7 / 70
第7話 植物を成長させる魔法
しおりを挟む
「えーっと、植物を操る魔法って何の事でしょうか?」
「すまない。俺は鑑定っていうスキルを持っていて、手を触れた相手が持っているスキルが分かってしまうんだ。さっき会った時は、本当に案内してあげるだけのつもりだったんだけど、勝手に俺のスキルが発動してしまってね」
やっぱり、思った通りだった。
流石に、手を握ったら発動するなんて事は知らなかったけど、生徒会長のローランドさんはゲーム通り鑑定スキルが使えるのか。
「あ、あの。実は私、魔法学園に居る内に沢山スキルを習得しなくちゃいけなくて……」
「だったら、俺が教えてあげよう。伊達に生徒会長をしている訳じゃないからね。この学校の生徒の中で、俺は五本の指に入るスキルの多さだと自負しているくらいに、多くのスキルを習得しているからね」
鑑定スキル持ちのローランドさんから、直々に指導してもらえる!?
鑑定スキルがあると、スキルの習得率が数値で見えるから、物凄く効率が良い。
それに、ローランドさんが攻略対象じゃないからか、ゲーム内で主人公は鑑定スキルを習得出来ないけど、もしかしたら鑑定スキルが習得出来ちゃうかも!?
そうなると、辺境生活が非常に助かる。
何と言っても、その辺の見知らぬ草を鑑定スキルで調べれば、食べられるかどうか判るもん。
これは、誘いに乗るべき……よね?
「分かりました。では、菜園クラブに入部します」
「おぉ! ありがとう! ルーシーが入ってくれると、本当に助かるよ! なんせ、魔法学園に通う生徒は菜園に興味が無いみたいで、ルーシーが入ってくれなかったら、廃部にされる所だったからね」
「え? どういう事ですか?」
「クラブとして認められる条件は、部員が三人以上居る事だからね。ルーシーが入ってくれなければ、部員が二人しか居ないからさ」
「そ、そうなんですね。ちなみに、もう一人の部員の方はどちらに?」
周囲を見渡してみても、ローランドさんしか居ないんだけど。
今日は入学式があるから、二年生も三年生も授業が無く、クラブ紹介の為に来ているはずなのに。
「あー、言い難いんだが、実はもう一人は生徒会の書記を兼任していて、滅多に来ないんだ」
「……もしかして、それってローランドさんが無理矢理生徒会のメンバーを菜園クラブに入れたんですか?」
「無理矢理ではないよ。ただ、入ってくれたら、俺が卒業した後の次期会長として推してあげる……かもしれないとは言ったけど」
それはどうなの!? 思いっきりエサをちらつかせている気がするんだけどっ! この学園の生徒会って、それで良いのっ!?
「そんな事より、早速ルーシーの魔法を使ってみてくれないかい? 鑑定スキルを持っているから、数多くのスキルの知識を持っているけど、植物を操るなんてスキルは初めてみたからね」
ですよねー。私だって、このゲーム内に木魔法なんていうのがあるとは、思ってもみませんでしたから。
とりあえず、植物を操るっていう話だけど、昨日使いまくったブランチ・アローで良いのだろうか。
木の枝を矢のように飛ばすんだけど……危なくないかな?
「じゃあ、ルーシーが持っている、グロウ・プラントっていう魔法を使ってくれないかい?」
「グロウ・プラント……って、何ですか?」
「何ですか……って、鑑定スキルで見た時にあったんだけど。植物を成長させる魔法だって」
植物を成長させる……って、凄くない?
まだ木の実がならない小さな木を成長させて、すぐに木の実を食べられるようにしたり出来るって事だよね?
辺境で食べ物に困った時、役に立つかも!
「≪グロウ・プラント≫」
とりあえず、目の前にあったピンク色の花の蕾に魔法を使うと、ゆっくりと花が開いた。
「おぉ! 凄いね。その花は、あと二日は咲かないと思っていたのに」
「えっと、ステータス……こほん。魔力が上がれば、もっと一気に成長させられると思います」
「なるほど。凄いよ、ルーシー! じゃあ、これからは菜園の勉強と、魔力を向上させる勉強……両方やっていこうね。大丈夫、俺がついているからさ」
やった! 魔力を向上させる勉強だって!
魔力を高めて、種から一気に実が生るくらいに成長出来るようになったら……辺境生活での食糧に不安がなくなるわねっ!
「すまない。俺は鑑定っていうスキルを持っていて、手を触れた相手が持っているスキルが分かってしまうんだ。さっき会った時は、本当に案内してあげるだけのつもりだったんだけど、勝手に俺のスキルが発動してしまってね」
やっぱり、思った通りだった。
流石に、手を握ったら発動するなんて事は知らなかったけど、生徒会長のローランドさんはゲーム通り鑑定スキルが使えるのか。
「あ、あの。実は私、魔法学園に居る内に沢山スキルを習得しなくちゃいけなくて……」
「だったら、俺が教えてあげよう。伊達に生徒会長をしている訳じゃないからね。この学校の生徒の中で、俺は五本の指に入るスキルの多さだと自負しているくらいに、多くのスキルを習得しているからね」
鑑定スキル持ちのローランドさんから、直々に指導してもらえる!?
