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第42話 四人の妻
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モレノが白虎の力を俺に入れようとして頭が割れそうだったけど、姉さんやクララたちのおかげで事なきを得た。
得たのだが、
「アルフレッド。な、何だか力が溢れ出て来るのだが、その、身体が熱いというか、抑えきれないというか……」
「アルフレッドさん! か、身体が変なんです。む、ムズムズして、変な気分に……」
フレイアとソフィアの様子がおかしい。
「あー、僅かではあるが、アルから我の力を得てしまったからな。アルに与えた時は少しずつ身体になじませていったし、聖女は元から我の力を授けている。一方、この二人はいきなり我の力を取り込んでしまったからな。慣れるまでは仕方ないであろう」
「姉さん。命の危険などは無いのか?」
「それは大丈夫であろう。この二人が得た力は、我がアルに与えた力の半分も無いからな」
なるほど。それなら、姉さんの言う通り身体が慣れれば大丈夫なのだろう。
ただ、身体が熱いと言いながらフレイアもソフィアも服を脱ぎだしたので背中を向けておこうか。
「アルフレッド。どうして、後ろを向くのだ? アルフレッドは私の事が嫌いなのか?」
「アルフレッドさん。助けてください。身体が熱いんですー!」
「二人共、身体が熱いと言いながら、どうしてくっついてくるんだ!? 余計に熱くなると思うんだけど」
背中から、二人が抱きついて来ているが、どうすれば良い? と、姉さんに目で訴えかけると、
「はっはっは。アルよ。我の教えを忘れたのか?」
「姉さんの教え?」
「そうだ。こういう状況に陥った場合の事をちゃんと教えただろう」
何だろう。姉さんの教え……えっと、これか?
『姉さんの教えその四――男は責任を取るべし。
アルの誤解ではなく、真に女性と心を通じ合わせ、求愛される事となった場合は責任を取る事。
相手が複数人居るならば、それも全て受け止めるのが男性のあるべき姿だ。
人間族の女性に限らず、仮に姉である私とそういう事になったとしても、責任を取って幸せにするように』
……えーっと、これはつまり、フレイアとソフィアの二人と結婚しろという事か?
「ふっふっふ。アル、何を考えているか顔に出ているぞ。ちなみに、我と聖女もアルと接吻を交わしておるからな」
「あ……」
「さて、こういう時はどうするのだったかな?」
「……く、クララ、フレイア、ソフィア。そして、姉さん……俺が幸せにしてみせます!」
「うむ。良いであろう。確か、この国は一夫一妻制だったな。さて、何処の国に住むか調べるか」
そう言って、姉さんが抱きついて来た。
いやまぁ責任は取るけど……姉弟なんだけど。
「あ、アルフレッド様! わ、私も宜しいのですかっ!? よ、よろしくお願いいたします」
「えっと、こ……こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「アルフレッド。結婚式は海の見える白い教会が良いのだが」
「あー、うん。探してみよう」
「アルフレッドさん。最低でも子供は三人欲しいんですけど」
「こ、子供……は、また相談させてくれ」
「ふふ……アルよ。これから大変だぞ? 子供か……我からすればアルが子供であり、弟のような存在であったが、夫にもなるとはな。まぁ少し待っておれ」
そう言って姉さんが姿を消したので、とりあえずやるべき事をやろうと、石に閉じ込められている他の人たちを助け、気絶しているモレノを騎士たちに引き渡す。
モレノと共に来ていた仲間たちも倒して、ひとまず平和を取り戻したところで、姿を消していた姉さんが戻ってきた。
「アルよ。ここから北東に行った所にある国は、一夫多妻制だそうだ。隣の国だし、何かあれば駆けつけられるであろう。という訳で、今すぐ行くのだ!」
「姉さん!? ちょ、急すぎるーっ!」
「確かにそうか。先ずは祝言が先か。久々にアルの手料理が食べたいな」
姉さんがそう呟くと、
「確かにアルフレッド様のお料理は絶品ですね」
「これから毎日あれが食べられるのか。それ以外の家事は私がするので、料理は是非アルフレッドにお願いしたい」
「わ、私は子作りを希望……げふんげふん。アルフレッドさんと一つ屋根の下で暮らすのが楽しみです」
クララたちも一斉にいろんな事を言い出し、再び抱きつかれてしまう。
