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第6章 太陽の聖女と星の聖女
第302話 暗黒時代
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「ロレッタさんが星の聖女かどうかは、夜になれば分かるでしょう。旧聖都の台座……あれは、先程申し上げた太陽の力が弱まる時間を計測した場所で、かつイスパナで空に最も近い場所なんです」
「つまり、宝物庫にあった時間が最も正確に反映される場所っていう事?」
「はい。その通りです。ですから、トリスタン王子はその台座の場所から魔の弓矢を放ったのかと。同じ様に、太陽の力が弱まる時間にロレッタさんが台座で祈れば、星の力を行使出来るかもしれません」
ロレッタさんは、夜に占いを……星の声を聞いているけど、空に近い場所で聞けば、もっと違う声が聞こえるのだろうか。
「つまり、今晩太陽の神殿にロレッタさんを連れて行けば、星の聖女かどうか分かるって事ね?」
「いえ、聖都をこのバーセオーナへ移した際に、新たな台座をこの教会の最上階に設けています。ですので、今晩この神殿へ来てください」
ビアンカさんの言葉で、少し安堵する。
もしも太陽の神殿に行く事になれば、またイナリに旧聖都まで走って欲しいと、無茶なお願いをする事になるところだったから。
「あと、アニエスさんたちのお話で、イスパナだけの問題ではないと判断しました。大至急、各国へ連絡を取ります」
「そうね。トリスタン王子がいつやって来るか分からないから、早く備えてもらわないとね」
「いえ、違うんです。今回の災害の原因は魔王だという事で、ほぼ間違いなさそうですので、ある協定を行使しようと思います」
「ある協定?」
「はい。過去に魔王が力を振るっていた時代……暗黒時代と呼ばれていた時があったのですが、その時に各国協力して魔王を討伐すると言う協定が結ばれています。もう何十年も経っていますが、その協定は今も有効なので、周辺国で協力して対応に有ろうと思います」
各国へ協力を要請する……通常は、王様が行使する物らしい。だけど、イスパナは太陽の聖女が同じくらいの権力を持っているので、ビアンカさんが行使する事が出来るそうだ。
そして、各国と協力してトリスタン王子と対峙する共に、イスパナの南部に住む人たちを避難させるのだとか。
「アニエスさん。トリスタン王子の……魔王の情報を、ありがとうございます。太陽の力が弱まるまでに……とにかく時間との戦いだとわかりました。あとは私が何とかしますので、どうかアニエスさんたちは休んでいてください」
「ビアンカさん!? 私も何か手伝うよ!?」
「ありがとうございます。ですが、いくら水の聖女でも、今回は負担が大きぎます。多くの国や大勢の騎士であたれば、一人一人の負担を大幅に下げられるはず。ですので、今回は任せてください」
「でも……」
「私は……いえ、イスパナはこれまでアニエスさんに助けられてきました。ですが、今回は国ではなく世界の危機です。誰かが辛い想いをするのではなく、皆の力を合わせて乗り切りますから」
そう言うと、ビアンカさんがすぐに動きます……と、何処かへ行ってしまった。
世界規模の緊急事態だと言うのは分かるけど、だからこそ力を貸したかったんだけとな。
「ふむ。魔王の力を相手にするのなら、有象無象の者が集まってもしかたがない。少数精鋭こそが正解だと思うが、太陽の聖女の手腕を見せてもらおうか」
「う、うん」
「アニエスよ。我らは我らで準備すべき事がある。日没まだに間に合わせたい。時間がないのは我らも同じだ」
イナリの言葉で、ひとまず私たちも場所を変える事にした。
「つまり、宝物庫にあった時間が最も正確に反映される場所っていう事?」
「はい。その通りです。ですから、トリスタン王子はその台座の場所から魔の弓矢を放ったのかと。同じ様に、太陽の力が弱まる時間にロレッタさんが台座で祈れば、星の力を行使出来るかもしれません」
ロレッタさんは、夜に占いを……星の声を聞いているけど、空に近い場所で聞けば、もっと違う声が聞こえるのだろうか。
「つまり、今晩太陽の神殿にロレッタさんを連れて行けば、星の聖女かどうか分かるって事ね?」
「いえ、聖都をこのバーセオーナへ移した際に、新たな台座をこの教会の最上階に設けています。ですので、今晩この神殿へ来てください」
ビアンカさんの言葉で、少し安堵する。
もしも太陽の神殿に行く事になれば、またイナリに旧聖都まで走って欲しいと、無茶なお願いをする事になるところだったから。
「あと、アニエスさんたちのお話で、イスパナだけの問題ではないと判断しました。大至急、各国へ連絡を取ります」
「そうね。トリスタン王子がいつやって来るか分からないから、早く備えてもらわないとね」
「いえ、違うんです。今回の災害の原因は魔王だという事で、ほぼ間違いなさそうですので、ある協定を行使しようと思います」
「ある協定?」
「はい。過去に魔王が力を振るっていた時代……暗黒時代と呼ばれていた時があったのですが、その時に各国協力して魔王を討伐すると言う協定が結ばれています。もう何十年も経っていますが、その協定は今も有効なので、周辺国で協力して対応に有ろうと思います」
各国へ協力を要請する……通常は、王様が行使する物らしい。だけど、イスパナは太陽の聖女が同じくらいの権力を持っているので、ビアンカさんが行使する事が出来るそうだ。
そして、各国と協力してトリスタン王子と対峙する共に、イスパナの南部に住む人たちを避難させるのだとか。
「アニエスさん。トリスタン王子の……魔王の情報を、ありがとうございます。太陽の力が弱まるまでに……とにかく時間との戦いだとわかりました。あとは私が何とかしますので、どうかアニエスさんたちは休んでいてください」
「ビアンカさん!? 私も何か手伝うよ!?」
「ありがとうございます。ですが、いくら水の聖女でも、今回は負担が大きぎます。多くの国や大勢の騎士であたれば、一人一人の負担を大幅に下げられるはず。ですので、今回は任せてください」
「でも……」
「私は……いえ、イスパナはこれまでアニエスさんに助けられてきました。ですが、今回は国ではなく世界の危機です。誰かが辛い想いをするのではなく、皆の力を合わせて乗り切りますから」
そう言うと、ビアンカさんがすぐに動きます……と、何処かへ行ってしまった。
世界規模の緊急事態だと言うのは分かるけど、だからこそ力を貸したかったんだけとな。
「ふむ。魔王の力を相手にするのなら、有象無象の者が集まってもしかたがない。少数精鋭こそが正解だと思うが、太陽の聖女の手腕を見せてもらおうか」
「う、うん」
「アニエスよ。我らは我らで準備すべき事がある。日没まだに間に合わせたい。時間がないのは我らも同じだ」
イナリの言葉で、ひとまず私たちも場所を変える事にした。
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