く、口数の少ないガンゾウ爺さんの周りをクルクル周り笑顔を振りまき、頑固な爺との交流の潤滑剤だった…そのシンが居なくなったのだ…どうなるだろうな…本当に。
トーさんの言葉を聞いて、シンさんは身体をびくつかせたが、すぐさまトーさんが制した。トーさんの掌にはこの前見つけたあの魔道具の欠片が瓶に入れられシンの目の前にかざされた。
「それを君から奪うつもりはない。俺はこれについて調べていたんだ」
「それは…まさか…」
シンさんは自分の持つ魔石とトーさんの出したかけらを交互に見ながら困惑した。困惑を感じトーさんが話し始める。
「この欠片はイルグリット王国の国境を越えてから森で偶然見つけたものだ。俺はこれと同じようなものを昔見たんだ。オーラシアン王国で」
「……え?」
「起動後魔獣がどうなるのか見たことがある。あれは…下手すると人間にも影響する」
深刻に話している二人を見ながら珈琲を飲む。こういうの異世界ファンタジーでよくあるよね。結局こう助けを求める人を勇者はほっとけないって言うあれだろうなっと、少し距離を置いた目線で見ていると、
「どこの国だ?」
トーさんがぼそりと一言呟いて、テーブルをトントンと人差し指で叩く。
トントントン
部屋の中に響くその小さな音に シンさんは息をのんだ。私はあら?勇者系から戦争謀略系にシフトチェンジの流れを感じながら珈琲を飲み干した。そうしてコップをテーブルに置くと、両手をパンっと合わせ皆の顔を見て
「ひとまず深夜なので寝ましょう。」
トーさんもシンさんもそうだった!と今の時間を思い出したかのようにコクリと頷いた。私は自分のベットに入りながら、トントンとお布団を叩き
「シンさんは間違いはないと思いますが、獣化して私のお布団で一緒に寝てください。」
ニコニコ伝えると、すぐさまくるりと空中で回転して灰猫姿になって、ベットの上にやってきた。よしよしと柔らかい頭をなでお布団に入ってからトーさんに
「トーさん、ラッキースケベを目の当たりにした娘の気持ちを察し、今後は娘にそういう気を遣わせないように、トーさんは早々に寝てください 」
トーさんは言われた内容を理解すると真っ赤になって
「子供が……あぁぁわ…いや…うん、そうだな…すまん。気を付ける」
どもりながらいろいろ考えて謝罪してくれた。電気を消してそっとトーさんが、お布団に入ったのを確認して皆ひとまず朝まで寝る事で、それぞれが頭で整理する時間を作ることにした。
でも、そうよね。私は枕元で寝るウハハの側にそっと寄り添って寝る灰色の毛の可愛い猫を見てきっとこの子が笑えるようにトーさんは助力するんだろうなって確信があった。
***
【???視点】
魔道具工房の連なるエリア内で深夜でもいくつかの工房は明かりが消えることなく灯っている。ガンゾウ工房でも薄暗い室内の中、スタンドの白い光が図面を照らし、その図面を食入るように見ながら爺が作業をしている。工房の中で数人が作業に疲れ寝落ちている状態だ。そんなガンゾウを確認している影がある。その影は隣の工房に入ってその中の椅子にドカリと腰を下ろした。
「信じらんねぇな、あの老いぼれ。自分の孫の居場所すら知ろうともしねぇなんて。まともな人間じゃねぇ、神経がぶっ飛んでるんだろ!」
「傍からみりゃあ、あのシンもただの小間使いの様なもんだったしな。ガンゾウさんは魔道具にしか興味がねーからな。」
舌打ちをした男の一人は、テーブルに置いてあった酒瓶をあおり入っていた酒を飲み干すと、腕で口を拭って吐き捨てた
「今の回路を組み立てる事しか頭が回らねーんだろ!猫の奴がどんな思いで出て行ったかなんて考えてもねーんだ!!」
怒り出す男から目をそらしもう一人がため息をつきながら、たしなめる
「あまり騒ぐと、気づかれたら面倒だ。俺たちは俺たちの仕事を適当にこなしてノルマだけ完遂しておこう。あの魔道具が起動しないように気づかれない細工をしながら…」
そう言いながら、男は拳を握る。シンは無事にあいつらの手から逃げ出せただろうか……ガンゾウさんから邪険にされても、ほっとかれても傍を離れなかったシンが、自ら傍を離れたんだ…あの魔道具はそれだけ作っちゃダメなもんなんだろうな……
難しいものほど、作れないと言われるほど、作りたくなる職人のガンゾウさん…
『ジジイの手は魔法の手だニャ!こんなにすごいものを作れるなんて、ジジイはシンの自慢だにゃ!!』
幼い灰猫の獣人シンは無邪気に言った。魔道具工房が連なるエリアの皆はそれを見て生活をしていた。口が悪く、口数の少ないガンゾウ爺さんの周りをクルクル周り笑顔を振りまき、頑固な爺との交流の潤滑剤だった…そのシンが居なくなったのだ…どうなるだろうな…本当に。
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