39 / 70
第39話 ケヴィン王子からのスカウト
しおりを挟む
私がケヴィン王子の部下に!?
ケヴィン王子は、ときメイで攻略対象だったけど、恋人じゃなくて、部下になるって何なの!?
もしかして、恋人になろうとするとバッドエンドで辺境確定ルートだけど、部下になるなら辺境に飛ばされない……とか?
だけど、目の前に居るケヴィン王子の部下という男性たちは、みんなマッチョというか、筋肉が凄い。
魔法学園だけど、ここまで身体を鍛えないといけないという事は、やっぱり仕事が辛くて……ブラックな職場!? 休みなし、サービス残業当たり前、理不尽な叱責……うっ、頭が!
「すみません。私、騎士はちょっと……」
「ふむ……そうか。……考えてみると、女性の騎士は少ないが、イメージが良くないのかな?」
「そうですね。ブラックなのは……」
「ブラック? 僕の直属騎士団、シルバーナイツは銀色がチームカラーなんだけど?」
ケヴィン王子。シルバーナイツって名前、ちょっと恥ずかしくないですか?
まぁ、私が所属する訳じゃないから別に構わないけど。
あと、ブラックの意味が全然違うけど、これはいいか。
「一先ず、勘違いしてしまい、すみませんでした」
「まぁ、待ってよ。じゃあ、部下じゃなくて……そうだね。魔法大会のパートナーなんて、どうだい?」
「あの、私は既に別の方とエントリーしていますので」
「ふぅん。ちなみに、誰と出場するんだい?」
「ローランドさんですけど。生徒会長の」
「へぇ……分かった。引き留めてしまって、すまないね」
「いえ。では、失礼します」
ケヴィン王子から離れ、適当に人気のない場所へ行くと、大きな木の側で転移魔法を使用する。
うーん。弱い者イジメだと思って止めに入ってしまったけど、まさかケヴィン王子の魔法の訓練だったなんてね。
これからはよく確認して、さっきみたいに勘違いしないようにしないと。
そんな事を考えながら森へ行き、色んな作物を作っていく。
しかし、木魔法で成長を早め、無事に大根の収穫が出来たんだけど、タクアンってどうやって作るんだろう?
お漬物っていうくらいだし、とりあえず漬けておけば良いのかな?
「お姉ちゃん。それは何をしているのー?」
「えっとねー、大根を干そうと思ってね」
「どうして野菜を干すのー?」
「んー、どうしてなんだろうね? 私も、お婆ちゃんがやっていたのを見よう見まねでやっているだけだから、実は詳しい事は分からないんだー」
「そ、そうなんだ」
しかも、お婆ちゃんのお漬物作りを手伝っていたのも、私が小学生の頃だったりする。
なので、細かいところは全然覚えてなくて、何となーく、こんな感じだよねーってノリで作っているからね。
でも、お魚も干して干物にすると、美味しくなるし、きっと大根も美味しくなるんだよ。……たぶん。
「よし、完成っ! ダニエル、この大根は食べちゃダメだからね?」
「分かってるって。他にリンゴや大豆を沢山作ってくれているし、お嬢ちゃんが手間暇掛けて仕込んだやつまでは、食べへんて」
「そうだね。ボクも食べないから安心してね」
まぁダニエルはともかく、セシルは大丈夫……って、そもそもどっちも大根は食べないよね。
「お姉様。お姉様がお作りになられたこの大根は、私が責任を持って守らせていただきますので、ご安心ください! 大根から片時も、目を離しませんので!」
「えっと、ナーシャちゃん。気持ちは嬉しいけど、そこまでしなくても大丈夫だからね?」
「いえ、途中とはいえ、お姉様のお作りになられた料理です。既に、この大根にもお姉様の魔力がふんだんに含まれておりますし、昨日の変身魔法が再現していただくためにも、確実にお守り致しますので」
えーっと、ただ大根の葉を取って干しただけなんだけど、もう魔力が含まれちゃってるの!?
……タクアンが作れたとしても、自分一人で食べないといけないかもね。
ケヴィン王子は、ときメイで攻略対象だったけど、恋人じゃなくて、部下になるって何なの!?
もしかして、恋人になろうとするとバッドエンドで辺境確定ルートだけど、部下になるなら辺境に飛ばされない……とか?
だけど、目の前に居るケヴィン王子の部下という男性たちは、みんなマッチョというか、筋肉が凄い。
魔法学園だけど、ここまで身体を鍛えないといけないという事は、やっぱり仕事が辛くて……ブラックな職場!? 休みなし、サービス残業当たり前、理不尽な叱責……うっ、頭が!