鑑定スキルがあると、スキルの習得率が数値で見えるから、物凄く効率が良い。
それに、ローランドさんが攻略対象じゃないからか、ゲーム内で主人公は鑑定スキルを習得出来ないけど、もしかしたら鑑定スキルが習得出来ちゃうかも!?
そうなると、辺境生活が非常に助かる。
何と言っても、その辺の見知らぬ草を鑑定スキルで調べれば、食べられるかどうか判るもん。
これは、誘いに乗るべき……よね?
「分かりました。では、菜園クラブに入部します」
「おぉ! ありがとう! ルーシーが入ってくれると、本当に助かるよ! なんせ、魔法学園に通う生徒は菜園に興味が無いみたいで、ルーシーが入ってくれなかったら、廃部にされる所だったからね」
「え? どういう事ですか?」
「クラブとして認められる条件は、部員が三人以上居る事だからね。ルーシーが入ってくれなければ、部員が二人しか居ないからさ」
「そ、そうなんですね。ちなみに、もう一人の部員の方はどちらに?」
周囲を見渡してみても、ローランドさんしか居ないんだけど。
今日は入学式があるから、二年生も三年生も授業が無く、クラブ紹介の為に来ているはずなのに。
「あー、言い難いんだが、実はもう一人は生徒会の書記を兼任していて、滅多に来ないんだ」
「……もしかして、それってローランドさんが無理矢理生徒会のメンバーを菜園クラブに入れたんですか?」
「無理矢理ではないよ。ただ、入ってくれたら、俺が卒業した後の次期会長として推してあげる……かもしれないとは言ったけど」
それはどうなの!? 思いっきりエサをちらつかせている気がするんだけどっ! この学園の生徒会って、それで良いのっ!?
「そんな事より、早速ルーシーの魔法を使ってみてくれないかい? 鑑定スキルを持っているから、数多くのスキルの知識を持っているけど、植物を操るなんてスキルは初めてみたからね」
ですよねー。私だって、このゲーム内に木魔法なんていうのがあるとは、思ってもみませんでしたから。
とりあえず、植物を操るっていう話だけど、昨日使いまくったブランチ・アローで良いのだろうか。
木の枝を矢のように飛ばすんだけど……危なくないかな?
「じゃあ、ルーシーが持っている、グロウ・プラントっていう魔法を使ってくれないかい?」
「グロウ・プラント……って、何ですか?」
「何ですか……って、鑑定スキルで見た時にあったんだけど。植物を成長させる魔法だって」
植物を成長させる……って、凄くない?
まだ木の実がならない小さな木を成長させて、すぐに木の実を食べられるようにしたり出来るって事だよね?
辺境で食べ物に困った時、役に立つかも!
「≪グロウ・プラント≫」
とりあえず、目の前にあったピンク色の花の蕾に魔法を使うと、ゆっくりと花が開いた。
「おぉ! 凄いね。その花は、あと二日は咲かないと思っていたのに」
「えっと、ステータス……こほん。魔力が上がれば、もっと一気に成長させられると思います」
「なるほど。凄いよ、ルーシー! じゃあ、これからは菜園の勉強と、魔力を向上させる勉強……両方やっていこうね。大丈夫、俺がついているからさ」
やった! 魔力を向上させる勉強だって!
魔力を高めて、種から一気に実が生るくらいに成長出来るようになったら……辺境生活での食糧に不安がなくなるわねっ!
350
あなたにおすすめの小説
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
【完結】そうは聖女が許さない〜魔女だと追放された伝説の聖女、神獣フェンリルとスローライフを送りたい……けど【聖水チート】で世界を浄化する〜
阿納あざみ
ファンタジー
光輝くの玉座に座るのは、嘘で塗り固められた偽りの救世主。
辺境の地に追いやられたのは、『国崩しの魔女』の烙印を押された、本物の奇跡。
滅びゆく王国に召喚されたのは、二人の女子高生。
一人は、そのカリスマ性で人々を魅了するクラスの女王。
もう一人は、その影で虐げられてきた私。
偽りの救世主は、巧みな嘘で王国の実権を掌握すると、私に宿る“本当の力”を恐れるがゆえに大罪を着せ、瘴気の魔獣が跋扈する禁忌の地――辺境へと追放した。
だが、全てを失った絶望の地でこそ、物語は真の幕を開けるのだった。
△▼△▼△▼△▼△
女性HOTランキング5位ありがとうございます!
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる