女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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金降ろすぞ?

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 商隊の護衛に喧嘩を売られた懐かしの街道で荷車を降ろし、地面スレスレを飛んで行く。唯でさえホルスト無しの奇抜な荷車だ。急いで向かえば門兵に警戒されるからな。
道草を食むタマゲルを愛でながら安全運転で街に向かった。

「カケルはタマゲル好き過ぎ」

「手頃なサイズで、柵で防除出来る程度のモンスターだぞ?しかも汚水処理等利用価値まである。可愛いじゃないか」

「けれども意思の疎通がままなりませんわね」

「それが出来たらペットにしたいな」

「実は凄く邪悪な思想を持っていたり…」

「ああーん!フラーラがいじめるー!」

「はいはいよしよし。カケル様は悪くありませんよ。意思の疎通が出来ないタマゲルを勝手に悪者扱いする人の浅はかさがいけないのです」

「ご主人…、悪かった。謝るから許してくれ。おっぱい揉んで良いから」

 …なんて茶番で暇な時間をやり過ごし、門前着くまで揉みました。
予想通り門兵に止められ警戒されたが魔道具だと言い張って何とか街に入れた。ギルドに向かう前に駐車場を借りないとならんと言われ、ギルドとは反対側にある駐車場に向かい、一日分のスペースを借りた。ホルスト居ないしうんこもしないから餌代も世話代も払わんぞ?

で、ギルドにインして受付でギルマスを呼んでもらう。受付嬢は渋っていたが、金降ろすぞ?の台詞に残高を確認して直様取り次ぎに行った。金は普通に降ろしたかったので、隣で暇そうにしてる受付嬢に金貨十枚降ろしてもらった。

暫くして取り次ぎした受付嬢が戻って来て奥へ。案内されたのはギルマスの部屋。白髪混じりで髭の筋肉がソファーに座ってる。この街のギルマスだ。

「イゼッタ嬢!?生きてたのか!」

「カケルと一緒なら何処でも生きられる」

「カケル、お前もよく逃げ延びられてたな」

「随分な驚き様である程度予想出来るがナーバーグの情報くれ」

「それより後ろの女達は?」

「今は聞くな。それよりナーバーグの情報だ」

ナーバーグ、街の名前はそのままに領主が変わり、新領主はイデロン。爵位は不明。
イゼッタの事は未だしつこく探しているようだが、幹部クラスの兵士以外はまるで探してない。
街の治安はだいぶ悪くなった様で移民が多く出たが、今は出られなくなっている。
教会には手を出せないので、教会所有の物は守られているらしい。
街に出入りする際かなりの額の金を納めなければならない為冒険者も寄り付かず、ギルドは早々に撤退した。

「とまあこんな感じだ」

「イデロン、知らない名前」

「教会も逃げ出してくれてたら良かったのにな」

「カケル様、教会には、弱者を守る責務が御座います」

「逃げ出そうって頃には逃げられなくなってるって事だ。カケル、今度はそっちの番だぞ?」

「やんごとない身分の者とそのお付が二人、そして奴隷が一人だ。名前はギルド証で確認しろ」

リアのギルド証を見たギルマスは冷や汗を垂らした。

「やんごと…やはりか。面倒だからお忍びって事にしてもらうぞ?にしてもヒズラーに居たとはな」

「それより、ちょっとナーバーグに行く用があるんだが、俺達の事を黙っててくれないか?」

「密入国でもするのか?」

「ただの里帰り。先生に会ってくるだけ」

「…イゼッタ嬢がそう言うなら止めはしないが、気を付けろよ?」

「一週間程滞在するから知らぬ存ぜぬで頼むわ」

情報を仕入れて良かった。迂闊にナーバーグに向かっていたら無駄金を払う羽目に遭っていたぜ。
ギルドを出た俺達は、その足でちょっと高そうな宿屋に向かい、飯を食って夕方まで仮眠した。やっぱりベッドは良いな…。







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