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第1章 精霊と共に追放された元聖女
挿話4 処罰される第四王女ユフィ
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「ユフィ! ちょっと、うちのメイドに貴方の仕事をさせないでくれる!?」
「え……あ、えっと、セリスお姉様……?」
「何!? 寝ぼけてるの!? とにかく、うちのメイドをこれ以上勝手に使わないでっ! 分かった!?」
部屋に戻ろうとして遭遇したセリスが、よく分からない事で怒っていたけど、第三王女なんだから、もっと余裕を持てば良いのに。
頭の中が、これからどうしようって事でいっぱいになったまま部屋に戻ると、
「荷物が無い!? ……あっ! 荷物を纏めさせたんだった」
部屋の入り口に置かれた大きな鞄が二つ。
今から鞄を漁る気にもなれず、そのままベッドへ……って、毛布も無いって、どういう事なの!?
もういいっ! それより、あの女よ。一体、何処へ行ったのかしら。もしも見つからなかったら……い、いえ、大丈夫よ。
私は出来る子だもの。ひ、一晩ぐっすり休めば、頭も冴えて、良い案が浮かぶはずよっ!
そう、ちょっと色々あって疲れているだけなんだから。
――くしゅんっ!
さ、寒くて眠れない。
予備の毛布とかは……な、何にも無いじゃない。
私に対する嫌がらせなの!?
「そ、そうだわ。あの女のベッドで寝よう。本当に聖女だったらしいし、妾じゃないなら、あのベッドも綺麗なはずよ」
しっかり眠らないと、何をするにも思考が纏まらない。
寒さと眠さでフラフラしながら夜の王宮を歩いて離れに向かっていると、
「そこの怪しい女……止まれ」
どこからか、暗い声が聞こえて来た。
一気に目が覚め、走って逃げようとした所で、風を切る音と共に私の顔に黒い影が……
「きゃぁぁぁっ! な、何よっ! 私を誰だと……」
「動くな。逃げようとすれば殺す。ここで何をしていたのかを簡潔に述べろ」
ヘナヘナとへたり込んだ所へ、影に見えた鋭い剣が私の額に突きつけられる。
こ、殺されちゃう!
そう思った瞬間、チョロチョロと股間に温かい水が流れ……私は意識を失った。
……
「……起きろ! 起きるんだ!」
激しく身体を揺さぶられて目を覚ますと、ぼやけた視界に見知った顔――お父様の顔が映る。
「お、お父様っ!? それに、お姉様たちも! 一体、何が……ひいっ! さ、さっきの人殺しがどうしてっ!? お、お姉様! 私に薬を盛って意識を奪った男が……」
「薬? お前が勝手に漏らしながら失神しただけだ。王の娘に免じて臭い服を着替えさせてやったんだから、感謝くらいしてもらいたいものだな」
「漏らし……いえ、それよりも着替えって、お、男がっ!?」
「ピィピィうるさい。それよりも王の御前だ。お前は黙って質問にだけ答えろ。従わない場合、腕や脚を失う事になるぞ」
「なっ……そ、そもそも、貴方は誰なのよっ!? 私はこの国の王女なのよっ!? こんな事をしてただで済むと……」
――ッ
見えない程早い動きで剣が伸びてきて、私の胸元――服だけが切り刻まれた。
「……俺は、この国に雇われているアサシンだ。雇い主である国王以外の言葉には従わん」
「アサ……シン!?」
アサシンって、つまり暗殺者よね!?
ど、どうしてそんな人が王宮に!? いえ、そもそもどうして私が剣を向けられているの!?
そんな私の疑問が解消されぬまま、第二王女のサリサお姉様が冷たい声を放つ。
「ユフィ、正直に答えなさい。リディア様はどこ? どうして居られないの?」
「な、何の事でしょうか。わ、私は何も……きゃあっ!」
「ユフィ。ちゃんと答えて! 今日の私への質問と、突然荷物を纏めだした事。そして、夜中にリディア様の所へ行こうとした事……貴方、リディア様に何かしたんでしょ?」
今度はスカートが斬られ、下着姿にされてしまった。
次は……殺されちゃう!
「わ、私が新たな聖女に選ばれたと嘘を吐き、お……追い出しました」
「…………どこへ?」
「……わかりません」
「こ、このバカ……なんて事を! リディア様が居なければこの国は……お父様っ! 愚かなユフィへ処罰を!」
サリサお姉様がお父様に顔を向け、とんでも無い事を言い放つ。
嘘でしょ!? だって、私は王女なのよ!? 処罰ですって!?
聖女だなんて言っても、所詮は平民でしょっ!? それなのに、王族の私が罰を受けるなんておかしいわっ!
本当は言ってやりたい! 叫びたい!
だけど、すぐ傍に闇色に塗られた刃がある。
これさえなければ……どうしてアサシンなんかが、こんな所にいるのよっ!
ムカムカしながらサリサを睨んで居ると、
「ユフィよ。今日、この瞬間からお前を王宮から追放する。荷物は纏まっているそうだから、今すぐ出て行くのだ」
お父様が変な事を言い出した。
「追……放? お父様、一体何を……」
「お前が聖女にした事と同じだ。文句はあるまい」
「お父様ぁぁぁっ!」
「連れていけ。それからサリサ。大至急、直近で聖女が力を込める予定だった精霊石のリストを作ってくれ。セリスはユフィが毎月浪費していた金額と王宮の貯蓄から、どれだけ精霊石が購入出来るか算出するように。あと、騎士団の任務に街や村の警護を追加だ! 民たちを魔物から守るのだっ!」
「待って! お父様、お父さ――っ!?」
突然首に衝撃を受けたかと思うと一瞬で視界が真っ暗になり、気付いた時には平民みたいな服を着せられ、見知らぬ場所に倒れていた。
嘘でしょっ!? 誰か嘘だと言ってぇぇぇっ!
