精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第2章 精霊と学校へ通う元聖女

第13話 デート?

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 ク、クロードさん……格好良い!
 少し照れている辺り、もしかしたら普段よりも格好に気合いを入れてくれているのかも。
 というのも、昨日アメーニア王国から帰ってきた時の、旅行者っぽい服とは違って、如何にもセンスの良いスマートな男性って感じで……

「って、クロードさん。今日は午後から騎士のお仕事はお休みだと言っていませんでしたっけ?」
「はい。午後は非番ですが?」
「えっと、その……どうして剣を携帯しているのですか?」

 服装や身だしなみは良いんだけど、腰の剣が浮いてしまっている。

「これは……先日、シャルロット様とアメーニア王国へ行った際、旅人の振りをする為に剣を持っておらず、不覚にも遅れを取ってしまったので。リディア様は何が起ころうとも、絶対に護る為に携帯させていただきました」

 な、何があっても絶対に私を護るだなんて……こ、これってプロポーズなの!?

『流石に違うと思うよー』

 どうしよう。私も一生ついていきます……とか、返すべきなの!?

『ねぇ、聞いてる? ウチが……というか、誰が見ても任務的な話しだと思うんだけど……リディア! リディアってば!』
(きゃっ! もう、エミリー。突然大きな声を出さないでよねー)
『あ、うん。えーっと、リディアは、すぐ周りが見えなくなるから、気を付けてね』
(大丈夫よ。私、結構しっかりしてるもん)
『……まぁ、とりあえず出発するみたいだし、ついて行こうか』

 エミリーの言う通り、クロードさんが私を見つめながら、少し照れた様子で手を出していて、

『……クロードの手に、リディアの手を重ねて』
(そ、それくらい知ってるもん。……実際にするのは初めてだけど)

 エミリーに教えてもらった通りに振る舞い、家のすぐ前に止めてある馬車へ。
 クロードさんが扉を開けて、恭しく先へどうぞって促してくれたけど、こんな扉の付いた馬車は初めてだ。
 いつも馬車に乗る時は、乗合馬車っていう大人数用の馬車だったしね。

「あちらに見えるのが、この街で一番人通りが多い商店街です。そこにある武器屋は品揃えが結構良いそうです」
「商店街から一つ隣の通りにあるのが、冒険者ギルドですね。騎士に頼む程の事でも無いけど、困った事……を解消する為の組織ですね」
「次は……」

 く、クロードさん。街を紹介してくれるのは良いんだけど、もう少し私が……というか、女性が興味を持ちそうな場所を紹介してくれると嬉しいかな。
 内心、そんな事を考えていると、

「リディア様。少し歩きませんか? この場所は私が最も好きな場所なんです。きっと、リディア様も気に入っていただけると思います」

 そう言って、クロードさんが御者さんに声をかけて馬車を止める。
 クロードさんと共に馬車を降りると、眼下に広い湖が広がり、その中心にある島から大きな――巨大な樹が生えている。

「凄い……大きい」
「生命の樹と呼ばれる、太古の時代から生きていると言われる樹です」」

 ここから――遠目で見ても分かるくらいに、樹の精霊リーアちゃんの力が感じられた。
 それと、あの大きな樹を囲む様にして広がる湖にも、水の精霊ディーネちゃんが居て、その少し上には風の精霊シルフちゃんが居る。
 この地では精霊石が沢山採れるし、地の精霊ムーちゃんも大勢居るのだろう。
 一言で表すと、精霊に愛された土地……とでも言うべきだろうか。

「ここからだと、あの樹と湖しか見えませんが、この下は自然公園となっていて、歩いているだけで心が安らぐんですよ」
「降りられるんですか?」
「はい。といっても、湖の周りは聖地として立ち入り禁止になっていますが。……では、行ってみましょうか」

 クロードさんにエスコートしてもらいながら、公園へと続く細い道を下って行く。
 馬車から見た色々な人が行き交う街並みのすぐ近くに、精霊さんたちが沢山居る自然の多い場所が並ぶ。
 この国の人たちは自然を大事にしてくいるんだなと考えながら、クロードさんと一緒に広い公園の中を歩いて行く。
 公園には大勢の人が居て、親子連れだったり、学生服姿の少年少女だったり、何とも言えない微妙な距離の男女だったり……って、ちょっと待って!
 もしかして、私たちもこの微妙な距離の男女の一組になってる!?

『ぴんぽーん! いやー、最初はどうなる事かと思ったけど、リディアとクロードさん……初々しいカップルの初デートって感じだよ。頑張って!』
(な、何を頑張るのよーっ!)

 さっきまで普通にクロードさんと並んで話していたのに、何だか周囲から見られているような気がしてきちゃったじゃない!
 エミリーの言葉で変に意識してしまったけれど、その後も国の事を教えてもらったりしながら、湖の近くまで歩いてきた。

「綺麗……」
「えぇ。沢山の植物や生き物に囲まれて、仕事で疲れた時に来ると凄く癒されるんです」
「……やっぱり騎士隊長ともなると、お仕事は大変なんですね」
「えっ!? ま、まぁそれなりには。けど、大丈夫ですよ」
「えっと、もし良ければ、これを使ってみてください。昨日、クロードさんに似合うかもって作ったんです」
「これは……ブレスレットですか!?」
「はい。癒しの力を込めてありますので、是非」
「あ、ありがとうございます! 大切に使いますね」

 喜ぶクロードさんを見ていると、

『へぇー、リディアもやるねー。昨日、遅くまで頑張っていたのはクロードのためだったんだ』
(え? あ、それは……だ、だって、これから迎えに来てもらったりお世話になるし……)
『クロードも凄く喜んでるし、良かったね。うんうん、二人はお似合いだと思うよー』

 調子の良いエミリーにからかわれてしまった。
 けど、クロードさんが喜んでくれて良かった。
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