精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第1章 精霊と共に追放された元聖女

第9話 選別作業

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 エスドレア王国の王宮に到着したのが夕暮れだったので、今日は客室で一泊させてもらい、翌朝にクロードさんが迎えに来てくれた。
 ちなみに、昨晩はお風呂に入れたんだけど、アメーニア王国には無い花の香りがするシャンプーが置いてあったので、自分の髪からほのかに花の匂いがして、ちょっと嬉しい。
 ……っと、それはさておき、昨日のお忍びの姿とは違ったら騎士らしい姿のクロードさんは格好良く、お姫様然としたシャルロットちゃんはとても可愛い。

「……様、リディア様」
「え? は、はい。何でしょう?」
「こちらが、先月我が国でドワーフ属から購入した石になります。玉石混淆の状態で、どれが力を持つ石で、どれがただ綺麗なだけの石なのかが分かっていない状態なんです」

 ボーッとしながらクロードさんについて歩いていると、いつの間にか倉庫みたいな場所へ到着していた。
 沢山の箱の中に、鈍く輝く石が入れられている……が、保管しているというよりは、邪魔なのでとりあえず置いている……というった感じだろうか。
 いずれも宝石の原石といった感じで、きちんと磨けば、それだけで宝石としての価値がありそうだけど、エスドレア王国はあまり煌びやかな物は好まれないのだろうか。
 ……思い返してみると、シャルロットちゃんが私のアクセサリーに興味を持った時も、「綺麗」ではなく、「可愛い」って興味を持っていた。
 なるほど。この国でアクセサリーを売るのなら、少しだけ気にしておこう。

「えっと、分別とかも全然されていなさそうですね」
「えぇ、残念ながら。今の所、買い取った順に置かれています」
「つまり、奥の方が古いって事ですよね。一番古いので、どれくらい古いんですか?」
「以前、石の鑑定や管理を担っていた方が辞められてから、この状態のはずなので、一番古い物では一年を越えていそうですね」
「なるほど。石の力は、産出されてから一か月から二か月程度で失われてしまいます。ですから、手前の方から始めましょうか」
「そうなんですか!? ううむ……となると、奥の方にあるのは本当にただの石なのですね」
「ただの石……は少し飛躍しすぎかもしれないですね。いずれにせよ、先ずは手前の方をチェックして、後で奥の分について説明します。一先ず、暫く時間がかかりそうなので、また後で来てください」

 そう言って、近くにある箱へ近づく。
 大きな石や小さな石が、原石のままでゴツゴツとした石が、無造作に沢山並んでいる。
 私がアメーニア王国で扱っていたのは、綺麗に磨かれた後の石ばかりだったけど……石に含まれる精霊の力は原石の方が強いみたい。
 綺麗さに拘らない国民性なら、こっちの方が効果があるし、有効期間も一、二か月と言わず、もっと長く持ちそうだし、良い事ばかりね。
 ……というか、逆にアメーニア王国の方が何故? っていう感じかしら。
 誰も来ないような山の奥とかの洞窟に設置している精霊石まで綺麗さを求めて、綺麗に丸く磨かれた物を使っていたし。
 あれが、この原石のままだったら、もう少し小さい精霊石にして値段を下げるとか、精霊の力を入れる周期を長くするとか、いろいろと出来たはずなのに。

『リディア。そっちの石とか凄いよ』
(ホントだ。見て見て。こっちも凄くない?)

 良質な石が沢山あって、思わずエミリーと喋っているうちに、全体の二割くらいの仕分けが終わってしまった。

「リディア様。そろそろ昼食のお時間ですので、一度休憩を……」
「あ、クロードさん。これ、凄いですよ! まだこれだけしか仕分けられていないんですが、それでも力のある石がこんなにあります」
「えっ!? こ、これらの石に全て精霊が宿っているんですか?」
「はい。この全体の二割の内だと、七割が力のある石ですね」
「そ、そんなに!?」
「えぇ。そして、この七割の中の半分弱は、精霊石と呼ばれる、精霊の力を発動させる事が出来る石です」
「精霊石? ……一先ず、昼食をいただきながら、お話を伺っても宜しいですか?」
「はい! もちろん!」

 一先ず、力ある石と呼ばれている石には、精霊の力が宿っている事。
 その中でも精霊石と呼ばれる、精霊の能力――傷を癒したり、魔物を退けたりする効力を持たせられる事。
 残りはただの綺麗な石なので、国内に需要が無ければ、磨いてキラキラにして、他の国――アメーニア王国などに売れば良いという話をしたところで、

「へぇ。その話、私も詳しく聞きたいわねぇ」

 昨日出会った女性……じゃなくて、男性のロビンさんが現れた。
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