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第二章 帝国編
第97話 軍事区域⑤
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ドクター・シータにゲス・エストの居場所を聞かれたルーレ・リッヒは、すぐにその答えを言わなかった。
「なぜ彼の居場所を知りたいのですか?」
「最初は待つつもりだったのだがね、待ちきれなくなったのだよ。だから、私のほうから会いに行こうと思ってね。ウィッヒヒヒ! で、先に君の質問に答えたわけだが、君は私の質問に答えてくれるかね?」
ドクター・シータの言っていることは、ルーレにはいまいち理解できなかった。
「私が訊きたかったのは、あなたがゲス・エストに会って何をするかということです。その返答しだいでは彼の居場所を教えます」
「そうかね。じゃあ教えてくれないだろうなぁ。喰ったほうが早そうだ」
ドクター・シータがルーレに近づいていく。
ルーレは後退りするが、ドクター・シータは歩みを速めることなくゆっくり近づく。
しかし、四、五歩ほど前進したところで立ち止まった。
「やっぱり先にこっちだよなぁ。絶対に捕食中に邪魔してくるもんなぁ」
ドクター・シータの視線が横へ九十度傾いた。その先にいるのはロイン大将だ。
「捕食とは何だ、学研。何を企んでいる?」
「文字どおりだとも、軍事殿。この私はね、イーターを食べて、そのイーターの能力を得られるようになったのだよ。記憶もうっすらとだが引き継げる。実のところ、まだ魔導師では試していなくてね。いまの段階で十分に強いこの私だが、魔法も吸収できればもはや加速度的に強くなれるだろう。魔術師に関しては農業さんで試そうと思って北上してきたのだがね、彼らは不在だったよ。人を眠らせるあの魔術、欲しかったなぁ。ま、それはひとまず諦めて、そのままさらに北上してここへ来たわけだ。さっき、目的は何だと聞いたな、軍事殿。教えてやろう。目的は二つ。一つはゲス・エストへのリベンジだ。彼がいなければ、彼をおびき寄せるための人質としてマーリンをもらっていこうと思っていたが、いないのなら仕方ない。で、もう一つの目的だがね、貴様だよ、軍事殿。その鉄の操作型魔法が欲しいのだ。ま、魔導師の能力を吸収できるかはまだ分からないから、無駄に殺すことになる可能性もあるのだがね。まあ、それはそれで一つの実験結果として大きな成果となるから安心したまえよ」
「そうか。いつかはやると思っていたが、ついに人間をやめたか。イーターを討つは我ら軍事の本懐。学研、貴様を討伐する!」
空中に静止していた戦車たちが高度を上げた。それはロイン大将が拳を振り上げたに等しい。
ルーレ・リッヒは即座に足を動かした。さっき走ってきた道を戻る。
しかし慌てていたために躓いてしまった。彼女は起き上がりながら、後方の様子をうかがう。
「そういえば実戦は初めてだった。肩慣らしにはちょうどいい」
ドクター・シータの肩が、腕が、手がムクムクっと膨れ上がった。それを支えるために、腰、脚、足も膨れた。服が弾け飛び、乳濁色の筋肉が際限なく肥大化していく。
天空へと飛翔した戦車が急降下を開始する。重力に加えてロイン大将の操作で、戦車の落下スピードは砲弾そのものだった。
「――ッ!」
ルーレは爆風に呑まれると思ったが、刹那の出来事に氷の壁を生む猶予はなかった。
爆風は生まれなかった。すべてドクター・シータの白い腕が柔らかく受けとめていた。
白い腕はなおも膨張を続け、戦車を飲み込んでいく。液状のチョコレートが数滴マシュマロに垂らされたかのように、体積差で圧倒している。
ルーレは近場の建物の陰に身を潜めた。そこは決して安全とは言いがたいが、この対決の結果を見届けなければならない気がした。
「貴様、戦車も食う気か?」
