女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ジンギスカンしたい

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 《威圧》の範囲を俺の形にして、シトンの絶対防衛ラインを激しく擦り決壊を促すが、紙装甲はいじらしく意地を張って耐えている。

「やだぁーそんなのやだあー!カケルさんのちんぽでイキたいのー!!」

我儘娘め。リアとイゼッタに舐られていたアイツをシトンの股に押し込んだ。

「カケルは甘えたに弱い」

「心根のお優しい方なのです」

《威圧》の間違った使い方はまた今度にして優しく激しく愛し合った。


 明けて翌日。朝食を摂り終えた俺達五人は教会に向かう。シトンとアズは護衛依頼が往復の為本日休業。帰路の準備を整えたり家族サービスするのだそうだ。

「そこの者、司教クロリアス・ハーベステッセンを呼びなさい。今すぐ!」

「は、ひゃい!」

人は、基本的に権威に弱い。小間使いなら尚更である。グレーのマントで変装したリアが声高に命令すると、泡食って名も聞かず走り出して行く若いシスター。わたわたしてて可愛いな、等とは思うまい。イゼッタに抓られて痛いのだ。
暫くして急ぎ足のシスターと司教がやって来た。
尖った帽子に、服の上からポンチョみたいなのを身に着けた杖持つ女の人だ。

「彷徨えるボフー達よ、私が司教のクロリアスです。お話は別室で伺いましょう」

ボフー、言い回しからして羊みたいな野獣なのかな?ジンギスカンしたい。返事を待たず司教は扉に戻る。リアも終始無言で着いて行く。俺達も、わたわたしてたシスターも。
のこのこと着いて行った先は小綺麗な部屋。司教の部屋だろうか?机と椅子に、ソファーとテーブル、そして本棚。花瓶にはこじんまりとした花が飾られていた。

「カルメリア様!よくぞご無事で!」

わたわたしてたシスターがドアを閉じて出て行った途端、先程の態度が一変し平伏した。

「クロー、心配を掛けましたね。私はこの通り大事ありません。それより…」

リアは俺達を司教に紹介し、俺を追っていた理由を問い質す。みるみる青ざめて行く司教。

「そんな…、カルメリア様の恩人になんと言う事を…」

初めはお礼を言うつもりでギルドに依頼したのだが、その内俺が教会に何かやらかしたと言う噂が立ち、捕まえたら賞金が出る等と言う尾鰭が付いて、ニセカケルや自称カケルが教会に金をせびりに来たそうだ。自分の預かり知らぬ所で何故追われる立場にならねばならんのか?
暗部を使った事についてはキッパリと否定した。神の御名に於いて…と言われても、今居ないし俺にとっては邪神なんだが。信仰の自由を奪いたくは無いのでスルーしたが凄く納得行かん。リアもお冠である。
直ぐにギルドへの依頼を削除するよう言いつけて、手続きを終えて帰って来るのを確認した後、教会を後にした。

それでも情弱は居る。だがこれは情報が拡散しにくいシルケでは仕方無いと言える。宿に帰る道すがら、汚い身形の冒険者風ゴロツキに絡まれてしまった。懇切丁寧に説明してみるも、「だったらお前が金を出せ」等と野盗レベルの戯言を吐いて武器を抜いてしまった。その途端、野盗共は消えた。足からスっと、一瞬で。リュネよ…、流石にやり過ぎだ。人気の無い路地裏ならともかく、人通りのある大通りの真ん中で喚き散らしてたチンピラが消えたのだ。当然注目が集まる。直様全員に《阻害》を掛けて早足で宿に帰った。

「リュネめぇ…、帰ったらお仕置だ」

「程々になさって下さいね。きっと、力が戻りカケル様のお役に立てて嬉しいのです」

「お仕置と言う名のご褒美」

あのラスボスをどうお仕置プレイしてやろうか、悩み尽きぬまま宿を引き払った。









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