女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
77 / 1,519

目的地はメルタール

しおりを挟む


 服を着替え、車内を乾かし、各部のチェック。
同時に洗濯と昼飯の支度をして風呂も沸かす。
昼飯食べて、お風呂でイチャイチャしてたらつい今までのお詫びで張り切ってしまい、午後をだいぶ過ぎてしまった。

乗り心地のテストなので、浮く仕様のクリープは使わず行う。

(中身も含めた荷車ごと前に逃げる)

ガタガタと車輪を鳴らし進み始める。サスはそれなりに効いてるが、俺は木に直接尻を乗せているので衝撃が強目。テイカが手渡して来たフェルトを二枚敷いて何とか我慢出来る。
家から湖までは完全なオフロードなので揺れるのは仕方ないな。

「乗り心地はどうだ?」

「クッション次第」

「庶民としてはこれでも良い方です」

更に衝撃を減らすにはサスの強化とゴムタイヤしかないよなー。無理無理、クッション増やそう。
湖の畔で車を左に曲げる。地面が砂混じりなので曲がり難い。

ゆっくりと島の周りを一周したら運転にも慣れて来たので、一周早目に走らせた。
一度降りて足回りを確認すると、車輪が結構傷んでる。路面との接触で表面が傷だらけだ。
車輪は消耗品だが、交換するパーツが少ない方がメンテが楽になる。皮張りするかゴムを手に入れたい。

その後、イゼッタにも走らせてみたが、風魔法のみではあまり早くなかった。
傷を放置するのは良くないので、丸太でジャッキアップしてパテで傷を埋めといた。

 夕方、少しだけ狩りに出る。生皮が接着出来るか分からんが、無いよりマシだろうと言う事で、暗くなって出て来たウォルフを四匹ばかり狩ってきた。
解体したら肉はテイカに任せ、皮は俺とイゼッタが何とかする。しかし鞣す程の暇は無いんだよな。
皮の毛を風魔法で刈り散らし、幅十ドンに切ったら車輪に樹液を塗って、皮を引っ張りながら木釘で車輪に止めて行く。
結構伸びたので四輪に足りたが、乾いたら縮みそうだよなー。不安だったので取れたての原液でコーティングして、今日は様子見。

夕飯はウォルフの焼肉とスープだった。そろそろ野菜も足りない。出るなら明日かな?
食後、風呂の沸く合間に簡単な箱を四つ作って家財道具等を片付けた。


 朝になり、干し肉を齧って車輪のチェック。縮んで無いし接着も出来てるが、不安。少し使ったらまた様子を見よう。
荷車に荷物を積み込む。昨日片付けた箱にシーツと毛布と衣類、調理器具と食料、工具を入れて、フェルトを敷いて竈も乗せた。風呂場に置きっぱなしだった属性魔石も忘れない。蟹やタマゲルに餌もやった。
これで出発出来る。

「取る物は差程無いですが放置するのは心配ですね」

「持ってけないからなー」

「私に良い考えがある」

「聞こうか」

「木で隠す」

イゼッタが玄関前の土台に光を当てるとわさわさと枝が生えて出た。
活性化させて成長を促したそうだ。生え過ぎたのと家に干渉しそうなのをナイフで切って伸ばしたら屋根より高い木になった。
試しに切った枝を地面に刺して活性化させたら根が生えてた。何たるエコ。更に、木の幹に傷を付けて接木出来るか試したらこれも上手く行った。

これ、釘も鎹も無しで家建てられるんじゃね?
とにかくカモフラージュ出来たので出掛けよう。
目的地はメルタールだ!
荷車に乗り込み空高く飛び上がった。

 空中で一旦停クリープし、イゼッタに操縦させてみる。地上よりは抵抗が無い分スムーズだがスピード的には今一つだ。帆があればって感じ。
水上ならお任せしても良さそうだな。

「お疲れ。休んで良いぞ」

「んー」

納得行かない様子だが、後ろから抱き締めたら体を預けて来たのでここまでのようだ。ついでにおっぱい揉んでおく。

「カケル様、街道が見えます。後方に人影らしき物は見当たりません」

人の居ないのを確認し、轍の上に着陸した。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...