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24.世界秩序の建築者
戦後の指針
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1943年4月初頭、東京。
まだ春の風が残る霞ヶ関の一室で、レイは閣僚と主要官僚を集めていた。
「今日から、“戦後”を始めます」
その言葉は、会議室に集まった者たちの胸を打った。
ドイツは崩壊寸前、イタリアは降伏し、戦争の終焉が現実のものとなりつつある。だが、それは“混沌の始まり”でもあった。
レイはホワイトボードに世界地図を貼り、赤い線を引いていく。
太平洋、東南アジア、中東、そして欧州の一部──そこには、戦火の爪痕と、新たな経済ネットワークの可能性が交錯していた。
「戦後の世界では、軍事力ではなく“構想力”が勝敗を決めます。
これからの日本は、秩序を設計する国となるべきです」
一同は静かに頷いた。
戦時中の統制機構はそのままでは腐敗を招くと考えたレイは、国内制度の整備から着手する。
「まず、防衛省の組織改編です。
軍は“政治に影響を与える主体”ではなく、“政策の道具”でなければならない。
参謀本部は解体し、新たに“安全保障会議”を設置。ここには文民を中心に、民間の安全保障専門家も加える」
現役軍人たちは顔を曇らせたが、反論はなかった。
すでに一部の強硬派は“例の検挙”で排除され、現場には疲労と諦念が広がっていた。
次に着手したのは、産業再編と民間主導経済の強化。
「大企業による寡占を防ぐため、“公正競争法”を制定します。
特に電力、通信、交通などのインフラ領域では、地方ごとの新規参入を促します。
また、大学と民間企業の連携を推進し、“産学共同研究拠点”を各地に設立しましょう」
「すでに神戸・仙台・釜山・台北・奉天に候補地を選定しています」と副官が報告する。
レイは頷いた。
「これは“国家からの命令”ではなく、“国民と共に作る未来”です。
我々が目指すのは、計画経済でも放任資本主義でもない。“協調型実行経済”です」
その言葉に、出席者たちは目を見張った。
かつての日本にはなかった発想。だが、いまこの少年の言葉なら、実現できる気がした。
その夜、首相官邸の自室に戻ったレイは、桜に報告をする。
「ようやく、第一歩を踏み出せた」
「疲れた?」
「少しね。でも……嬉しいよ。
“理想を語る人間”から、“それを形にできる人間”になれた気がする」
桜は静かに彼の手を握った。
「レイが信じる未来、私も一緒に見たい」
彼はその瞳を見つめ返した。
「一緒に行こう、桜。まだ世界は始まったばかりだ」
⸻
4月6日、日本政府は「戦後国家再建基本法案」を閣議決定。
同日、民間からの提言を受け入れる“未来委員会”が発足した。
日本は、いま本当の意味で、世界を導く旗を掲げようとしていた。
まだ春の風が残る霞ヶ関の一室で、レイは閣僚と主要官僚を集めていた。
「今日から、“戦後”を始めます」
その言葉は、会議室に集まった者たちの胸を打った。
ドイツは崩壊寸前、イタリアは降伏し、戦争の終焉が現実のものとなりつつある。だが、それは“混沌の始まり”でもあった。
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「まず、防衛省の組織改編です。
軍は“政治に影響を与える主体”ではなく、“政策の道具”でなければならない。
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「大企業による寡占を防ぐため、“公正競争法”を制定します。
特に電力、通信、交通などのインフラ領域では、地方ごとの新規参入を促します。
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「すでに神戸・仙台・釜山・台北・奉天に候補地を選定しています」と副官が報告する。
レイは頷いた。
「これは“国家からの命令”ではなく、“国民と共に作る未来”です。
我々が目指すのは、計画経済でも放任資本主義でもない。“協調型実行経済”です」
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日本は、いま本当の意味で、世界を導く旗を掲げようとしていた。
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