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シルケ以外の神
しおりを挟む気付いたら朝?眩しいくらいに明るくて目が慣れないが、どうやら部屋じゃないみたい。また女神に呼ばれたか?しかし何時もの罵詈雑言は聞こえない。まさか聴力を潰されたか?
「あー、あーあー」
声を出すと音は聞こえる。半身を起こして見回すと、頭の中に声が響いた。これが世に言う《此奴、直接脳内に!》ってヤツか。
「察しが良いのぅ」
「声出るんかい!」
「否、耳から入るように調整しただけだ。此方の体は遠くに居るからの」
「シルケ以外の神か?」
「うむ。地球方面の管理者だ。たまに神っぽい事もしておる」
「俺をシルケに送った者か?」
「それはまた違うヤツだ。アレは処分された」
一方的に個人を攻撃し、同意も無く存在を移動させ、移動先の管理者に丸投げした。人で言う所の殺人、死体遺棄、不法投棄、不当契約等諸々の罪が俺に関する事で発生し、余罪もたんまりあって削除処分とされたそうだ。
「狩場翔よ、汝は其方の管理者にも不当な扱いを受けていたようだの?」
「知らぬ間に生殖不能にさせられてた。初めて来た日も、地上に着いたらギフトの確認をしろって空から落とされて、空中で確認してなきゃ死んでた」
「此方でも確認した。勿論この方面の管理者は処罰対象となり、現在拘禁されている。そこで、狩場翔に回答を求める」
「私、狩場翔は、今から行われる質問に対し、全て、嘘偽り無く回答する事を宣言する」
「察しが良いの」
「嘘ついてもバレそうだし」
「うむ、では始める」
物々しいが単純だ。女神から受けた恩と仇、会話の内容、その時の心境等の確認作業だった。
神様が何時も我々を見守って下さるならば、ログとして残ってるだろうし、それと照らし合わせて確認出来るだろうな。
「狩場翔よ、加害者から与えられたギフトを破棄するつもりはあるか?」
「代替品と替えてくれるなら破棄しても良い。破棄の仕方知らないが。ただ、今より使い勝手が悪くなるのは嫌だ」
「加害者が削除処分された場合、与えられたギフトは消滅する。何時失うか分からないより、使う前から解っている方が良いと思われるがの」
「代替品は無しって事か?」
「ギフトとは管理者の力の一端。管理者が変われば与える基準も変わ…暫し待て」
暫し待つ。座ってるだけなんだけどね。
『逃げる』が使えなくなると家からの移動はイゼッタに依存しなきゃならん。唯でさえ普段から頼りっきりなのだから何とか代替品を貰わないと真面に生きられんぞ…。
更に待つ。時間の感覚が無いのでどれだけ待ったか分からないが、漸くして声が帰って来た。
「加害者の刑が確定した。そちらの地域には新たな管理者が送られる事になる。狩場翔についてはギフトの代替品を授ける事が決定した」
「具体的に何を授けるのか聞かなくてはならないな」
目の前に半透明な画面が現れ、中には文字列が並んでいる。スワイプしてスクロール…出来た。沢山の中に《鑑定》や《魔法》の文字を見付けた。懐かしい、日本語だ。
「これは…スキルか?」
「そのようだの」
「ギフト『逃げる』は逃げる為の色々なスキルを纏めた物だ。空を飛んだり物を移動したり、一つのスキルでは賄いきれないぞ?」
「そうだの。破棄するギフトと同じ効果になるよう、スキルを選択すると良い」
何とも太っ腹だな。だが嘘はバレるだろうからギフトの時に使えた効果を思い出しながら正直に選んで行った。
「正直者は馬鹿を見るぞ?」
「それでもこれ、結構な数だよ?熟練度もほぼ最高値だし。こんなに覚えきれるかな…」
「ならば《スキル作成》を取得して作ってしまえば良い」
「それは欲張りだろ?逃げる前提が無いだけで貰い過ぎだし」
「逆に言えば、逃げる前提とやらが付けば何でも出来ると言えよう。ならば…」
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