女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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消去法

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 生きた龍を見るのは初めてだろうな門兵よ。従魔と聞いてやっと槍を下ろした。

「登録するなら寄り道せず行けよ?」

「寝具店に荷車置きに行く程度は大丈夫だろ?」

「良くも悪くも無いな。登録しないと討伐されちまうから、従魔が可愛いと思うなら急げよ?」

「可愛いから急ぐよ」

「カケル、私は?」

「可愛い俺の妻だ」

「カケル様」

「可愛い国宝だよ」

とっとと寝具店に向かおう。

「おかえりなさい皆さん。カララさま、ここがわたしの家ですよー」

荷車を停めて両親殿に挨拶し、カラクレナイを紹介した。案の定動けなくなってたが、叫び出さないだけ肝が座ってるのだろう。

「わたしのパパとママだから食べちゃだめですよー?」

パパとママでなくても食べちゃラメだねぇ。
お茶は帰ってから頂く事にして、先ずはギルドで登録しなければ。テイカはお茶の手伝いで残ると言うので、俺、イゼッタ、カラクレナイの三人でギルドに向かった。
《阻害》を掛け忘れた俺を殴りたい。ギルド迄の百ハーン足らずの距離なのに見られる事見られる事。目立たぬようにカラクレナイを背中に背負い、翼を畳み、尻尾を体に巻き付けていたのだが、バレちまったら仕方ねぇ。開き直ってギルドのスイングドアを開けた。

 開き直るとあまり見られない。そんな気がする。金のある冒険者って装備が無駄に派手だから背中に龍を背負ってるくらいじゃ目立たないのだろうな。受付嬢はこぞって目を逸らしている。背負ってるだけで首は動いてるからな。出来れば関わり合いになりたく無いのだろう。そんな時は鑑定カウンターに行くに限る。

「カケル様、それ、売るつもりじゃあ無いですよね?無理ですよ生体は」

「従魔登録だよ」

「グギャー!!」

大きな声だ事。翼を広げておこな様子。よーしよしよし。

「カケルかい!?」

「カケルたまっ!」

買取カウンターの奥からボインを揺らしてマタリーが、二階からはカロがふっ飛んで来た。噛んだのか、何時もの癖が出たのか。

「二人共久しぶり」

「良いからこっちに来な!カロは書類持っておいで。あンたはお茶」

あれよあれよと会議室に連れられてお茶を待つ。

「お茶なんて淹れたの初めてですよ!味の文句は受け付けませんから」

「受付嬢が目を逸らす訳が解ったよ」

「姿を隠せば良かったですよ。それにしてもドラゴンですか…」

「お?」

「判りますよ?消去法ですけど。因みにマタリーさんが判った理由は?」

「トカゲとまるで違うだろうが」

同じく消去法だそうな。怒った顔もすこ。

「お、お待たせしました」

ノックもせずに入って来た存在に、マタリーの鋭い視線が飛ぶ。困ったらてへぺろで済ますカロである。

「それでは、ドラゴンの従魔登録で良ろしいですね?」

「よろしくどうぞ」

「……国に知れれば戦争ですからね?」

「よく判ったな」

カロまで判別できたか。

「当家、これでも騎龍持ちですから。それよりも、雌の顔をしてるのがとても気になります」

そっちが判るのはびっくりだ。ジト目が刺さるのでとっとと登録してもらおう。カロさんはよはよ。

「名前は…カララサマ、ですか?」

「ん、カララ様。迂闊にちゃん付けして食べられても関知しない」

「承りました。カララサマで登録されました。街の内外問わずカケル様の所有物である証を身に付けさせて下さい」

「証とな?」

「リボンから鎧まで色々ですね。当家では主に鞍と兜、手足に脚絆を巻かせています。要するに、着飾って下さい。裸の女の子を連れ回したくは無いでしょう?」

「分かったよ」

「それと、今夜は当家にお泊り下さいね?」

「分かったよぅ」

前回街に来た時、宿に泊まったのを知ってたようで、用が無くても来てと言われた。
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