女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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キャンプ地

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 海を越えて陸を越え、辺りは日暮れに差し掛かる。このまま進んでもエディアルタの門前で寝なきゃならんし、ナーバーグまで飛んでも多分夜だろう。明るい内に寝る支度をしておきたい。

「此処をキャンプ地とする?」

「良さげな場所を探したら整地して夕飯にしよう」

森の樹冠に近付いて、直径十ハーン程のエリアの木を成長させて太く長くする。樹冠から上の枝を払ったら隣合う二本を真横からスパッと切って片方の丸太を隣の木に渡して癒着して床梁にした。六本の木に床梁を渡したら次は床を貼る。二本の床梁に三本の丸太を敷いて癒着し、それを半分に切って隣に敷いて更に癒着させると一.二ハーンの幅で床が出来たので荷車を跨らせた。やっと荷車を置いて作業出来るぜ…。
そこからの作業は早く、俺が切って床梁に乗せた木をイゼッタが癒着し半分に切り、俺が敷き直し、イゼッタが癒着させ…、最後に荷車を乗せていた所の隙間を埋めて置き直し、約十ハーン分の床が完成した。

「カケル様、イゼッタ様、夕飯の支度は整っております」

テイカ達四人は俺達が床を作っている時間で夕飯を作っていたようだ。気の利く良い子等だ。海竜の燻製スープとソーサーで腹を満たし、お茶でほっと一息…する訳にはいかなかった。トイレ作らなきゃ!

穴を開けて終わり…とは行かず、床に枝を植林し、成長させて目隠しとした。拭く物が無いのでひとっ飛びして蔦の葉を毟って来たよ。蔦毎な。
風呂にも入りたいそうで、帰って来たら荷車の中身を降ろしてたので車輪を外してやった。

「カケル、壁欲しい」

リア達が風呂を沸かしてる合間に、トイレの壁と同じ要領で壁と言う名の目隠しを作ってやった。後は好きな高さに成長させてくれ。

雨さえ降らなきゃ問題無い程度のキャンプ地になったがすっかり星降る夜だ。風呂入って寝よう。

 目が覚めて、天井が無い。体を起こしつつテイカのおっぱいを揉んで起こす。朝ご飯作ろ?
海竜の燻製と野菜のスープに練ったマタル粉を一口大に千切って入れてひと煮立ち。最後に味を整えて、とろみのある団子汁が出来た。

「ソーサー、焼く?」

「ソーサーも入ってるぞ。正確には団子だが」

「ダンゴ…、初めて見る」

「私もこの様な料理は初めてですね。頂いてもよろしいでしょうか?」

皆団子に興味津々。口に含むととぅるりとした舌触りにモチモチした噛み応え。とろみの付いた汁が体を温める。

「カケル、美味しい」

「それは良かった。お代わりもあるぞ」

「カケル様は色々な知識、それに技術をお持ちなのですのね」

「知ってる事だけ、出来る事だけな」

「千切って入れていたのはとろみを付ける為でしたか、お見逸れしました」

「キレイに形を整えて、後でとろみを付けても良いぞ。中に具を入れたりな」

  「後で作り方を教えて下さい」
「あ、私も知りたいぞ」

好評だったようだ。
皆が食器の片付けをしてる間に荷車の車輪を着けておこう。フェルトや毛布も積み込んで、身支度を済ませたら出発だ。

「イゼッタよ、エディアルタとナーバーグ、どっちに行く?」

「その心は?」

  「情報、ですね?」
「直接行っても良いし、手前で情報を仕入れても良い。その程度の事だよ」

「それでしたら、一度エディアルタに寄る事を提案致します。私達のギルドカードはバルタリンドの所属となっておりますので在らぬ嫌疑を掛けられる可能性が御座います」

「それもあるか」

「ん、リアさんに賛同」

異論が無いのでエディアルタに向けて飛んだ。キャンプ地は壊さず放置した。その内鳥の巣にでもなるんじゃなかろうか?




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