女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 窓を開けてくれたテイカが俺達を出迎える。もちろん皆も揃ってる。

「おかえりなさい、カケル様、イゼッタ様、お客様」

「ふう…、カケル様、此処は…?」

「エディアルタの宿屋だ。此方の三人を解除してもらう」

「私はリアと申します。此方はメイドのフラーラにノーノ。何卒よしなにお願い致します」

王族とメイドらしいカーテシーにナンシーは息を飲み平伏する。分かる人には分かるのだろう。

「では、魔法の解除を始めますが…」

「飯でも食ってくれば良いか?」

「私は御一緒しても構いませんよ?」

「イゼッタも切なそうだしちょっと食べて来るよ。行くぞイゼッタ」

一階の食堂へ降りて夕飯にありついた。テイカも付いて来てちびちび何か飲んでいる。酒か?酒なのか?イゼッタはダメだぞ?絶対説教されるから。

食事を済ませイゼッタと水盃を交わしていると漸くフラーラが降りて来た。どうやら終わったようだな。皆して部屋に戻るとナンシーが疲れてた。

「お疲れのようだな」

「これも女神様の試練であれば喜んで受け入れましょう」

「この程度で試練とか片腹痛いわ」

練った魔力を指先からナンシーの胸元へ進む…のをイゼッタに押し上げられ額に触れると俺の魔力がじわっと額に染み込んで行く。

「これでよし」

イゼッタに指を離されてしまった。
ほんの少し触れただけで良いの?って思ったが良いみたい。顔色が良くなっている。

「かっ、神の御業ですか!」

「神より賜れたスキルに感謝だな」

「言い得て妙」

その後、久しぶりの再会を果たした二人は少しの間話し合い、何故か説教になって送り返す事となった。背中の圧が心地良き。街に残った者を逃がすならギルド経由で協力すると伝えると、お任せ致しますと帰って来た。

「おかえりーカーケールー」

「飲んだな?」

「ちょっとだけー」

部屋に戻ると酒瓶がゴロゴロと…。他の者は嗜む程度に飲んでるようだ。イゼッタは特に弱いのかな?

「懐妊出来る様になった御祝いですので、少しだけ頂いております」

まあ良いや。明日はギルドに寄って情報を提供してやろう。寝よ寝よ。


 翌朝、ギルドに向かう道すがら、二日酔いのイゼッタに魔法雑貨屋で買った解毒ポーションを飲ませてやった。

「渋い」

効きそうじゃないか。程なくしてギルドに到着し、混雑の中へ突入した。
列に並ぶ事数分で受付に辿り着いた。全体的に軽い感じの受付嬢にギルマスとのアポを頼む。

「はぁ?」

「昨日の報告をしたいんだが?」

「Fランクが何の報告?」

「そうか分かった」

《逃げる》スキルによる《威圧》を《探知》で見つけたギルマスに最大限でぶつけて宿に戻った。

「ランク上げは急務」

「まさかあそこまで舐められるとはなー」

「舐めますか?それとも吸いますか?」

おっぱいをペロンと出したテイカを膝に乗せてちゅぱる。もうナーバーグは無視して家に帰ろうかな?

「イゼッタよ、これからどうしたい?ナーバーグとかナンシーを救いたいなら手伝うが、俺はもうあのギルドに寄りたくないわ」

「私は…」

「正直に言って良いぞ?俺は正直ナーバーグなんて更地にしちまえば良いと思ってる」

「カケル様、力に溺れてはなりませんよ?」

「解ってるさ。今のは極論だが一つの案だ。放置して家に帰るって案もある。リアがイゼッタの立場だとしたなら、どうする?」

「私ならこの国の王へ陳情し、逆賊討伐の許可を得てナーバーグを奪還致しま…、これでは父と変わりませんね。戦争が嫌で逃げて来ましたのに…」

皆静かになってしまった。メイドのお茶で仕切り直そう。


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