女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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紙なんてとんでもない

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 朝、屋内トイレの穴にはたっぷり蟹が入ってた。光魔法で覗いたイゼッタがドン引きしてる。瑠璃色で綺麗なのにな。うんこしたいが葉っぱが無いので取りに行くと二人も着いて来た。

「所でイゼッタよ、以前は尻を何で清めてた?」

「ん?紙」

「紙なんてとんでもない。貴族様ですか」

「ん。貴族様」

やはり紙かー。売ってないんだよなー。

「無駄金遣いは海綿とか使ってた」

海綿居るのか。

「因みに、皆の好みの葉っぱとかあるのか?俺はこの肌触りが良い奴」

「私はこれ。血止め草」

ギルドに卸せば十枚二百ヤン。高級品やん。

「あたしは痛くなければ何でも」

「ならば、この血止め草を栽培してみないか?」

「畑穿つ?」

「伐採痕も広くなりましたしね、良いかと」

そんな訳で、今日は畑作りになった。
テイカには血止め草を掘り出してもらう。根を痛めたくないので土ごと頼んだ。

イゼッタは風魔法で畑を穿つ。柔らかくなった土から石や木の根、切り株を俺が取り除く。
切り株は竈を作るのに必要なので軒下に投げとく。
板を使って畑を馴らし、畑の完成だ。肥料などは植えてから様子を見てやるしかない。ぶっちゃけ血止め草の薬効なんて要らないし、葉っぱが立派ならそれで良い。

後はテイカを手伝って、血止め草を三十株移植した。全滅したら、暫くイゼッタは尻拭けないな。

三人共々土塗れの汗塗れ。畑の横で全裸になって水魔法で洗い清めた。血止め草にも掛けといてもらおう。土を濡らさないと活着しないからな。

「昼飯を食ったら風呂作りを再開しようと思う」

「ついに!」

「待ち望んでおりました」

ただなぁ、石風呂は重いんだよな。とは言え木組みは水漏れするだろうし…。
で、考えついた。

「石造りは重い、木造は水漏れがする」

「うん」

「二つの良いとこ取りをしようと思う」

「どう言う事でしょう?」

「排水路のある石の皿の上に、木の風呂を作る」

「ほうー」

「なるほど。水漏れしても良い、と言う発想ですね」

「イゼッタには以前から風魔法で削っている石を切り出して貰う事になる」

「がんばる」

「更に伐採と製材だ。持つのか?」

「が、がんばる…」

「心配だ」

抱き着いて来るイゼッタを撫で回し負担の少ない方法を考えた。

「やはりたがねと楔だな。岩を割るのは俺がやる。イゼッタは木を頼むぞ」

「カケル大好き」

「あたしもお慕いしております」

「テイカは暫く畑の水遣りと食事番になる。手伝わせられなくて悪いな」

「全身全霊お仕えします」

鏨と楔を買う為に、肩掛けカバンとナイフを持って街に向かって飛んでった。


 武器屋の前で逆モヒカンの親父が珍しく掃除なんてしてる。

「また来たぞ」

「ん?おお、家建ててる小僧か」

「家は出来た。今は風呂を作ろうとしてる」

「ハッ!貴族様じゃあるめぇし」

「公衆浴場一回千五百掛かるんだよ」

「……意外とかかるな、三人分か」

「だろ?なので鏨と楔を買いに来た」

「入ぇんな」

武器屋の癖に建築資材の豊富な店だ。
鏨三本、楔二十個を買い上げ。これも買え、とのみ二本を買い、砥石はおまけでくれた。

「鎹は足りてるか?」

「タンスの金具にする程余ってるよ」

「足りなくなったら買いに来い」

確かに補強は大事だな。また来ると言い残し帰路に着いた。
帰りにゴーラを狩って帰宅。肉食獣女子達お喜び。
早速捌いて焼肉に。干し肉とは食う量が違う。

元気になった女子達とベッドでプロレスごっこして寝た。マウントを取られ幾つカウントを取られたか覚えてない。
明日から岩と格闘なのに…。
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