精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第2章 精霊と学校へ通う元聖女

第19話 初仕事完了

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「完成ー! 出来たー!」

 アトリエ――もとい、エスドレア王国に借りている家の一部屋で、完成した二つのアクセサリーを眺め……ベッドに突っ伏す。
 とっくに夜が更けていて、もうすぐ日が変わってしまうのではないだろうか。

『リディア、お疲れ様ー。今回は随分と時間がかかったね』
(うーん。本当はもっと早く出来ていたんだけど、細かい所が気になっちゃって、そこに手を入れだしたら凄く時間がかかっちゃって)
『細部までこだわりたい気持ちは分からなくはないけれど、ほどほどにね』

 エミリーに呆れられながらも、満足のいく出来になったので嬉しく思いながら毛布にくるまると、

『……ディア! リディアってば! そろそろ起きないと遅刻しちゃうよっ!』
「……え? もう朝なの?」
『そうだよ。ほら、早く。朝ごはん食べて、着替えなきゃ!』

 あっという間に朝だった。
 そこから慌ただしく朝の準備を済ませると、昨日と同じようにクロードさんが迎えに来てくれて、学校へ。
 今日も、簡単過ぎる……と思う授業と、サッパリわかんない……って思う授業の極端な組み合わせを乗り切り、迎えに来てくれたクロードさんの馬車で王宮へ向かう。

「リディア様……学校生活は特に問題ございませんか?」
「はい。皆さん、優しくしてくれますし、凄く楽しいです」
「そうですか。それならば良いのですが……」
「あの、何かあったんですか?」
「いえ、何かあった訳ではないのですが、先ほどお迎えに上がった際に、こちらをジッと見つめてくる少女が居たので」

 馬車の道すがら、クロードさんが私を心配してくたんだけど、それって単にクロードさんが格好良いから見とれていただけでは無いだろうか。
 そんな事を思いながら、コトコト馬車に揺られて王宮に到着した。
 クロードさんと共に王宮内の談話室みたいな場所へ行くと、今日もロビンさんがメイドさんとお話ししていた。

『リディア。この人、いつも居るけど、暇なのかな?』
(ど、どうだろ。じ、実は何気ない雑談に見えて、重要な話をしてる……とか?)
『そうかなー? そんな風には見えないんだけど』

 一先ず、要件を済ませる為にロビンさんへ近づくと、乳液とか、スキンケアとかって単語が聞こえた。
 ……い、隠語。そう、今のは何かのコードネームなのよ……きっと。

「えーっと、ロビンさん……」
「あら、リディアちゃん。今日も聞き取り? 今なら、奥に第四隊長の……」
「いえ、ロビンさんに用事があって来たんです。昨日お話を聞かせていただいた効果のある、アクセサリーが出来上がったんです」
「まぁ、随分と早いのね。……一体、どんなのが出来たのかしら」
「はい。ロビンさんにはこちらです」

 鞄から小さな箱を取り出すとロビンさんの目が鋭くなる。
 顔は笑っているのに、目だけ真剣でちょっと怖いよ。

「どうぞ。開けてください」
「ありがとう。これは……剣帯?」
「はい。それなら、既に騎士の皆さんがお持ちでしょうし、身につけていただくのにも抵抗がないかなって」
「へぇー、流石ね。この細かい所まで凝っているのは気に入ったわ。……けど、ここの細工はかなり大変じゃない?」
「あ、わかります? 実は石を取り付けた所よりも、そっちに時間がかかっちゃいまして……って、それよりも先ずは身につけてもらって良いですか? 元々お持ちの石との相性を見たいので」

 エミリーの見立てでは、おそらく大丈夫という話だったけど、最終的にはちゃんと確認したいと分からない。
 早速ロビンさんに、今つけている剣帯と交換してもらい、

『うん。大丈夫そうだね。月の精霊ルナの力も、金の精霊アウラの力も弱まっていないよ』

 エミリーの言葉に胸を撫で下ろす。

「ロビンさん。その剣帯に付けた珪孔雀石――クリソコーラっていうんですけど、それに宿る力はちゃんと発揮されているので、安心してください」
「この碧い石の事ね? これを身につけていると、髪や肌が綺麗になるのね?」
「はい。ただ、即効性があるものではないのと、あくまでも石が持つ力は補助的な物なので、ロビンさんが不摂生を続けたりすると……」
「いやねぇ。誰に言っているのよ。この私がそんな事する訳ないじゃない。食事から日々の運動、ストレスコントロールまで完璧よん」
「そ、そうですか」

 この人、この精霊の力とか要らないんじゃないかな?
 もっと別の効力にした方が良い気がするんだけど。
 一先ずロビンさんが気に入ってくれたので、スコットさんが職務から戻るまでの間に、奥に居る別の隊長さんの話を聞く事にした。
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