精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人

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第3章 精霊と新しい暮らしを始める元聖女

第46話 クロードの実力

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『リディア。精霊たちによると、こっちだって』

 エミリーの示す方角へクロードさんと共に進んで行く。

「クロードさん。こっちだと思います」

 右へ左へ……街の外れを進んで行くと、如何にも怪しげな、窓が一つもない家があった。

(エミリー。ここに精霊がいるの?)
『うん。だけど、全員ではないみたい。大半は既にどこかへ運ばれてしまったみたい……』

 エミリーの悔しそうな言葉を聞き、先ずはここに居る精霊たちだけでも助けてようと、扉に手を掛ける。
 当然ながら鍵が掛かっているので、エミリーに頼んで開けてもらおうとした所で、

「リディア様。お下がりください」

 そう言ったクロードさんの手が一瞬消えたかのように見えた。
 何事かと思った後には、手に剣が握られていて、扉がガラガラと音を立てて崩れる。

「クロードさん、凄いです!」
「リディア様のお力には及びませんよ」

 クロードさんが優しく微笑みかけてくれた直後、

「お前ら、何者……って、第二騎士隊隊長のクロードだとっ!? 何故ここにっ!? お、お頭を呼……ぐはっ!」

 家の奥から現れた、ちょっと強面の人がクロードさんの一撃で倒れる。
 ……い、生きてるよね?
 何をしたのかは分からないけれど、血が流れたりはしていないし、ピクピク動いているから、気絶か悶絶しているだけみたい。
 剣を手にしているのに、斬らずに相手を倒すって、一体どうやっているのだろう? と考えているうちに、クロードさんが次々と現れる人たちを倒していく。
 そんなクロードさんの流れる様な動きに目を奪われていると、

『リディア! 危ないっ!』

 奥に居た人が、私に向かって拳大の何かを投げてきた!?
 何かが迫っている事を意識として認識しているけれど、咄嗟に身体が動かず硬直していると、突然視界が何かに遮られる。

「リディア様。お怪我はありませんか?」
「……く、クロードさん!? あ、ありがとうございます」

 気付いた時には銀色の何か――クロードさんの鎧が目の前にあって、頭の上から優しい声が聞こえてきた。
 これはつまり、飛んで来た何かから、クロードさんが身を挺して私を守ってくれて、その上抱き締められている!?
 今、私が置かれている状況にドキドキしていると、

「少々危険ですので、手を失礼致しますね」

 クロードさんが私の右手を取り、前を歩いて行く。

「投げた爆弾の導火線だけを空中で斬るなんて、無茶苦茶過ぎ……がぇっ!」

 よく分からないけど、クロードさんは凄い事を平然とやってのけているみたい。
 そのまま一気に一番奥の部屋まで進み、他の人たちから「お頭」と呼ばれる人の所までやってきた。

「ふん。第二騎士隊のクロードか。どうやってここを嗅ぎつけたかは知らんが、我々のバックに誰がついて居るのか知らんようだな」
「大臣のメリアであろう。既にメリアは更迭され、薬の事も吐いているぞ」
「なっ……そんな、バカな!? こうなったら……」

 お頭さんが壁際に走ると、何かの液体が入った、細いガラス瓶の様な物を棚から取り出す。

『リディアっ! あれっ! あの中に精霊たちがいるっ!』
(エミリー。どうすれば良い? 割っちゃえば良いかな!?)
『たぶん、それで大丈夫だと思う』
(じゃあ……シルフちゃんをお願いっ!)
『分かった! 頼むよ、シルフっ!』

 エミリーが風の精霊を呼び出し、真空の刃で銀の筒を……斬れないっ!?

『えっ!? ……精霊の力が効かないっ!? どういう仕組みか分からないけど……シルフの力が無力化された?』

 精霊の力が無力化されたなんて初めての事で、唖然としていると、唐突に何かが割れる音がして、

「リディア様。緊急を要したため、破壊してしまいましたが、大丈夫でしょうか?」

 クロードさんが銀の筒を、真っ二つに斬り落としてくれていた。
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