「え……あ、えっと、セリスお姉様……?」
「何!? 寝ぼけてるの!? とにかく、うちのメイドをこれ以上勝手に使わないでっ! 分かった!?」
部屋に戻ろうとして遭遇したセリスが、よく分からない事で怒っていたけど、第三王女なんだから、もっと余裕を持てば良いのに。
頭の中が、これからどうしようって事でいっぱいになったまま部屋に戻ると、
「荷物が無い!? ……あっ! 荷物を纏めさせたんだった」
部屋の入り口に置かれた大きな鞄が二つ。
今から鞄を漁る気にもなれず、そのままベッドへ……って、毛布も無いって、どういう事なの!?
もういいっ! それより、あの女よ。一体、何処へ行ったのかしら。もしも見つからなかったら……い、いえ、大丈夫よ。
私は出来る子だもの。ひ、一晩ぐっすり休めば、頭も冴えて、良い案が浮かぶはずよっ!
そう、ちょっと色々あって疲れているだけなんだから。
――くしゅんっ!
さ、寒くて眠れない。
予備の毛布とかは……な、何にも無いじゃない。
私に対する嫌がらせなの!?
「そ、そうだわ。あの女のベッドで寝よう。本当に聖女だったらしいし、妾じゃないなら、あのベッドも綺麗なはずよ」
しっかり眠らないと、何をするにも思考が纏まらない。
寒さと眠さでフラフラしながら夜の王宮を歩いて離れに向かっていると、
「そこの怪しい女……止まれ」
どこからか、暗い声が聞こえて来た。
一気に目が覚め、走って逃げようとした所で、風を切る音と共に私の顔に黒い影が……
「きゃぁぁぁっ! な、何よっ! 私を誰だと……」
「動くな。逃げようとすれば殺す。ここで何をしていたのかを簡潔に述べろ」
ヘナヘナとへたり込んだ所へ、影に見えた鋭い剣が私の額に突きつけられる。
こ、殺されちゃう!
そう思った瞬間、チョロチョロと股間に温かい水が流れ……私は意識を失った。
……
「……起きろ! 起きるんだ!」
激しく身体を揺さぶられて目を覚ますと、ぼやけた視界に見知った顔――お父様の顔が映る。
「お、お父様っ!? それに、お姉様たちも! 一体、何が……ひいっ! さ、さっきの人殺しがどうしてっ!? お、お姉様! 私に薬を盛って意識を奪った男が……」
「薬? お前が勝手に漏らしながら失神しただけだ。王の娘に免じて臭い服を着替えさせてやったんだから、感謝くらいしてもらいたいものだな」
「漏らし……いえ、それよりも着替えって、お、男がっ!?」
「ピィピィうるさい。それよりも王の御前だ。お前は黙って質問にだけ答えろ。従わない場合、腕や脚を失う事になるぞ」
「なっ……そ、そもそも、貴方は誰なのよっ!? 私はこの国の王女なのよっ!? こんな事をしてただで済むと……」
――ッ
見えない程早い動きで剣が伸びてきて、私の胸元――服だけが切り刻まれた。
「……俺は、この国に雇われているアサシンだ。雇い主である国王以外の言葉には従わん」
「アサ……シン!?」
アサシンって、つまり暗殺者よね!?
ど、どうしてそんな人が王宮に!? いえ、そもそもどうして私が剣を向けられているの!?
そんな私の疑問が解消されぬまま、第二王女のサリサお姉様が冷たい声を放つ。
「ユフィ、正直に答えなさい。リディア様はどこ? どうして居られないの?」
「な、何の事でしょうか。わ、私は何も……きゃあっ!」
「ユフィ。ちゃんと答えて! 今日の私への質問と、突然荷物を纏めだした事。そして、夜中にリディア様の所へ行こうとした事……貴方、リディア様に何かしたんでしょ?」
今度はスカートが斬られ、下着姿にされてしまった。
次は……殺されちゃう!
「わ、私が新たな聖女に選ばれたと嘘を吐き、お……追い出しました」
「…………どこへ?」
「……わかりません」
「こ、このバカ……なんて事を! リディア様が居なければこの国は……お父様っ! 愚かなユフィへ処罰を!」
サリサお姉様がお父様に顔を向け、とんでも無い事を言い放つ。
嘘でしょ!? だって、私は王女なのよ!? 処罰ですって!?
聖女だなんて言っても、所詮は平民でしょっ!? それなのに、王族の私が罰を受けるなんておかしいわっ!
本当は言ってやりたい! 叫びたい!
だけど、すぐ傍に闇色に塗られた刃がある。
これさえなければ……どうしてアサシンなんかが、こんな所にいるのよっ!
ムカムカしながらサリサを睨んで居ると、
「ユフィよ。今日、この瞬間からお前を王宮から追放する。荷物は纏まっているそうだから、今すぐ出て行くのだ」
お父様が変な事を言い出した。
「追……放? お父様、一体何を……」
「お前が聖女にした事と同じだ。文句はあるまい」
「お父様ぁぁぁっ!」
「連れていけ。それからサリサ。大至急、直近で聖女が力を込める予定だった精霊石のリストを作ってくれ。セリスはユフィが毎月浪費していた金額と王宮の貯蓄から、どれだけ精霊石が購入出来るか算出するように。あと、騎士団の任務に街や村の警護を追加だ! 民たちを魔物から守るのだっ!」
「待って! お父様、お父さ――っ!?」
突然首に衝撃を受けたかと思うと一瞬で視界が真っ暗になり、気付いた時には平民みたいな服を着せられ、見知らぬ場所に倒れていた。
嘘でしょっ!? 誰か嘘だと言ってぇぇぇっ!
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