「何を言っとるんだね? 鉄の塊を食って消化できるようなイーターがいたら、この私でもそいつを食える気がしないね」
ドクター・シータは戦車を埋没させた腕を地面に叩きつけた。そしてその腕を切り離した。
「再生できるのか」
「もちろん。でなければ切り離さんよ。それと、さっきの戦車に対して操作のリンクを張りつづけているのなら無駄だ。切り離した腕は地面に根を張り、戦車を逃すまいと抵抗しつづける。切り離した後から白肉に私の意思を伝達することはできないが、切り離した後も直前の私の命令は履行しつづけるのだ」
「なるほど。切り離しが命取りにならなければいいがな、学研」
「ならんさ。再融合すれば再び私の一部となり命令も上書きできるのだからな。ウィッヒヒ!」
ロイン大将が眉間に皺を寄せ、鋭い眼光で眼前の標的を睨んだ。ルーレとの戦いでは見せなかった顔だ。彼はここで本気になったのかもしれない。
ルーレの勝手な想像だが、ロイン大将はドクター・シータの言葉を間に受けて戦車に対する操作リンクを切断したことを後悔している。
もしもドクター・シータが切り離した腕に再び接続すれば、彼は戦車数台分の重さの腕を振りまわせる。ロイン大将がリンクを切っていなければ腕の内部から抵抗できたはずなのだ。
戦車が餅のような白い塊に完全に覆われてしまったいま、再び戦車を操作することはできない。操作型魔法は見えているものしか操作できないのだ。
見えていなくても位置と状態を把握できれば操作は可能だが、リンクを切った後に少しでも戦車の位置が移動していれば、リンクを戻すことはできない。
ウネウネとうねっている白い塊を見て、試すまでもなくロイン大将は後悔に至ったのだ。
「おや、せっかく温存したのに、弾を使い果たしたようだなぁ、軍事殿。丸腰じゃあないですか。温存するところまではよかったのだがねぇ。あの瞬間、あんたは私の半分くらい賢明だったよ。なあ、軍事殿。私はね、常々思っていたことがあるのだよ。人間は礼節というものを重んじるが、例えば挨拶とかのことだが、あれをやっていてバカバカしくならないのかねぇ。自分は何をやっているのだろうと我に返ることはないのかねぇ。でも、いまは気分がいいから、私も人の土俵に立ってやるとするよ。軍事殿、いや、ロイン・リオン。私は貴様の最期に挨拶を贈ろう」
ドクター・シータの膨れ上がった脚がギュンと収縮した。人間がどんなに鍛えても到達し得ないほどの、ムキムキでガチガチの筋肉だ。筋繊維の塊が椀に盛った米粒のように緻密にひしめき合っている。
脚だけではない。全身が筋肉の集合体となっている。
「その挨拶はそのまま返す。さようなら」
ロイン大将が手を前に掲げる。
彼は丸腰に見えるが、彼の操作エレメントである鉄はそこらじゅうにある。
この場所において、彼が丸腰になることはありえない。
「違う! いただきます、だ!」
ドクター・シータが地を蹴った。ロイン大将までは四十メートルくらい離れていたが、その距離をたったの一歩で詰めた。
その間、およそ一秒。
さすがのロイン大将も面食らったようだが、老獪なる彼は怪物の「いただきます」を良しとしなかった。
「ほう……」
ドクター・シータの人間ならざる大口は空を噛んだ。ロイン大将はもうそこにはいない。
「飛んだ……」
ベルトと靴に鉄を仕込んでいるようだ。いや、おそらく正装のいたるところに鉄の板を仕込んでいるはずだ。
ルーレは空に直立するロイン大将を見て、ゲス・エストを思い出した。エレメントの種類にもよるが、操作型の魔導師ならば空を飛ぶことは難しくない。
ただ、転落死のリスクがあるため実際に空を飛ぶ魔導師は少ない。だが、ロイン大将ほど戦闘経験豊富な魔導師であれば、空を飛べないほうが死に近いのかもしれない。
緑の軍服を風にはためかせるロイン大将は、帽子のツバを掴んで向きを整えた。
