235 / 1,519
消去法
しおりを挟む生きた龍を見るのは初めてだろうな門兵よ。従魔と聞いてやっと槍を下ろした。
「登録するなら寄り道せず行けよ?」
「寝具店に荷車置きに行く程度は大丈夫だろ?」
「良くも悪くも無いな。登録しないと討伐されちまうから、従魔が可愛いと思うなら急げよ?」
「可愛いから急ぐよ」
「カケル、私は?」
「可愛い俺の妻だ」
「カケル様」
「可愛い国宝だよ」
とっとと寝具店に向かおう。
「おかえりなさい皆さん。カララさま、ここがわたしの家ですよー」
荷車を停めて両親殿に挨拶し、カラクレナイを紹介した。案の定動けなくなってたが、叫び出さないだけ肝が座ってるのだろう。
「わたしのパパとママだから食べちゃだめですよー?」
パパとママでなくても食べちゃラメだねぇ。
お茶は帰ってから頂く事にして、先ずはギルドで登録しなければ。テイカはお茶の手伝いで残ると言うので、俺、イゼッタ、カラクレナイの三人でギルドに向かった。
《阻害》を掛け忘れた俺を殴りたい。ギルド迄の百ハーン足らずの距離なのに見られる事見られる事。目立たぬようにカラクレナイを背中に背負い、翼を畳み、尻尾を体に巻き付けていたのだが、バレちまったら仕方ねぇ。開き直ってギルドのスイングドアを開けた。
開き直るとあまり見られない。そんな気がする。金のある冒険者って装備が無駄に派手だから背中に龍を背負ってるくらいじゃ目立たないのだろうな。受付嬢はこぞって目を逸らしている。背負ってるだけで首は動いてるからな。出来れば関わり合いになりたく無いのだろう。そんな時は鑑定カウンターに行くに限る。
「カケル様、それ、売るつもりじゃあ無いですよね?無理ですよ生体は」
「従魔登録だよ」
「グギャー!!」
大きな声だ事。翼を広げておこな様子。よーしよしよし。
「カケルかい!?」
「カケルたまっ!」
買取カウンターの奥からボインを揺らしてマタリーが、二階からはカロがふっ飛んで来た。噛んだのか、何時もの癖が出たのか。
「二人共久しぶり」
「良いからこっちに来な!カロは書類持っておいで。あンたはお茶」
あれよあれよと会議室に連れられてお茶を待つ。
「お茶なんて淹れたの初めてですよ!味の文句は受け付けませんから」
「受付嬢が目を逸らす訳が解ったよ」
「姿を隠せば良かったですよ。それにしてもドラゴンですか…」
「お?」
「判りますよ?消去法ですけど。因みにマタリーさんが判った理由は?」
「トカゲとまるで違うだろうが」
同じく消去法だそうな。怒った顔もすこ。
「お、お待たせしました」
ノックもせずに入って来た存在に、マタリーの鋭い視線が飛ぶ。困ったらてへぺろで済ますカロである。
「それでは、レッサードラゴンの従魔登録で良ろしいですね?」
「よろしくどうぞ」
「……国に知れれば戦争ですからね?」
「よく判ったな」
カロまで判別できたか。
「当家、これでも騎龍持ちですから。それよりも、雌の顔をしてるのがとても気になります」
そっちが判るのはびっくりだ。ジト目が刺さるのでとっとと登録してもらおう。カロさんはよはよ。
「名前は…カララサマ、ですか?」
「ん、カララ様。迂闊にちゃん付けして食べられても関知しない」
「承りました。カララサマで登録されました。街の内外問わずカケル様の所有物である証を身に付けさせて下さい」
「証とな?」
「リボンから鎧まで色々ですね。当家では主に鞍と兜、手足に脚絆を巻かせています。要するに、着飾って下さい。裸の女の子を連れ回したくは無いでしょう?」
「分かったよ」
「それと、今夜は当家にお泊り下さいね?」
「分かったよぅ」
前回街に来た時、宿に泊まったのを知ってたようで、用が無くても来てと言われた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる