女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ご近所さん

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「ミネストパーレ、私、カケルさんと番につがい なりますから。取っちゃダメですよ?」

三度目のお代わりを手渡す俺の腕に巻き付いたリュネからのジャブを、「そうか」の一言で華麗にスルーして肉を頬張る姉龍。

「ご近所さんなんだし、またご飯食べにおいでよ。それくらいは良いだろ?」

「まあ、それくらいなら…」

「龍の約束は絶対だ。必ず食べに来るぞ、絶対だ」

「俺の居る時で頼むね。調達係なもんで」

「ミネストパーレは卵持ちなんですからホイホイ来なくて良いですよ?百年後くらいにどうぞ」

うん、俺居ないねそれ。

「子が出来たらオバサンと呼ばせてやろう」

「甘噛みして飲み込んであげますね、ふふ」

やめて!二人のオーラ、人の健康に良くないの!荒ぶる厄災にお肉をお供えし、気を逸らす。

「卵ってどのくらいで孵るの?」

「直ぐですよ?人の時間だと…二十年程度でしょうか」

全然直ぐじゃないね。

「早くてそんなもんだな、ウチのは確か…二十六年目か」

「それだと、人の時間で直ぐじゃないか」

「だからお前が近付いた時に出張って来たんだ。暴れて割ったら馬鹿みたいだからな。今日だって龍の気配を感じて追っ払ってやろうと来た訳だ」

成程なー。此処に居る龍が雌で、しかも妹だったので追い出されずに済んだようだ。因みに、雄だったら怪獣大戦争になってた模様…。その後、姉龍はお肉を鱈腹食い、孵ったらまた来ると言い残し帰って行った。今日明日には来ないだろうし、明日からメルタル大陸に向かおう。


 タレの染みたゴーラは少し酸味の効いたネギ塩味。美味しく頂いた翌日は、朝から荷車を飛ばして現在海の上。

「お茶でも淹れましょうか」

箱の上に竈を乗せて、水の杖で水を注いだお鍋に属性魔石をトポン。トービードから出た魔石を属性魔石に加工した物だ。今迄薪で沸かしてたので目が滲みてたが、もう滲みない。魔石に依存したら抜けられないな。そのうち薬缶も欲しい所だ。
今回のメンバーは箱が多目なので俺とイゼッタとテイカの三人だ。上を飛んでる龍は数に入れないぞ!

「ミネストパーレ様、お茶飲む?」

「ギャ」

荷車から身を乗り出してイゼッタが姉龍を誘う。
飽きるまで放っておこうと思ったのにー。光り輝き乗り込んで来ちゃった。

「もう暫くですので此方をどうぞ」

お皿に海竜の干物を炙って来たのがこんもりと。俺達のおやつだね、それ。

「はむ、ふむ、初めての味だな」

加工して食べる風習無いだろうしね。

「海竜を味付けして干して焼いたの。カケルが取って来た」

「あの海に居る奴か」

「俺達これから大陸で一仕事しに行くんだけど、卵放ったらかしで良いの?」

「それならグリューネワルターに預けて来たので問題無い」

問題だよ?帰ったら孵っててリュネをママーとか呼んじゃうよ?怪獣大戦争は勘弁願いたいが龍は自由だ。着いて来るなら拒めない。尻尾と角を隠す事を条件にした…のだが…。

「んふぁ!ナニコレ!?発情しちゃう~んっ!」

こうなるのを忘れていた。
出してプルプル、入れてビクビク。入れたら出さずに我慢して!

「ねえお前…、今すぐ殺されるのと交合うの、どっちが良い?」

ごめんよリュネ、命大事なんだ。街に着いたら宿を取るのでそこでゆっくりしましょうって事で落ち着いた。街に着いたら忘れてる事を祈るばかりである。

「きっとリュネさんも解ってくれる」

「島では避難出来ません。素早く移動をお願いします」

干し肉をぺろぺろしながら見られる事小一時間。耐えに耐え、干し肉が無くなる頃にエディアルタに到着した。



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