女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ドラゴンズジョーク

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 夕方になり、カロとメイドと護衛、そしてボインが夕飯を食べに来た。カロと護衛は泊まり掛けでギルドに詰めると言う。

「カケル様も治安維持のクエストを受けませんか?」

「人不足だっけか。俺、Fランなんだけど大丈夫?」

「あたいらとパーティ組んで一緒に居れば良いからさ!な、アズ?」

「カケル様に敵うゴロツキは居ませんよ」

「まぁ否定はせんが…」

「ギルドは冒険者の自主性を重んじますので無理にとは言いません。ですがカケル様を近くに感じて居たいです」

「初めての依頼が治安維持になるとは…。詳しく話を聞こうか」

聞く所に依ると、昨夜小舟で入って来た奴等みたいなのが今夜も来るだろうし、明日は朝からゴロツキ共の現地解散なので警備兵と共に巡回パトロールをして欲しいのだと。
街を彷徨いて悪人を見つけたらぶちのめして豚箱に叩き込む簡単なお仕事、だってさ。
因みに昨夜の奴等は逸早く帰りたい下級貴族とそれに雇われた冒険者で、特に悪さをする素振りも無かったので無罪放免、そのまま街を出たと言う。

「明日になるまで小舟を回収したらどうだ?」

「火災等の緊急時に備えてある物なので、それはちょっと難しいかも知れません」

「俺なら火事を起こしてその隙を狙うがね」

「流石カケルさん、悪い顔だぜ!」

「…解りました。警備隊に提案してみます」

「その後で燃やしてしまえば平和になりますね、うふふ」

「流石リュネだ、厄災振り撒くぜ!」

「リュネ様、何卒穏便に…何卒…」

ドラゴンズジョークはカロの心臓に深い傷を与えた。


 夕飯を食べてカロ率いる冒険者一行は一路ギルドへ向かったのだが、ちょっと数が多い気がする。
カロ、護衛二人、俺、リュネ…。え?

「うふ」

「カラクレナイとお風呂入るって言ってたじゃん」

「此方の方が面白そうでしたので」

アルネス率いるホルスト車に、ミーネの次に乗ってた筈なんだ。

「カララちゃ~ん、一緒にお風呂入りましょうね~」

ってキュンキュンしてた筈なのに、ギルドに着くまで誰も気付かなかった。

「カケルさん、こーれっ」

こーれっと出された薄板にカロは驚き、俺と護衛は思い出す。メルタールでギルド証作った事を。

「リュネ様、冒険者登録をなされていたのですか!?」

「クエストを請ける権利は、ありますよねぇ?」

NOと言えない人種である。クエストを受理されて、シトンとアズのパーティーに編入された。クエスト中は更に警備兵が二人付くと言う。

「ゴロツキと間違われない為かな?」

「警備兵の嵩増しも兼ねていますが、その通りです。この鑑札を持って地下の訓練場に移動して下さい」

そんなのもあったのか。シトンとアズに連れられて長い階段を降りた先は、縦にも横にも結構広くて円形の運動場だった。高さは二階分抜いてあるなこれは。広さは直径五十ハーン程はあるだろうか。しっかりとした柱がぐるっと一周生えていた。
階段の横にある受付で、二言三言の受付を済ませたシトンの尻を追い掛け待ち合わせ場所に向かうと、既に警備隊員らしき同じ装備で固めた人と尻尾持ちが待っていた。

「お前達がシトンとアズだな?後ろの二人は誰だ?」

「男が居るなんて聞いて無いわよ。チェンジで」

「シトンだ。後ろの二人に失礼な事言うと大変だぞ?」

「アズです。私達はCランク、此方のお二方はFですが実力は世界一と言って差し支え無いので、言葉に気を付けて下さいね」

「私はリュネです。世界一は言い過ぎです。姉の方がだいぶ強いですし、うふふ」

「カケルだ。リュネよりはかなーーーり弱いが人種の中では十指に入るくらいの強さだ…って言わないとリュネが怒る」

「変な奴だな。冒険者なら言い切れよ」

そんなもんなのか?

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