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イルグリット王国 魔道具編
157話 動き出す者達・魔道具祭典③
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コンコンコン、建物の扉が叩かれる。
その音に気づき紬木は目を覚ました。窓から入る光は少しオレンジ色に色づいている。あれから半日くらいたってるのかな…外から入る音は変わらず賑やかで楽しそうな音が溢れている。
コンコンコン、また扉が叩かれた。私は席を立ち部屋を出てお爺さんを探した。手が離せないようなら代わりに対応しようかと思っての事だけど、お爺さんどこだろう?
室内はだいぶ暗くなっていて、人の気配がしない。どうしよう…勝手に出るわけにはいかないし…どうしよう…そう思いキョロキョロしていると、奥の部屋から光が漏れていた。そちらを覗くとお爺さんが何かを組み立てている。その背中を見ていると、また玄関の方で扉が叩かれた。私は迷いつつも
「あの、お爺さん誰か訪ねて来られてるみたいです」
私の声にお爺さんは顔を上げて、私の顔を見た。
「飯は喰ったか?まだならお前さんだけでも食べておきなさい」
「あ、はい。ありがとうございます」
私に一声かけて、席を立って玄関に向かった。お爺さんは慎重に横の窓から訪ねてきた人物を確認してから、玄関を開けた。私はお爺さんが出て行った作業場を見ていた。その作業場に飾ってある写真の人物に見覚えがあったから…
お爺さんとお婆さん、それから若い男女が映った写真…私はどうしようもなく焦った。どうしよう、ダメ…急いでウィル様を連れてすぐに逃げなければ!!
私は来た道を戻って行こうとしたら、目の前にこちらを睨みつける、頭に猫耳がある銀髪の男性が立っていた。
「お義父さん、なんでここに、この女が要るんだ!!」
男性の大声に私は身体が強張るのを感じた、怖い…凄く怒ってる…この人は写真の男性、猫獣人の彼だ…そうフリムストに居た魔道具技師達を束ねていた……
「黙りなさい」
それは静かで重い声だった。お爺さんが怒り出した男の人と私の間に身体を入れて、私を庇った…どうして…
「お義父さんこいつは、フリムストの「ワシは黙れと言った」
再度怒鳴ろうとした男の人にお爺さんは指を口の前に立てた。そのジェスチャーでお爺さんが言わんとしていることが男性にも分かったのか、怒気をはらんだ顔から何かを飲み込んだ表情に変わって頷いた。
お爺さんは男性が持っている箱をそっと開けると中にびっしり張り巡らされた魔法回路を読みだした。先ほど怒っていた銀髪の男性も、私も回路を呼んで適切に寸断していくおじいさんの姿に見入っていた。どのくらいの時間がたったのか分からない頃、お爺さんは一息ついて声を出した。
「よし。良いじゃろう。まだまだ組み方が少々甘いがの16年修行に出た甲斐はあったかの。ジュウゴ君」
「お義父さん…ただいま帰りました」
銀髪の男性が顔を少し緩めてそう言った。やっぱりそうだ…イルグリット王国からフリムストに来ていた魔法具技師のリーダー的存在の彼…何度か見かけたことがある…そんな彼がお爺さんの家族…そんな男性が立ち尽くしている私の方を睨みながら言葉を出す。
「お義父さんあの女はフリムストの王太子の愛妾だ。そんな奴がなんでこんな所に居るんだ」
男性が発した言葉が私を切りつけた。愛妾…私は唇をかんで俯いた。陛下もそんな事を言っていた…でもウィル様は私を大切にしてくれる…
「お前の目は節穴なのか…また思い込みか?周りに言われたか?」
ガタンと音がした方を見るとウィル様が壁に手を付きゆっくり歩いて来ているのが見えて、私は急いで彼の側に行き支えた。ウィル様は「ありがとう」そう言って男性の方に顔を向けて言葉を紡いだ。
「陛下はそんな事を確かに言っていた。だがね私は紬木をそんな日陰者にする気も無ければ、彼女以外娶る気も無い」
そう言ってウィル様は私を抱きしめてくれた。私たちのその姿より男性はウィル様が来ている服に付いた血痕が気になるようで、顔を少し青ざめさせて問うてきた。
「なんだその血の跡は」
「血だらけなのにこちらの迷惑にならないようにしようという心意気が気に入って休憩場所を貸しただけじゃ。もういいのか坊主」
「ご老体、場所をお借り出来て助かりました。私たちはご家族に歓迎されてないご様子、今日はこのまま失礼致します。お礼は後日させて頂ければと思います。ありがとうございました」
そう言って優雅に礼をしたウィル様を、銀髪の男が止めた。
「そうじゃないだろう!!何で王太子が血だらけなんだって聞いてんだよ!!」
ウィル様は振り返り男に言う。
「今回の総責任者ドルマン卿に刺されたからだよ。私は結局君たちの力になることは出来なかった。今回の君たちの事はすでにイルグリット王国の王族は承知の上だ。だから君たちはようやくフリムストから解放され祖国に保護される。安心してくれ」
ウィル様は困ったように笑うと、私の手を引き先ほどのベットの部屋に置いていた荷物をもって家から出ようとして、銀髪の男性に手を掴まれた。
「俺は、俺達はあんたに感謝していたんだ!!だから居て良い。無理に出て行くな!!」
私もウィル様も男が放った言葉に驚きを隠せず言葉を失い困惑したのだった。
その音に気づき紬木は目を覚ました。窓から入る光は少しオレンジ色に色づいている。あれから半日くらいたってるのかな…外から入る音は変わらず賑やかで楽しそうな音が溢れている。
コンコンコン、また扉が叩かれた。私は席を立ち部屋を出てお爺さんを探した。手が離せないようなら代わりに対応しようかと思っての事だけど、お爺さんどこだろう?
