女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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賄賂

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 今、街の少し手前で荷車と専用機を《収納》し、徒歩で門前へ向かっている。普段なら荷車のまま入門して寝具店に直行するのだが、今日は街から出る人が多くて移動し難かったのだ。
すれ違う者は主に冒険者。ホルストを付けた商隊用の荷車もあれば、小型の荷車を曳く人も居る。歩いてる者を立ち止まらせるのも往来の邪魔になるし、道を譲って草の中を歩こう。背中に背負ったカラクレナイも静かにしてるし気にされないので此方も気にしない。
門兵にミーネの分の入門料を払い、先ずはサミイの所へ向かう。街の人なら少なからず何か知ってるかも知れないし、カラクレナイを布団で寝かせてあげたい。一緒に寝たいまである。

「あ!旦那さま、おかえりなさーい。皆さまもようこそです。カララさまは…お休み中ですね。お布団用意してきます」

手ぶらなので正面から入ったら、客の居ない店内でサミイが一人店番をしていた。そして俺達を置いてカラクレナイの布団を用意しに行ってしまった。大所帯で店番する事も無し、俺とイゼッタが店番を受け持ち、他の子等は客間に入ってもらった。客の来ない店番程有意義な時間は無いが、暫くするとサミイが戻って来た。

「てっきり店内で宜しくやってると思っちゃいました」

「ドキドキを楽しむ時間は取れなかったな」

「取り敢えずお店閉めちゃうので、客間で待ってて下さいね」

客間に入り、お茶を啜り、サミイを待つ。そう言えば両親殿が居ないな。

「お待たせしましたー。今パパとママが寄り合いに出てて居ないんですよ」

「街を出る人が多いのと関係あったり?」

「わたしはまだ何も聞いて無いですが、多分その話もしてるんじゃ無いですかねー。二人で行く事なんて今迄無かったですし」

その辺は両親殿が帰ってから、若しくはカロにでも聞くか。

「此方もサミイに報告があるんだ」

「また雰囲気変わった事ですか?」

「よく分かったな、流石俺の嫁だ。カロにも話すから後でカロを呼んで話そう」

「えへっ、取り敢えずお昼ご飯の準備しましょう!焼肉パーティーするってカララさまと約束しましたし」

「ご主人、我等は食料の調達に出よう」

「あたしは外の準備を」

「では私はお肉でも…」

リュネがお肉を獲ると聞いて、不安がぎる。

「リュネ、一回で食べ切れる量で頼むくれぐれも頼む」

「大丈夫ですよ。カケルさんは心配性なんですから、うふふ…」

うふふの後の溜めが怖い。リュネのお乳に顔を埋めて賄賂賄賂。

「カラクレナイは鳥が食べたいそうだ」

「お任せあれ。…じゃあこれで。取れました」

これが龍の《収納》である。細かい範囲は判らんが、《感知》に引っ掛かった獲物は何でも《収納》される。相手は死ぬ。若しくは死んだ方がマシな精神状態になる。

「カケルさん、覚えましたか?」

「《感知》使った所しか分かんなかったよ!」

「あら。ならこれはどうでしょう?…はい。肉とそれ以外に分けましたよ?」

これが龍の《収納》である。《収納》内の獲物を解体出来るのだ。細かい範囲は判らんが、肉、骨、羽根、内臓に分けられていると思われる。

「そっちは何となく…。骨付き肉から練習するのが良いのかな?」

「カケルなら直ぐに出来るようになるさ」

「努力しよう。皆が料理の支度をしてる合間にちょっとギルドに寄って来るよ」

「カロも呼ぶ?」

「そうだな。今日は泊めて欲しいし。肉でも焼いて待っててくれ」

「ではカケルさん、これを」

リュネが取り出したのは大量の羽根。今獲った鳥の羽根か。長い奴で百二十ドンくらいあるんだが、食べ切れるのか?出された羽根を《収納》してはまた出されを数回繰り返しギルドに向かった。
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