帽子の影に潜む二つの瞳は地上の怪物を冷たく見下ろしていた。それはドクター・シータに対する感情が表れているのではない。困難な任務に立ち向かう軍人の覚悟がそこに浮き出たのだ。
ロイン大将が両腕を左右に伸ばす。すると、演習場の地面に亀裂が走った。
土の割れ目は広大な土地を縦横無尽に走りまわり、一面に不規則な模様を形作った。不思議と地面の揺れは小さい。音も小さい。
それが逆に不気味だった。
「ほうほうほう、なるほどね」
ドクター・シータにはロイン大将が何をしようとしているのか察しがついたらしい。
その彼がすぐにロイン大将への追撃に出ないということは、あえて準備時間を与えて自分の余裕を見せるつもりなのだろう。
「私を己の力量を測るためのモノサシと見なすか、学研。ならば試すがいい。そして知れ。己の矮小さを。ゆくぞ、千剣万護!」
ひび割れた演習場がいっせいに土を吹いた。舞い上がった砂が煙幕となったが、それは敵の目眩ましではない。
三人は砂が風に運ばれるのを待った。
そして、ロイン大将が何をしたのかがつまびらかになった。
「千剣というからには千はあるのだろうな。地中という見えない場所に埋めておきながらそれらを操作したところを見るに、それらは相当綿密に位置を固定していたようだが、そこまでするからには千剣に先見をかけているのだろうね?」
宙に浮くロイン大将の周囲には無数の剣が浮いていた。演習場に埋めておいたようだ。
演習場上空を埋め尽くす剣の大群のうち、半数ほどがいっせいにドクター・シータへと剣先を向けて飛んだ。
局所的な鉄の豪雨を、ドクター・シータは増強した脚で地面をひと蹴りふた蹴りしてかわした。
地に突き刺さった剣と刺さる前に止まった剣は即座にドクター・シータを追った。
ドクター・シータは凸凹に荒れた演習場を端から端へ、また端へと駆けまわる。剣のスピードは目で追うのがやっとのスピードだが、ドクター・シータはその速度を上回っていた。
演習場を三週ほど駆け巡ったところで、左足で地を蹴り大きく跳んだ。その先にはロイン大将がいる。
白く太い蹴りが弾丸のごときスピードでロイン大将へと飛ぶ。
「なぜ彼の居場所を知りたいのですか?」
「最初は待つつもりだったのだがね、待ちきれなくなったのだよ。だから、私のほうから会いに行こうと思ってね。ウィッヒヒヒ! で、先に君の質問に答えたわけだが、君は私の質問に答えてくれるかね?」
ドクター・シータの言っていることは、ルーレにはいまいち理解できなかった。
「私が訊きたかったのは、あなたがゲス・エストに会って何をするかということです。その返答しだいでは彼の居場所を教えます」
「そうかね。じゃあ教えてくれないだろうなぁ。喰ったほうが早そうだ」
ドクター・シータがルーレに近づいていく。
ルーレは後退りするが、ドクター・シータは歩みを速めることなくゆっくり近づく。
しかし、四、五歩ほど前進したところで立ち止まった。
「やっぱり先にこっちだよなぁ。絶対に捕食中に邪魔してくるもんなぁ」
ドクター・シータの視線が横へ九十度傾いた。その先にいるのはロイン大将だ。
「捕食とは何だ、学研。何を企んでいる?」
「文字どおりだとも、軍事殿。この私はね、イーターを食べて、そのイーターの能力を得られるようになったのだよ。記憶もうっすらとだが引き継げる。実のところ、まだ魔導師では試していなくてね。いまの段階で十分に強いこの私だが、魔法も吸収できればもはや加速度的に強くなれるだろう。魔術師に関しては農業さんで試そうと思って北上してきたのだがね、彼らは不在だったよ。人を眠らせるあの魔術、欲しかったなぁ。ま、それはひとまず諦めて、そのままさらに北上してここへ来たわけだ。さっき、目的は何だと聞いたな、軍事殿。教えてやろう。目的は二つ。一つはゲス・エストへのリベンジだ。彼がいなければ、彼をおびき寄せるための人質としてマーリンをもらっていこうと思っていたが、いないのなら仕方ない。で、もう一つの目的だがね、貴様だよ、軍事殿。その鉄の操作型魔法が欲しいのだ。ま、魔導師の能力を吸収できるかはまだ分からないから、無駄に殺すことになる可能性もあるのだがね。まあ、それはそれで一つの実験結果として大きな成果となるから安心したまえよ」