室内はだいぶ暗くなっていて、人の気配がしない。どうしよう…勝手に出るわけにはいかないし…どうしよう…そう思いキョロキョロしていると、奥の部屋から光が漏れていた。そちらを覗くとお爺さんが何かを組み立てている。その背中を見ていると、また玄関の方で扉が叩かれた。私は迷いつつも
「あの、お爺さん誰か訪ねて来られてるみたいです」
私の声にお爺さんは顔を上げて、私の顔を見た。
「飯は喰ったか?まだならお前さんだけでも食べておきなさい」
「あ、はい。ありがとうございます」
私に一声かけて、席を立って玄関に向かった。お爺さんは慎重に横の窓から訪ねてきた人物を確認してから、玄関を開けた。私はお爺さんが出て行った作業場を見ていた。その作業場に飾ってある写真の人物に見覚えがあったから…
お爺さんとお婆さん、それから若い男女が映った写真…私はどうしようもなく焦った。どうしよう、ダメ…急いでウィル様を連れてすぐに逃げなければ!!
私は来た道を戻って行こうとしたら、目の前にこちらを睨みつける、頭に猫耳がある銀髪の男性が立っていた。
「お義父さん、なんでここに、この女が要るんだ!!」
男性の大声に私は身体が強張るのを感じた、怖い…凄く怒ってる…この人は写真の男性、猫獣人の彼だ…そうフリムストに居た魔道具技師達を束ねていた……
「黙りなさい」
それは静かで重い声だった。お爺さんが怒り出した男の人と私の間に身体を入れて、私を庇った…どうして…
「お義父さんこいつは、フリムストの「ワシは黙れと言った」
再度怒鳴ろうとした男の人にお爺さんは指を口の前に立てた。そのジェスチャーでお爺さんが言わんとしていることが男性にも分かったのか、怒気をはらんだ顔から何かを飲み込んだ表情に変わって頷いた。
お爺さんは男性が持っている箱をそっと開けると中にびっしり張り巡らされた魔法回路を読みだした。先ほど怒っていた銀髪の男性も、私も回路を呼んで適切に寸断していくおじいさんの姿に見入っていた。どのくらいの時間がたったのか分からない頃、お爺さんは一息ついて声を出した。
「よし。良いじゃろう。まだまだ組み方が少々甘いがの16年修行に出た甲斐はあったかの。ジュウゴ君」
「お義父さん…ただいま帰りました」
銀髪の男性が顔を少し緩めてそう言った。やっぱりそうだ…イルグリット王国からフリムストに来ていた魔法具技師のリーダー的存在の彼…何度か見かけたことがある…そんな彼がお爺さんの家族…そんな男性が立ち尽くしている私の方を睨みながら言葉を出す。
「お義父さんあの女はフリムストの王太子の愛妾だ。そんな奴がなんでこんな所に居るんだ」
男性が発した言葉が私を切りつけた。愛妾…私は唇をかんで俯いた。陛下もそんな事を言っていた…でもウィル様は私を大切にしてくれる…
「お前の目は節穴なのか…また思い込みか?周りに言われたか?」
ガタンと音がした方を見るとウィル様が壁に手を付きゆっくり歩いて来ているのが見えて、私は急いで彼の側に行き支えた。ウィル様は「ありがとう」そう言って男性の方に顔を向けて言葉を紡いだ。
「陛下はそんな事を確かに言っていた。だがね私は紬木をそんな日陰者にする気も無ければ、彼女以外娶る気も無い」
そう言ってウィル様は私を抱きしめてくれた。私たちのその姿より男性はウィル様が来ている服に付いた血痕が気になるようで、顔を少し青ざめさせて問うてきた。
「なんだその血の跡は」
「血だらけなのにこちらの迷惑にならないようにしようという心意気が気に入って休憩場所を貸しただけじゃ。もういいのか坊主」
「ご老体、場所をお借り出来て助かりました。私たちはご家族に歓迎されてないご様子、今日はこのまま失礼致します。お礼は後日させて頂ければと思います。ありがとうございました」
そう言って優雅に礼をしたウィル様を、銀髪の男が止めた。
「そうじゃないだろう!!何で王太子が血だらけなんだって聞いてんだよ!!」
ウィル様は振り返り男に言う。
「今回の総責任者ドルマン卿に刺されたからだよ。私は結局君たちの力になることは出来なかった。今回の君たちの事はすでにイルグリット王国の王族は承知の上だ。だから君たちはようやくフリムストから解放され祖国に保護される。安心してくれ」
ウィル様は困ったように笑うと、私の手を引き先ほどのベットの部屋に置いていた荷物をもって家から出ようとして、銀髪の男性に手を掴まれた。
「俺は、俺達はあんたに感謝していたんだ!!だから居て良い。無理に出て行くな!!」
私もウィル様も男が放った言葉に驚きを隠せず言葉を失い困惑したのだった。
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