「すみません。私、騎士はちょっと……」
「ふむ……そうか。……考えてみると、女性の騎士は少ないが、イメージが良くないのかな?」
「そうですね。ブラックなのは……」
「ブラック? 僕の直属騎士団、シルバーナイツは銀色がチームカラーなんだけど?」
ケヴィン王子。シルバーナイツって名前、ちょっと恥ずかしくないですか?
まぁ、私が所属する訳じゃないから別に構わないけど。
あと、ブラックの意味が全然違うけど、これはいいか。
「一先ず、勘違いしてしまい、すみませんでした」
「まぁ、待ってよ。じゃあ、部下じゃなくて……そうだね。魔法大会のパートナーなんて、どうだい?」
「あの、私は既に別の方とエントリーしていますので」
「ふぅん。ちなみに、誰と出場するんだい?」
「ローランドさんですけど。生徒会長の」
「へぇ……分かった。引き留めてしまって、すまないね」
「いえ。では、失礼します」
ケヴィン王子から離れ、適当に人気のない場所へ行くと、大きな木の側で転移魔法を使用する。
うーん。弱い者イジメだと思って止めに入ってしまったけど、まさかケヴィン王子の魔法の訓練だったなんてね。
これからはよく確認して、さっきみたいに勘違いしないようにしないと。
そんな事を考えながら森へ行き、色んな作物を作っていく。
しかし、木魔法で成長を早め、無事に大根の収穫が出来たんだけど、タクアンってどうやって作るんだろう?
お漬物っていうくらいだし、とりあえず漬けておけば良いのかな?
「お姉ちゃん。それは何をしているのー?」
「えっとねー、大根を干そうと思ってね」
「どうして野菜を干すのー?」
「んー、どうしてなんだろうね? 私も、お婆ちゃんがやっていたのを見よう見まねでやっているだけだから、実は詳しい事は分からないんだー」
「そ、そうなんだ」
しかも、お婆ちゃんのお漬物作りを手伝っていたのも、私が小学生の頃だったりする。
なので、細かいところは全然覚えてなくて、何となーく、こんな感じだよねーってノリで作っているからね。
でも、お魚も干して干物にすると、美味しくなるし、きっと大根も美味しくなるんだよ。……たぶん。
「よし、完成っ! ダニエル、この大根は食べちゃダメだからね?」
「分かってるって。他にリンゴや大豆を沢山作ってくれているし、お嬢ちゃんが手間暇掛けて仕込んだやつまでは、食べへんて」
「そうだね。ボクも食べないから安心してね」
まぁダニエルはともかく、セシルは大丈夫……って、そもそもどっちも大根は食べないよね。
「お姉様。お姉様がお作りになられたこの大根は、私が責任を持って守らせていただきますので、ご安心ください! 大根から片時も、目を離しませんので!」
「えっと、ナーシャちゃん。気持ちは嬉しいけど、そこまでしなくても大丈夫だからね?」
「いえ、途中とはいえ、お姉様のお作りになられた料理です。既に、この大根にもお姉様の魔力がふんだんに含まれておりますし、昨日の変身魔法が再現していただくためにも、確実にお守り致しますので」
えーっと、ただ大根の葉を取って干しただけなんだけど、もう魔力が含まれちゃってるの!?
……タクアンが作れたとしても、自分一人で食べないといけないかもね。
241
あなたにおすすめの小説
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
【完結】そうは聖女が許さない〜魔女だと追放された伝説の聖女、神獣フェンリルとスローライフを送りたい……けど【聖水チート】で世界を浄化する〜
阿納あざみ
ファンタジー
光輝くの玉座に座るのは、嘘で塗り固められた偽りの救世主。
辺境の地に追いやられたのは、『国崩しの魔女』の烙印を押された、本物の奇跡。
滅びゆく王国に召喚されたのは、二人の女子高生。
一人は、そのカリスマ性で人々を魅了するクラスの女王。
もう一人は、その影で虐げられてきた私。
偽りの救世主は、巧みな嘘で王国の実権を掌握すると、私に宿る“本当の力”を恐れるがゆえに大罪を着せ、瘴気の魔獣が跋扈する禁忌の地――辺境へと追放した。
だが、全てを失った絶望の地でこそ、物語は真の幕を開けるのだった。
△▼△▼△▼△▼△
女性HOTランキング5位ありがとうございます!
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる