167 / 1,519
解除
しおりを挟む窓を開けてくれたテイカが俺達を出迎える。もちろん皆も揃ってる。
「おかえりなさい、カケル様、イゼッタ様、お客様」
「ふう…、カケル様、此処は…?」
「エディアルタの宿屋だ。此方の三人を解除してもらう」
「私はリアと申します。此方はメイドのフラーラにノーノ。何卒よしなにお願い致します」
王族とメイドらしいカーテシーにナンシーは息を飲み平伏する。分かる人には分かるのだろう。
「では、魔法の解除を始めますが…」
「飯でも食ってくれば良いか?」
「私は御一緒しても構いませんよ?」
「イゼッタも切なそうだしちょっと食べて来るよ。行くぞイゼッタ」
一階の食堂へ降りて夕飯にありついた。テイカも付いて来てちびちび何か飲んでいる。酒か?酒なのか?イゼッタはダメだぞ?絶対説教されるから。
食事を済ませイゼッタと水盃を交わしていると漸くフラーラが降りて来た。どうやら終わったようだな。皆して部屋に戻るとナンシーが疲れてた。
「お疲れのようだな」
「これも女神様の試練であれば喜んで受け入れましょう」
「この程度で試練とか片腹痛いわ」
練った魔力を指先からナンシーの胸元へ進む…のをイゼッタに押し上げられ額に触れると俺の魔力がじわっと額に染み込んで行く。
「これでよし」
イゼッタに指を離されてしまった。
ほんの少し触れただけで良いの?って思ったが良いみたい。顔色が良くなっている。
「かっ、神の御業ですか!」
「神より賜れたスキルに感謝だな」
「言い得て妙」
その後、久しぶりの再会を果たした二人は少しの間話し合い、何故か説教になって送り返す事となった。背中の圧が心地良き。街に残った者を逃がすならギルド経由で協力すると伝えると、お任せ致しますと帰って来た。
「おかえりーカーケールー」
「飲んだな?」
「ちょっとだけー」
部屋に戻ると酒瓶がゴロゴロと…。他の者は嗜む程度に飲んでるようだ。イゼッタは特に弱いのかな?
「懐妊出来る様になった御祝いですので、少しだけ頂いております」
まあ良いや。明日はギルドに寄って情報を提供してやろう。寝よ寝よ。
翌朝、ギルドに向かう道すがら、二日酔いのイゼッタに魔法雑貨屋で買った解毒ポーションを飲ませてやった。
「渋い」
効きそうじゃないか。程なくしてギルドに到着し、混雑の中へ突入した。
列に並ぶ事数分で受付に辿り着いた。全体的に軽い感じの受付嬢にギルマスとのアポを頼む。
「はぁ?」
「昨日の報告をしたいんだが?」
「Fランクが何の報告?」
「そうか分かった」
《逃げる》スキルによる《威圧》を《探知》で見つけたギルマスに最大限でぶつけて宿に戻った。
「ランク上げは急務」
「まさかあそこまで舐められるとはなー」
「舐めますか?それとも吸いますか?」
おっぱいをペロンと出したテイカを膝に乗せてちゅぱる。もうナーバーグは無視して家に帰ろうかな?
「イゼッタよ、これからどうしたい?ナーバーグとかナンシーを救いたいなら手伝うが、俺はもうあのギルドに寄りたくないわ」
「私は…」
「正直に言って良いぞ?俺は正直ナーバーグなんて更地にしちまえば良いと思ってる」
「カケル様、力に溺れてはなりませんよ?」
「解ってるさ。今のは極論だが一つの案だ。放置して家に帰るって案もある。リアがイゼッタの立場だとしたなら、どうする?」
「私ならこの国の王へ陳情し、逆賊討伐の許可を得てナーバーグを奪還致しま…、これでは父と変わりませんね。戦争が嫌で逃げて来ましたのに…」
皆静かになってしまった。メイドのお茶で仕切り直そう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる