166 / 1,519
夜
しおりを挟む時間は夕方。リアに起こされイゼッタを起こし、身なりを整え二度寝するイゼッタを起こし、涎を拭って宿を出る。
とは言え出たのは俺とイゼッタの二人だけ、残った子等はお留守番だ。山へ向かう門から外に出ると他にも夕方発の冒険者が居て、四~五人のパーティーが幾つか結託して茂みの中をガサガサと、列を成して歩いてる。
俺達は大きく横から回り込み、飛ぶ。おんぶと抱っこを聞いたらおんぶだった。俺のマントに潜り込む様子を見るに、寝る気だな?
「カケル、あったかい、だいすきー」
煽てられて張り切っちゃう俺チョロい。流れ星のような速度でナーバーグまで飛び切った。
「着いたぞ?」
「カケル、もっとゆっくり~」
ぎゅーっと抱き着き背中に頬擦りするイゼッタ。もしや涎を拭いてはおるまいな?
街の上から教会を探して裏口に降りようとした所で二階に居る女と目が合った。
「ども」
「どうも…」
裏口から食堂に通してもらい…、イゼッタを引き摺り降ろす。
「あなた、イゼッタ?」
「ん、せんせ。久しぶり」
「イゼッタなのね!?正しい言葉を使いなさい」
説教が始まった。
~二時間後~
「先生とやら、そろそろ良いか?長居が過ぎると困るんだ」
「あら、私とした事がお客様にお茶も出さず申し訳ありません。私は当教会の司祭をしておりますナンシーと申します。それで、私に御用ですか?」
「避妊魔法の解除をお願いしたいじょせいがさんにんおります。なにとゾゴジョリョクタママラタツ…」
イゼッタが壊れちゃうので元に戻ってもらおう。なでなでなでなで。
「とは言え此処に連れて来る訳にはいかない。使う道具があれば纏めて街を出たい」
「私は街を出る訳には参りません。街を出るお金があれば貧しき人々を救いたいのです」
「大丈夫、カケルは飛べる。私も飛べる」
「どうも、カケルだ。俺が飛べる事は秘密で頼む」
「あれは空を飛んでおりましたのですね、何かのトリックかと思いました」
「見て、せんせ」
イゼッタが風魔法でふわりと浮いて見せると目を見開き両手で口を覆うナンシー。
「まるで女神様のようです」
「女神はもっと背が高い」
スタイルが良い事は黙っとく。今不在なのも言う訳にはいかない。
「カケル様と申しましたか。言葉遣いは粗野ですが、女神様の事をよく勉強なさっておいでですのね」
「冒険者はこうじゃないとダメらしい」
「ダメらしい」
「貴女はちゃんとなさい」
「魔法の解除にどれだけの時間が掛かる?夜の内に終わるなら寝不足になる程度で済むと思うが」
イゼッタに睨みを利かすナンシーをスルーして言葉を続ける。
「解除自体はさして時間は掛かりません。三人でしたら寝不足の心配もございませんよ。ただ…」
「金なら任せろ。成金なんだ」
ギルドで降ろした金貨では無く、袋たっぷりの小銭をテーブルに乗せた。何処から出したか?これもスキルで、逃げてないと出せない《収納》だ。袋から零れ落ちた銅貨と銀貨に残念そうに喜ぶ。
「いきなり金回りが良くなると怪しまれるからな。一食分にはなるだろ?」
「充分でございます。このご恩、一生忘れる事は無いでしょう。さあ、解除に向かいましょう」
カバンに何やら詰め込んで、サッと支度を終えたナンシーをおんぶしてマントを羽織る。
イゼッタを前に抱いてゆっくり空に上がると背後からの圧力が増す。おばちゃんにしてはありますな。
「少しだけ口を閉じてろ」
「ん゛ー!」
高度千ハーンへ一気に上がり、エディアルタへひとっ飛び。宿屋の裏手に急降下したら、窓から部屋に帰宅した。
0
あなたにおすすめの小説
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる