安全第一異世界生活

文字の大きさ
126 / 247
イルグリット王国 魔道具編

125話 メイン通りの不可解さと魔道具のカメラ

しおりを挟む
昨日到着した王都はやはり人が多い。あまりにもメイン通りが人が多いので、道を一本入った内道を進む。凄く歩きやすい。でも……でも王都の住民もあまりこの道を通ってない所を見ると皆、大きなメイン通りを使っているのかと推測すると何か背筋に悪寒が走った。

なんで地元の人も大きな通りしかと通らないのか…変なの

「ナーウ」

茶色の毛の猫が私の足元にいてこちらを見上げている。
茶毛猫は色替えの魔道具を使用したシンさんの獣化である。魔道具を尻尾の付け根に装着していて首には水色のリボンがつけられ私の頭のリボンとお揃いにしている。今日はウハハは私のポーチになってもらってそのポーチにも水色のリボンを括り付けた。トーさんには、リボンはちょっとっと遠慮されたので、水色のミサンガを作って付けてもらった。

「みんなで色をお揃い♡にしてみたよ」

と、楽しんでいる。トーさんは普段黒色しか着ないので、色が入るのが照れくさいようで、チラチラ見ながら口角が上がっている。可愛い。
お祭りが始まる前に欲しいカメラの魔道具を販売している所があると教えてもらいみんなで行ってみる。
お店はメイン通りに構えられているので近くまで行くとメインと売りに出て、お店に流されながら入った。お店はがらんとしておりお客さんは入っていないようだ。あれだけ目の前の通りを人が歩いているのに…この人の流れやっぱりおかしい…店の中から通りを見ていると、

「いらっしゃいませ!お客様。気づかずすみません!」

そう言ってカウンターにメガネをかけた若い女性が出てきた。

「いえ、今入ってきたところなんですが、ちょっと人の多さに唖然としてました」

「あはは、なんか少し前から通りを歩く人が軍隊アリのように 前しか見ない歩き方してるので怖いですよね~。住んでる私たちも怖いですよ。だからいっつも裏口から出入りしちゃいます。ハハハ」

「あ…やっぱり王都の人でもおかしいと思いますよね」

「フフ、お嬢さん大人みたいな話し方ね。そう言えば今日は何か欲しいものがあるの?」

優しそうな笑顔でお姉さんが聞いてくれたおかげで、通りの違和感の気持ち悪さに思考が言っていたのが戻された。私は勢いよくお姉さんに聞いた。

「あの、隣国でカメラを見つけて…欲しくてこの国まで来ました。カメラありますか?」

「え?隣国って、オーラシアン?フリムスト?カメラの販売ってしてなかったっけ?」

「オーラシアン王国ではあまり見かけない魔道具だな」

ドキドキしながらお姉さんを見ていると、お姉さんはニッコリ笑って

「今は三種類あるよ。待ってて。持ってくるね」

三種類?カメラで三種類ってなんだろう…お姉さんが大中小と3個の箱を持ってきてくれてカウンターに並べてくれた。一番大きい箱を開けて出してくれたそれは、昔ながらのボックス・カメラらしいものが出てきた。

「これが一番古いカメラ。単純な造りで一番普及しているものかな。お嬢さんの見たものとは違う?」

「はい。こんな大きなものでは無かったです」

「じゃあ次ね」

お姉さんは中くらいの箱を開けてカメラを出してくれた。今度のカメラはレンズが大きく…地球で言う一眼レフカメラに近い形だと思う。これは…めちゃくちゃ高そう

「それ、新聞記者とかが使うカメラじゃないか?一般的では無いだろう」

「あ!お父さんご存じでしたか?ふふふこれも違うかな?」

私はコクリと頷くと最後の小さな箱に目を向けた。お姉さんはニコニコしながら箱を開けてカメラを取り出す。お姉さんの手には私のポーチにも収まる小さな赤い色のコンパクトカメラ
あぁこれだ。オーラシアンの王都で見たカメラ。私はお姉さんを見て頷いた。

「これは記録用魔石を使ったカメラです。他の二つのカメラと違って専門の紙に写真を焼き付ける魔道具が必要になります。なので、貴族様くらいにしか普及してないんですよ。どうします?」

「焼き付けの魔道具と紙とカメラ全部でいくらだ?」

「カメラが金貨12枚、焼き付けの魔道具が金貨5枚、紙は100枚で金貨1枚になります」

「じゃあ、紙は1000枚用意してくれ。無くなったらまた買いに来る」

トーさんはお姉さんに金貨27枚出してささっと全部購入してしまった。え?私いっぱい仕事したからお金貯めてるのに!!何でトーさんが買っちゃうの!!

「私、このためにお仕事いっぱいしたのに…おねえさん!!色違いのコンパクトカメラありますか?」

「え?ちょっと待ってね…」

お姉さんは中に入ってカメラを探しに行ってくれました。ほっぺを膨らませた私はトーさんの目を見ずにそっぽを向いて、お姉さんの帰りを待ちます。トーさんもシンさんもウハハまで困惑していると、お姉さんが戻ってきて、

「あの、黒い色だけどいい?少し形は違うけど紙も焼き付け機も同じもの使えるよ。どうかな?」

お姉さんが出してきたのは先ほどよりも一回り大きい無骨な感じのカメラ。私は金貨12枚を出してお姉さんに差し出した。

「これで足りますか?」

「これはひとつ前の型だから金貨11枚で良いよ」

「わぁ♡ありがとうございます」

お姉さんはトーさんの方を見て確認しながらお金を受け取り商品を渡してくれた。その渡してくれた商品を受け取った私は、トーさんに向かって差し出した。
トーさんは困惑しながら受け取ると、首をかしげていた。私はにこりと笑って、

「ねぇ、トーさん。写真に写すのは、私から見た世界だけじゃなくて、トーさんが見ている景色も、感じた思いも、その中に きっとたくさんの宝物があるとおもうんだ。それを私たちにも見せてほしい。トーさんの目に映る世界を、写真というカタチにして、家族の思い出、宝物として、あのお家にいっぱい飾っていこうよ。」 

「家族の思い出…」

トーさんは大切そうにカメラを持ったまま私を抱きしめてくれた。涙目になっているトーさんをポンポンして私は満面の笑みで笑った。 

「思い出いっぱい作ろうね」

「あぁ。そうだな」

出会った頃よりもずっと自然な顔で笑うトーさんが愛しくて、抱きしめてくれるとーさんを抱きしめ返した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

猫になったのでスローライフを送りたい(リメイク版)

紫くらげ
ファンタジー
死んだはずが何故か猫になっていた 「でも猫になれば人間より楽できるし、面倒なこと起きないんじゃないの…?」 そうして私のゆったりとしたスローライフが…始まらなかった

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です

氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。 英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。

お子ちゃま勇者に「美味しくないから追放!」された薬師、田舎でバフ飯屋を開く

ファンタジー
現代日本から転生した味覚オタクの薬師ユージンは、幼い勇者パーティの“保護者枠”として命を守るため口うるさくしていたが、「薬が苦い」「うるさい」と追放される。 田舎ミズナ村で薬膳小料理屋「くすり香」を開いた彼の“バフ飯”は冒険者を覚醒させ、村を救い、王都の薬利権すら揺らす。 一方、追放した子どもたちはユージンの真意を知って大泣きするが、彼は戻らない──自分の人生を取り戻すために。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

処理中です...