女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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目地剤が必要

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 夜と朝とにたっぷり種蒔きし、清々しい朝を迎えた俺達三人、朝食の生干し肉の炙りを食いながら今日の予定を話し合う。
新しい岩を見付けたのでイゼッタと俺は石切りに、テイカは家事と、家の周りの草毟りをする事にした。

食後、俺とイゼッタは島の反対側にある岩に飛んだ。この岩は下に伸びてそうなので横向きにスライスしてもらう。
先ずは要らない上の部分。指先から放たれた風の鋸が音を起てて岩を削り切って行く。
そのままだと途中で割れてしまうので楔を打って補強しながらの作業だ。
十数分程で硬そうな岩を切ってしまった。威力上がってるなー。
切れた岩を押し出して、楔を回収して使う為の石を切り出す。後一枚なのですぐに終わってしまった。イゼッタと岩をピストンで輸送した。残った岩は階段にするかな。

 切り出して来た石板六枚は床板にする予定なのだが、防水対策が今一湧いて来ない。
普通に敷き詰めても隙間から水が零れるのは明らかだ。地球ならコーキングで解決なのだがシルケにその辺の概念があるのかどうか。石板を前に胡座をかき思案に耽る。

「召し上がりますか?」

目の前に上着を脱いだテイカのたわわがたゆんたゆん。俺はおっぱい舐めたら知識が湧き出るスキルなど持ち合わせて無いのだが、取り敢えず先っぽを口に含む。ほんのり塩気を含む柔らかな舌触りとテイカの香りに心満たされる。

水が零れてから排水まではそう時間は掛からない。正味一分程持てば良い。しっかり組み上げられるのならば木製…、確実にカビが生えるだろうからやはり木製は無い。やはりコーキングか…。

「テイカ、水に強くてカビない素材ってあるか?」

「カビないのでしたら目の前の石ですが、それは望む答えではありませんよね?」

「ああ、石板を貼り合わせて床にすると隙間から水漏れするだろう?」

「目地剤が必要ですね」

「知って居るのかテイカ」

「船の製造に使うと聞いた事がありますので耐水性は問題無いかと」

「海の街だったな、そう言えば」

「お風呂も小さな船と考えれば応用可能かと思います」

昔は船に湯を入れて風呂にしたと言うし、中々の情報を得たぞ。

「テイカのおっぱいは舐ると知識の湧き出る奇跡のおっぱいだな」

「お役に立てて嬉しいです。もっと吸って下さい」

イゼッタがジト目で見てるけど気にしない。無心でご褒美チューチューした。幸せ。

昼飯は糖の実の出涸らし二つの乗ったソーサーだった。イゼッタめ、ご褒美ですぞ?
イゼッタを見ながら厭らしい音を立てて双丘にむしゃぶり付くと赤くなってモジモジしだした。寂しかったのだな。

「来いよイゼッタ」

イゼッタの双丘にもむしゃぶり付いた。
昼を過ぎ、摂取より消費カロリーの高い食事を終えて、午後は三人街に来た。
ギルドで船作りや目地剤、目止め剤に詳しい店を聞いてみると、造船所を教えてくれた。が、

「生憎当社では個人取引は致しておりません。国が管理する秘匿情報ですので情報の提供もお断りさせて頂いております」

だと。軍事機密と言われたら二の句が無い。

「因みに、どの様なご要件でお取引されようと思われましたか?」

「家に風呂を作ろうと思ったのだが、木造なので床の防水対策をしないと腐ってしまうんだ。浴槽もだ。普通貴族が使ってる…あれ」

「焼き物」

「そう、焼き物は手に入れられないのでこれも木造にする予定なのだが、耐水加工すれば長持ちするだろう」

「ほう…」

オシャレに聰い受付嬢の目が変わった。

「言っておくが、風呂は下手な家だと床が抜けるくらい重いぞ?」

オシャレに聰い受付嬢の目が戻った。

「船員の福利厚生についてなんて俺は知らんが船に貴族が乗りました、何て時はあると有難いだろうな」

「浴槽運ぶ貴族も居る程」

「水魔法とお高い属性魔石で風呂に入れるなら船旅が楽しくなるな」

「詳しくお聞きしても…?」

簡単に概要を説明しただけだが相手は商船を作れる会社だ。浴槽を作るなど造作もないだろうな。
上の者と繋ぐと言われ暫く待っていると部屋に通された。ナイスミドルな髭に良い身形、コイツ貴族か?

「はじめまして、わたくしハイネルマール商船会社の代表を務めておりますハイネルマール家次男、グラウン・ハイネルマールと申します」

ここは俺の出番じゃないな。イゼッタを前に、俺は後ろに。

「御丁寧な挨拶痛み入ります。私はナーバーグ家三女、イゼッタ・シンプロン・ナーバーグと申します」

「ナーバーグ…大陸を移られたのですか?」

「あちらには敵が多過ぎまして、逃げ落ちた次第です」

貴族同士の会話は続く…。
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