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第8話 お米が食べたい悪役令嬢
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「お疲れ様。じゃあ、明日からは通常授業だから、放課後にここへ来てね」
「は、はい。お疲れ様でした」
ローランドさんがニコニコと笑顔を浮かべて見送ってくれたけど……魔力を向上させる訓練が、とにかく地味だった。
いや、派手なら良いって訳でもないんだけど……ローランドさん曰く、私の体内にはそれなりの魔力があるのに、魔力を操作するイメージが下手過ぎるらしい。
まぁ日本人に魔力って言われてもね。
なので、今日はひたすらイメージトレーニングというか、瞑想というか……思っていたスキルの勉強とは違ったけど、ステータス的には少し向上したらしい。
数値で見える鑑定スキルのおかげで、少しやる気が回復したので、
「≪ゲート≫」
こっそり木魔法を使って寮の裏へ移動し、窓から自分の部屋へ入ると、先ずは苦しい制服を脱ぎ、ラフな格好に。
急いで食堂へ行って食事を済ませると、先ずは部屋に戻り、ユリアナに相談したい事があるので、早速聞いてみる。
「ねぇ、ユリアナ」
『はい。どうされました?』
「今日、グロウ・プラントっていう魔法があるって教えてもらったんだけど、この魔法が使えたら、農業のスキルって不要かな?」
もしかしたら、この魔法だけで辺境の食糧難を乗り越えられるなら、菜園クラブでは魔力の向上に専念しようかなと思ったんだけど。
ユリアナの名前を出すと即座に緑髪の女性が現れ、答えてくれた。
『んー、それはあくまで、成長させるだけですからね。ちゃんとした知識が無ければ、成長させても実がならなかったり、美味しくなかったりしますよ』
「なるほど。どうせなら美味しいご飯が食べたいかな。白いお米に、お漬物……お味噌汁があると尚良しっ!」
『おこめ? おつけもの? おみそしる? ……何ですか、それは?』
「えっ!? こっちの世界には無いの!? えっと、まずお米は稲でしょ。それから、お漬物は大根とか白菜かな。お味噌汁は、大豆から作ったお味噌のスープだよ」
『うーん。大根や白菜は、普通に人間たちも食べているかと思いますが、稲や大豆は動物の餌ですね』
「えぇっ!? あんなに美味しいのに食べないの!? ……というか、言われてみれば確かに、寮の食事ってパンとかパスタよね。小麦が主食なのかぁ」
決して寮のご飯がマズい訳ではないんだけど、やっぱり元日本人としてはお米が食べたくなるよね。
「待って。という事は、この寮に居る限り、三年間お米は食べられないって事!?」
『三年間どころか、お米を食べる人なんていないから、何処に行っても食べられないと思いますけど』
「な、何ですってー! そ、そんなぁ……うぅ。お米が食べたい。タクアンをポリポリかじりつつ、ホカホカのご飯を食べたいよぉー」
『えーっと……それでしたら、ルーシーさんが自分で稲を育ててはどうですか? こういう魔法もありますので』
そう言って、ユリアナが新しい魔法を教えてくれた。
とりあえず世界樹の杖を手にして、教えてもらった通り、稲の事を考えながら魔法の名を言ってみる。
「≪クリエイト・シード≫」
ユリアナのおかげで木魔法が発動すると、私の手のひらに小さな種……というか、種籾かな? 籾摺りする前のお米みたいなのがあった。
「これは……もしかして、稲の種?」
『はい。ルーシーさんがそれを植えて、自分でお米とやらを作ってみてはどうでしょうか?』
「な、なるほど! 裏の森に行けば、人が来なさそうな場所なんて沢山あるし、菜園クラブで稲の育て方を教えてもらいながら、実際に育てちゃえば良いのね!」
仮にローランドさんが稲の育て方を知らなかったとしても、私にはやり込んだゲームの知識がある!
ゲームの中だけど、すっごくリアルな米作りだって評判のゲームをしたからね!
