精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第2章 精霊と学校へ通う元聖女

第23話 個人用結界量産計画

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『ん? リディア。一体何を思いついたの?』
(私が、聖女だって名乗りをあげずに、この国を守る方法だよ)
『凄いね。そんな方法があるの? それならウチも賛成だけど、どうするの?』
(それはね……この国で取れる石は、アメーニア王国の石よりも効果が高いって分かったでしょ? だから、退魔の力を込めた石を、皆が身につければ良いのよ)

 アメーニア王国では、大きな精霊石を使って大きな結界を作り、魔物が出そうな場所や、魔物が来ると困る場所に配置していた。
 今度はそうじゃなくて、小さくて安価な力ある石を使って、小さな個人用の結界を沢山作るんだ。

『なるほどねー。ただ、安価とは言っても、大きな精霊石と比べて……って意味で、普通の宝石よりは高いと思うけどね』
(そうだけど、それはシャルロットちゃんと相談というか、国民を護る為に石の費用を国に負担してもらうとかさ)
『ふぅん。まぁリディアが前みたいな忙しい生活にならないのなら良いと思うよ』
(うん。今までは私が精霊石の所へ行っていたけれど、石に精霊の力が宿る期間も長そうだし、石を持っている人に、私の所へ来てもらうの。そうすれば、私が移動する訳じゃないから、エミリーも賛成してくれるでしょ?)
『それはそれで……いや、何でもない。まぁ良いんじゃないかな?』
(そっか。じゃあ、早速クロードさんたちに相談してみるねー!)

 一先ず、怪我人の治療も済んだ所で、来た時と同じようにクロードさんと一緒に馬へ乗って帰る事になったので、エミリーとの話をかいつまんで説明してみた。

「ふむ。精霊の宿る石を全ての国民に……ですか」
「えぇ。そうすれば、皆が安全になると思うんです」
「良い案だとは思いますが、幾つか問題点がありますね。例えば、一番大きな問題点として、国民全員に配布出来る程の石がありません」
「それは……じ、実は、私……石に宿る精霊の力を回復させる方法を知っているんです」
「な、何ですって!? リディア様、そ、それは本当ですか!?」
「え、えぇ。ですが、あくまで回復させるだけです。新たに発掘された精霊石に、任意の精霊の力を込めたりは出来ないんです。ほ、本当に」

 ど、どうしよう。
 これって、私が聖女だってバレちゃうかな?
 でも、力を込める訳じゃなくて、回復って言ったし大丈夫……大丈夫だよね?
 後ろを向いてクロードさんの様子を見ようとしたけれど、鈍く光る鉄の鎧しか見えない。
 なので、そのまま視線を上にして見上げると、何かを考える様子のクロードさんの端正な顔が視界に映り……目が合った。
 クロードさんは今何を考えているんだろう?
 失敗しちゃった? でも、エミリーに止められたけど、最初は聖女だって明かすつもりだったし……

「リディア様。リディア様が仰る通り、採掘されて時間が経ち、失われてしまった石の力を回復出来るであれば、先程の話……実現性があるかもしれません」
「え? と言いますと?」
「我が国の大臣です。大量に石を持っておりますし、古い石も沢山持っているでしょう。また、力を失った石を破棄しているという話も聞きませんので、どこかへ隠しているはず。それらを回収出来れば、かなりの数になるはずです」
「なるほど。ちなみに、今の大臣さんが石を占有する前は、どうだったのですか?」
「以前は、国から依頼してドワーフへ使用済みの石を受け入れてもらっておりました。ドワーフが採掘した石を我らが買い取って使用し、力を失った石をドワーフに費用を支払って引き取ってもらう……それが今までの流れだったのです」

 なるほど。
 ドワーフ側としても、採掘した石を国に売って収益となり、使用済みの石を受け入れる事で更に収益になる。
 国は石を使用出来るし、ドワーフは収益を得る事が出来る……で、良い関係にあったのに、それを大臣が壊したんだ。
 だったら、尚更大臣を早くなんとかしないと……と思っていると、

「リディア様。石の確保が出来たとして、騎士ではない非戦闘職の国民にどのような効力のある石が相応しいか……この判断が難しいと思うのですが」

 クロードさんが何か思いついたかのように口を開く。
 だけど私は、

「それなら、大丈夫。せっかく学校へ通わせてもらっているんだもの。私が、騎士ではない普通の女学生に聞いてみるから」

 笑顔で自信満々に応えてみせた。
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