「そうか。いつかはやると思っていたが、ついに人間をやめたか。イーターを討つは我ら軍事の本懐。学研、貴様を討伐する!」
空中に静止していた戦車たちが高度を上げた。それはロイン大将が拳を振り上げたに等しい。
ルーレ・リッヒは即座に足を動かした。さっき走ってきた道を戻る。
しかし慌てていたために躓いてしまった。彼女は起き上がりながら、後方の様子をうかがう。
「そういえば実戦は初めてだった。肩慣らしにはちょうどいい」
ドクター・シータの肩が、腕が、手がムクムクっと膨れ上がった。それを支えるために、腰、脚、足も膨れた。服が弾け飛び、乳濁色の筋肉が際限なく肥大化していく。
天空へと飛翔した戦車が急降下を開始する。重力に加えてロイン大将の操作で、戦車の落下スピードは砲弾そのものだった。
「――ッ!」
ルーレは爆風に呑まれると思ったが、刹那の出来事に氷の壁を生む猶予はなかった。
爆風は生まれなかった。すべてドクター・シータの白い腕が柔らかく受けとめていた。
白い腕はなおも膨張を続け、戦車を飲み込んでいく。液状のチョコレートが数滴マシュマロに垂らされたかのように、体積差で圧倒している。
ルーレは近場の建物の陰に身を潜めた。そこは決して安全とは言いがたいが、この対決の結果を見届けなければならない気がした。
「貴様、戦車も食う気か?」
「何を言っとるんだね? 鉄の塊を食って消化できるようなイーターがいたら、この私でもそいつを食える気がしないね」
ドクター・シータは戦車を埋没させた腕を地面に叩きつけた。そしてその腕を切り離した。
「再生できるのか」
「もちろん。でなければ切り離さんよ。それと、さっきの戦車に対して操作のリンクを張りつづけているのなら無駄だ。切り離した腕は地面に根を張り、戦車を逃すまいと抵抗しつづける。切り離した後から白肉に私の意思を伝達することはできないが、切り離した後も直前の私の命令は履行しつづけるのだ」
「なるほど。切り離しが命取りにならなければいいがな、学研」
「ならんさ。再融合すれば再び私の一部となり命令も上書きできるのだからな。ウィッヒヒ!」
ロイン大将が眉間に皺を寄せ、鋭い眼光で眼前の標的を睨んだ。ルーレとの戦いでは見せなかった顔だ。彼はここで本気になったのかもしれない。
ルーレの勝手な想像だが、ロイン大将はドクター・シータの言葉を間に受けて戦車に対する操作リンクを切断したことを後悔している。
もしもドクター・シータが切り離した腕に再び接続すれば、彼は戦車数台分の重さの腕を振りまわせる。ロイン大将がリンクを切っていなければ腕の内部から抵抗できたはずなのだ。
戦車が餅のような白い塊に完全に覆われてしまったいま、再び戦車を操作することはできない。操作型魔法は見えているものしか操作できないのだ。
見えていなくても位置と状態を把握できれば操作は可能だが、リンクを切った後に少しでも戦車の位置が移動していれば、リンクを戻すことはできない。
ウネウネとうねっている白い塊を見て、試すまでもなくロイン大将は後悔に至ったのだ。
「おや、せっかく温存したのに、弾を使い果たしたようだなぁ、軍事殿。丸腰じゃあないですか。温存するところまではよかったのだがねぇ。あの瞬間、あんたは私の半分くらい賢明だったよ。なあ、軍事殿。私はね、常々思っていたことがあるのだよ。人間は礼節というものを重んじるが、例えば挨拶とかのことだが、あれをやっていてバカバカしくならないのかねぇ。自分は何をやっているのだろうと我に返ることはないのかねぇ。でも、いまは気分がいいから、私も人の土俵に立ってやるとするよ。軍事殿、いや、ロイン・リオン。私は貴様の最期に挨拶を贈ろう」