「よし! そうと決まれば、早速場所を捜さないとね。……≪ゲート≫」
木魔法で裏の森へ移動すると、早速手頃な場所を探す事にした。
「は、はい。お疲れ様でした」
ローランドさんがニコニコと笑顔を浮かべて見送ってくれたけど……魔力を向上させる訓練が、とにかく地味だった。
いや、派手なら良いって訳でもないんだけど……ローランドさん曰く、私の体内にはそれなりの魔力があるのに、魔力を操作するイメージが下手過ぎるらしい。
まぁ日本人に魔力って言われてもね。
なので、今日はひたすらイメージトレーニングというか、瞑想というか……思っていたスキルの勉強とは違ったけど、ステータス的には少し向上したらしい。
数値で見える鑑定スキルのおかげで、少しやる気が回復したので、
「≪ゲート≫」
こっそり木魔法を使って寮の裏へ移動し、窓から自分の部屋へ入ると、先ずは苦しい制服を脱ぎ、ラフな格好に。
急いで食堂へ行って食事を済ませると、先ずは部屋に戻り、ユリアナに相談したい事があるので、早速聞いてみる。
「ねぇ、ユリアナ」
『はい。どうされました?』
「今日、グロウ・プラントっていう魔法があるって教えてもらったんだけど、この魔法が使えたら、農業のスキルって不要かな?」
もしかしたら、この魔法だけで辺境の食糧難を乗り越えられるなら、菜園クラブでは魔力の向上に専念しようかなと思ったんだけど。
ユリアナの名前を出すと即座に緑髪の女性が現れ、答えてくれた。
『んー、それはあくまで、成長させるだけですからね。ちゃんとした知識が無ければ、成長させても実がならなかったり、美味しくなかったりしますよ』
「なるほど。どうせなら美味しいご飯が食べたいかな。白いお米に、お漬物……お味噌汁があると尚良しっ!」
『おこめ? おつけもの? おみそしる? ……何ですか、それは?』
「えっ!? こっちの世界には無いの!? えっと、まずお米は稲でしょ。それから、お漬物は大根とか白菜かな。お味噌汁は、大豆から作ったお味噌のスープだよ」
『うーん。大根や白菜は、普通に人間たちも食べているかと思いますが、稲や大豆は動物の餌ですね』
「えぇっ!? あんなに美味しいのに食べないの!? ……というか、言われてみれば確かに、寮の食事ってパンとかパスタよね。小麦が主食なのかぁ」
決して寮のご飯がマズい訳ではないんだけど、やっぱり元日本人としてはお米が食べたくなるよね。
「待って。という事は、この寮に居る限り、三年間お米は食べられないって事!?」
『三年間どころか、お米を食べる人なんていないから、何処に行っても食べられないと思いますけど』
「な、何ですってー! そ、そんなぁ……うぅ。お米が食べたい。タクアンをポリポリかじりつつ、ホカホカのご飯を食べたいよぉー」
『えーっと……それでしたら、ルーシーさんが自分で稲を育ててはどうですか? こういう魔法もありますので』
そう言って、ユリアナが新しい魔法を教えてくれた。
とりあえず世界樹の杖を手にして、教えてもらった通り、稲の事を考えながら魔法の名を言ってみる。
「≪クリエイト・シード≫」
ユリアナのおかげで木魔法が発動すると、私の手のひらに小さな種……というか、種籾かな? 籾摺りする前のお米みたいなのがあった。
「これは……もしかして、稲の種?」
『はい。ルーシーさんがそれを植えて、自分でお米とやらを作ってみてはどうでしょうか?』
「な、なるほど! 裏の森に行けば、人が来なさそうな場所なんて沢山あるし、菜園クラブで稲の育て方を教えてもらいながら、実際に育てちゃえば良いのね!」
仮にローランドさんが稲の育て方を知らなかったとしても、私にはやり込んだゲームの知識がある!
ゲームの中だけど、すっごくリアルな米作りだって評判のゲームをしたからね!
「よし! そうと決まれば、早速場所を捜さないとね。……≪ゲート≫」
木魔法で裏の森へ移動すると、早速手頃な場所を探す事にした。
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