料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される

向原 行人

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第41話 白虎の力

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 モレノが姉さんの力を返すというので、キメていた腕を離すと、

「では、姉さんの……白虎の力を返してもらおうか」
「あぁ、約束通り返そう。……お前になっ!」

 そう言って、モレノが杖を振るい……俺の中に大きな力が入ってくる!?

「ふははははっ! 人の身で聖獣の力を受け止めるられるかな? 良くて精神崩壊で廃人。悪ければ即死だっ! 俺様の計画を潰してくれたんだ。これくらいの代償は……ぐはっ!」
「まったく、この男は……アルフレッド、大丈夫か!? アルフレッド!?」
「ど、どうしましょう!? クララさん、フレイアさん! アルフレッドさんが苦しんで……」

 くっ! 姉さんの……白虎の巨大な力が入って来る!
 どうやら、あの日姉さんが俺に与えてくれたのは、本当にごく一部の力で……ダメだっ!
 頭が……頭が痛いっ!
 白虎の力は、強過ぎて俺の身体が耐えられない!

「アルフレッド様っ! ……んっ」
「えっ!? く、クララ様っ!?」
「わ、私なら、聖獣様のお力を受け取れます。アルフレッド様の中に入れられてしまった、聖獣様の大きな力を少しでも減らして、アルフレッド様の身体にかかる負担を減らしますっ!」

 唇に何かが触れたと思ったら、僅かに頭痛が和らぐ。
 だけど、焼け石に水というか、元々の頭痛が大き過ぎて苦しみに変わりはないが。

「そういう事でしたら、私も……アルフレッド。さぁこっちへ……っ」
「ふ、フレイアさんまで!? だ、だったら私もっ! は、初めてですけど、アルフレッドさんの為でしたら……ふわぁ」
「お、おい。ソフィア。私はアルフレッドの負担を減らす為に初めてを捧げた訳であって、邪な気持ちは一切無いのだからな!? さぁアルフレッド。もう一度私と……ふふっ」
「あぁーっ! 二回も! というか私だって本気ですっ! アルフレッドさん……んーっ!」

 フレイアとソフィアのよく分からない話が聞こえてくるが、それと共に先程と似た感触が唇に触れる。
 その度に少し痛みが和らぐような気もするけど……ダメだ。もう身体が……

「あぁっ! アルフレッドさんが倒れたっ! アルフレッドさん!」
「やれやれ。三人とも、アルと接吻したいだけではないか。そもそも、ここに我が居るのだ。我がアルから直接受け取れば良いのだ」

 姉さんの声が聞こえたかと思うと、ペロペロと口が……舐められている?
 暫くすると、かなり頭痛が和らいできたんだが、誰かが俺の上に乗って……メチャクチャキスしてきていないか?

「せ、聖獣様……その、アルフレッド様は弟さんなのですよね? 少しばかり、ご姉弟で激し過ぎないでしょうか?」
「聖獣様が人間の姿になられたかと思ったら、アルフレッドに……うぅ、私もそれくらい大胆になりたい」
「す、凄っ! なるほど、そんな風にキスを……では次は私が」

 すっかり頭痛が消え、クララとフレイア、ソフィアの声が聞こえてきたと思いながら目を開けると、視界に姉さんの顔が広がり……こ、これってやっぱりキスされているよな?

「ふう。うむ、お主たち三人を真似て接吻をしてみたが、中々良いものだな」
「あの、聖獣様。この四人の中で、聖獣様が一番凄かったんですけど」
「そ、それはだな。そのー、アルフレッドを助ける為だ。いや、アルフレッドを助けたい一心で、つい夢中に……ではなく、必死だったのだよ」
「その割には、物凄く満足そうな表情をされていますが……では、次は私が今一度アルフレッド様と」

 そう言って、今度はクララが……って、どうして俺はキスされているんだ!?

「ちょ、ちょっと待ってくれ。これは一体どういう状況なんだ!?」
「アルフレッド様! お目覚めになられたのですね! ご気分は大丈夫ですか?」
「いやその、頭痛はもう無いが、姉さんもクララも……」
「あ、あれはその、アルフレッド様をお助けする為に必死でして……お、お嫌でしたよね。申し訳ありません」
「いや、俺は決して嫌なんて事はないんだけど……」

 い、言えない。日本人と、この世界での二回分の人生で、今回のが初めてのキスだなんて。
 と、とりあえず、姉さんが女性の姿になっているし、良かった……としよう。
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