突然の事で頭がおいついて居ないが、日本で四人の弟たちの世話をしていた俺は、何故か異世界で四人の妻と暮らす事になってしまったようだ。
了
得たのだが、
「アルフレッド。な、何だか力が溢れ出て来るのだが、その、身体が熱いというか、抑えきれないというか……」
「アルフレッドさん! か、身体が変なんです。む、ムズムズして、変な気分に……」
フレイアとソフィアの様子がおかしい。
「あー、僅かではあるが、アルから我の力を得てしまったからな。アルに与えた時は少しずつ身体になじませていったし、聖女は元から我の力を授けている。一方、この二人はいきなり我の力を取り込んでしまったからな。慣れるまでは仕方ないであろう」
「姉さん。命の危険などは無いのか?」
「それは大丈夫であろう。この二人が得た力は、我がアルに与えた力の半分も無いからな」
なるほど。それなら、姉さんの言う通り身体が慣れれば大丈夫なのだろう。
ただ、身体が熱いと言いながらフレイアもソフィアも服を脱ぎだしたので背中を向けておこうか。
「アルフレッド。どうして、後ろを向くのだ? アルフレッドは私の事が嫌いなのか?」
「アルフレッドさん。助けてください。身体が熱いんですー!」
「二人共、身体が熱いと言いながら、どうしてくっついてくるんだ!? 余計に熱くなると思うんだけど」
背中から、二人が抱きついて来ているが、どうすれば良い? と、姉さんに目で訴えかけると、
「はっはっは。アルよ。我の教えを忘れたのか?」
「姉さんの教え?」
「そうだ。こういう状況に陥った場合の事をちゃんと教えただろう」
何だろう。姉さんの教え……えっと、これか?
『姉さんの教えその四――男は責任を取るべし。
アルの誤解ではなく、真に女性と心を通じ合わせ、求愛される事となった場合は責任を取る事。
相手が複数人居るならば、それも全て受け止めるのが男性のあるべき姿だ。
人間族の女性に限らず、仮に姉である私とそういう事になったとしても、責任を取って幸せにするように』
……えーっと、これはつまり、フレイアとソフィアの二人と結婚しろという事か?
「ふっふっふ。アル、何を考えているか顔に出ているぞ。ちなみに、我と聖女もアルと接吻を交わしておるからな」
「あ……」
「さて、こういう時はどうするのだったかな?」
「……く、クララ、フレイア、ソフィア。そして、姉さん……俺が幸せにしてみせます!」
「うむ。良いであろう。確か、この国は一夫一妻制だったな。さて、何処の国に住むか調べるか」
そう言って、姉さんが抱きついて来た。
いやまぁ責任は取るけど……姉弟なんだけど。
「あ、アルフレッド様! わ、私も宜しいのですかっ!? よ、よろしくお願いいたします」
「えっと、こ……こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「アルフレッド。結婚式は海の見える白い教会が良いのだが」
「あー、うん。探してみよう」
「アルフレッドさん。最低でも子供は三人欲しいんですけど」
「こ、子供……は、また相談させてくれ」
「ふふ……アルよ。これから大変だぞ? 子供か……我からすればアルが子供であり、弟のような存在であったが、夫にもなるとはな。まぁ少し待っておれ」
そう言って姉さんが姿を消したので、とりあえずやるべき事をやろうと、石に閉じ込められている他の人たちを助け、気絶しているモレノを騎士たちに引き渡す。
モレノと共に来ていた仲間たちも倒して、ひとまず平和を取り戻したところで、姿を消していた姉さんが戻ってきた。
「アルよ。ここから北東に行った所にある国は、一夫多妻制だそうだ。隣の国だし、何かあれば駆けつけられるであろう。という訳で、今すぐ行くのだ!」
「姉さん!? ちょ、急すぎるーっ!」
「確かにそうか。先ずは祝言が先か。久々にアルの手料理が食べたいな」
姉さんがそう呟くと、
「確かにアルフレッド様のお料理は絶品ですね」
「これから毎日あれが食べられるのか。それ以外の家事は私がするので、料理は是非アルフレッドにお願いしたい」
「わ、私は子作りを希望……げふんげふん。アルフレッドさんと一つ屋根の下で暮らすのが楽しみです」
クララたちも一斉にいろんな事を言い出し、再び抱きつかれてしまう。
突然の事で頭がおいついて居ないが、日本で四人の弟たちの世話をしていた俺は、何故か異世界で四人の妻と暮らす事になってしまったようだ。
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