ドクター・シータの膨れ上がった脚がギュンと収縮した。人間がどんなに鍛えても到達し得ないほどの、ムキムキでガチガチの筋肉だ。筋繊維の塊が椀に盛った米粒のように緻密にひしめき合っている。
脚だけではない。全身が筋肉の集合体となっている。
「その挨拶はそのまま返す。さようなら」
ロイン大将が手を前に掲げる。
彼は丸腰に見えるが、彼の操作エレメントである鉄はそこらじゅうにある。
この場所において、彼が丸腰になることはありえない。
「違う! いただきます、だ!」
ドクター・シータが地を蹴った。ロイン大将までは四十メートルくらい離れていたが、その距離をたったの一歩で詰めた。
その間、およそ一秒。
さすがのロイン大将も面食らったようだが、老獪なる彼は怪物の「いただきます」を良しとしなかった。
「ほう……」
ドクター・シータの人間ならざる大口は空を噛んだ。ロイン大将はもうそこにはいない。
「飛んだ……」
ベルトと靴に鉄を仕込んでいるようだ。いや、おそらく正装のいたるところに鉄の板を仕込んでいるはずだ。
ルーレは空に直立するロイン大将を見て、ゲス・エストを思い出した。エレメントの種類にもよるが、操作型の魔導師ならば空を飛ぶことは難しくない。
ただ、転落死のリスクがあるため実際に空を飛ぶ魔導師は少ない。だが、ロイン大将ほど戦闘経験豊富な魔導師であれば、空を飛べないほうが死に近いのかもしれない。
緑の軍服を風にはためかせるロイン大将は、帽子のツバを掴んで向きを整えた。
帽子の影に潜む二つの瞳は地上の怪物を冷たく見下ろしていた。それはドクター・シータに対する感情が表れているのではない。困難な任務に立ち向かう軍人の覚悟がそこに浮き出たのだ。
ロイン大将が両腕を左右に伸ばす。すると、演習場の地面に亀裂が走った。
土の割れ目は広大な土地を縦横無尽に走りまわり、一面に不規則な模様を形作った。不思議と地面の揺れは小さい。音も小さい。
それが逆に不気味だった。
「ほうほうほう、なるほどね」
ドクター・シータにはロイン大将が何をしようとしているのか察しがついたらしい。
その彼がすぐにロイン大将への追撃に出ないということは、あえて準備時間を与えて自分の余裕を見せるつもりなのだろう。
「私を己の力量を測るためのモノサシと見なすか、学研。ならば試すがいい。そして知れ。己の矮小さを。ゆくぞ、千剣万護!」
ひび割れた演習場がいっせいに土を吹いた。舞い上がった砂が煙幕となったが、それは敵の目眩ましではない。
三人は砂が風に運ばれるのを待った。
そして、ロイン大将が何をしたのかがつまびらかになった。
「千剣というからには千はあるのだろうな。地中という見えない場所に埋めておきながらそれらを操作したところを見るに、それらは相当綿密に位置を固定していたようだが、そこまでするからには千剣に先見をかけているのだろうね?」
宙に浮くロイン大将の周囲には無数の剣が浮いていた。演習場に埋めておいたようだ。
演習場上空を埋め尽くす剣の大群のうち、半数ほどがいっせいにドクター・シータへと剣先を向けて飛んだ。
局所的な鉄の豪雨を、ドクター・シータは増強した脚で地面をひと蹴りふた蹴りしてかわした。
地に突き刺さった剣と刺さる前に止まった剣は即座にドクター・シータを追った。
ドクター・シータは凸凹に荒れた演習場を端から端へ、また端へと駆けまわる。剣のスピードは目で追うのがやっとのスピードだが、ドクター・シータはその速度を上回っていた。
演習場を三週ほど駆け巡ったところで、左足で地を蹴り大きく跳んだ。その先にはロイン大将がいる。
白く太い蹴りが弾丸のごときスピードでロイン大将へと飛ぶ。
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