女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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解るのかよ

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 朝。バルタリンドに向かう俺達は皆より少しだけ早く朝食を食べている…のだが、向かいに座るサミイの隣には、何故かカラクレナイの姿が。何時もはミーネと一緒にゆっくり起き出して来るのに。そう言えば昨夜は寝室にサミイが居なかった気がする。

「夜は二人一緒だったのか?」

「アキャー」

「一緒に寝たんですよねー」

「クェー」

ねーって感じで見合っている。多分、島民の中で一番の仲良しさんになってるのではなかろうか。娘が嫁に取られたみたいでパパ少し悲しい。

「カラクレナイ、此処に居たか…」

子供が居なくて不安になったのか、母親も起きて来た。目が開いておらず《感知》だけで歩いてる。

「おはよう、サミイが世話になったな」

「寝惚けて食べてしまわないか不安で寝られなかった」

「それは不安だな」

「それより、第二婦人は魔力も無い、唯の人だよな?何故あんなに懐いたのか見当もつかん」

「友達に、魔力も味も求めないだろ?」

「友か。龍には無い概念だな」

「群の中の派閥、これを良い意味で捉えた言葉が友だ」

「理解した。私は眠い。寝る」

おやすみのキスをして家に帰って行った。

「カケル、ちゅーー」

「旦那さま~んちゅ~」

「クルルーむちゅむちゅ」

「早くご飯食べちゃいなさい」


「ギヤー!グギュルキョアーグルキュー!」

玄関前で泣き叫ぶ。多分、行かないでーとか一緒に行くーとか言っていると思われるが、まだ龍語になってないのでニュアンスで掴むしか無い。

「旦那さま、一緒に行きたいみたいですよ?」

「解るのかよ」

「旦那さまと離れたく無いのですよ。無理に置いてったら飛んで来ちゃいますよ?」

あの母にしてこの子だからあり寄りのありだろう。

「流石に街には入れられ無いだろ」

「ご主人、従魔としてギルドに登録するのは如何か?カララ様には申し訳ないがレッサードラゴンとしてなら従魔や騎龍登録が出来るぞ」

  「本物のドラゴンを従魔にした人が居ないので、フラーラの言う通りにすべきかと」
全てを言葉にしないが何となく理解した。面倒事になるのね。レッサードラゴンでも面倒事になる気しかしないのだが。

「カラクレナイ、トカゲ扱いでも良いなら連れてってやる。それと、俺も離れたくない」

「クルルルルァァァ」

「カララさま、良かったですねー!」

二人手を取りワキャワキャ楽しそうだ。まさか仕組まれていたのではあるまいな?不安になるのでミーネにも伺いを立てると、

「楽しんで来い」

だと。昨夜の内に画策してたみたいだな彼奴等。荷車に、サミイとカラクレナイを押し込んで、イゼッタテイカと俺が乗り込み空に上がった。


 カラクレナイにとって初めての空は珍しい物が沢山で、飽きる事無く車体後部から首を長くして眺めている。

「カララさま、陸地が見えて来ましたよ!あれが私の住んでるヒズラー大陸です」

サミイはカラクレナイに見えた物やこれから見える物を教えてる。二人揃って尻をフリフリ、誘ってやがる。

「テイカ」

「お待ちしておりました」

バルタリンドに着くまで、ゆっくりしゃぶしゃぶしてもらおう…、と思ったら鉄板出して来た。使ってみたかったのね。素直にお茶しましたよ。
皆でお茶とおやつを食べて、カラクレナイは仮眠、サミイも抱き枕にされて寝た。

「テイカ」

「何時でもどうぞ」

街に着くまで突きまくり、暫くしてバルタリンドに到着した。

「カケル、お前それ生きてるん…だよな?」

「従魔だぞ?すげーだろー」

サミイが居ても顔パスとは行かず、大きい門の列に並ぶ。とは言えサミイ単品なら住民特権で顔パス出来てしまうので、サミイは一人家に帰って行った。おもてなしの準備するのだとさ。で、列に並んで俺達の番、門兵に嫁を紹介してる真っ最中であった。

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