263 / 1,519
ナイニャイちゃん
しおりを挟む「私はこの小隊のリーダーとなるアマルディだ。指示に従わないとお前達が捕まる事になる。覚えておけ」
人種でリーダーのアマルディ。装備からして大した階級では無さそうだが人員不足で小隊長にさせられたって感じだな。人数的に見ても小隊では無く班と呼ぶべきだろうし。赤茶の髪を襟元で切り揃えて前髪ぱっつんの真面目ちゃんな見た目。の割に言葉はイケメン。家に帰って柴漬け食べたいとか言いそう。柴漬け無いけど。
「私はナイニャイ。その男が居座るなら私は他と変わって貰うか…が…」
むっつりしてた尻尾持ちが言葉を詰まらせる。脂汗を垂らして立ち尽くし、呻く事しか出来無いでいる。まあ予想は出来ますよ。
「リュネ、ありがと」
「はぁい」
ヘタリ込み、息を荒らげるナイニャイちゃんに目線を合わせ、優しい言葉を掛けてやる。
「命ある事に感謝しろよ?次は死ぬ」
「な!?」
「交代するなら何も言わずに行け。獣人のお前なら解るだろう?」
俺の後ろではリュネが恐ろしい笑みを浮かべているに違い無い。振り向きたくない。ナイニャイちゃんはコクリと頷いた。
「ナイ、交代なんて出来ると思ったか?女の隊員で今夜の組は私達だけだぞ?」
泣きそうなナイニャイちゃんに優しい言葉を掛けてやる。
「俺に敵意を向ければお前は死ぬ」
「!?」
「向けなければお前を守ってやる。それで良いな?」
頷くしか無いのだろう。項垂れるように頷いた。
「何をやってる、打ち合わせしたら任務開始だ。端に行くぞ」
一人でスタスタ行ってしまった。
「ナイニャイ、手を取って立ち上がれ。さもなくばお姫様抱っこするぞ」
「…今日は厄日にゃ…」
にゃ、頂きました。メットで頭を覆って居るが、きっと耳は垂れ下がっているな。肩に掛かる髪は白いが、尻尾は白茶紫の三毛になってるので髪も三色に違い無い。黄色い瞳のちょっぴりつり目が可愛らしい。
立ち上がらせてアマルディの所へ向かい、打ち合わせ。地図を見ながら割り当てられた区画を確認した。場所は港前、大通りの北側。ダンディな髭ミドルことハイネルマール商船会社のある区画である。
「打ち合わせは以上だ。質問が無ければ出発する」
「では一つだけ」
「聞こう」
「殺してはいけないのだよな?」
「殺す攻撃はしない方が良い。鉱山労働者が増えれば国も潤うそうだからな」
「心得た」
心得たよね?リュネ?ボツボツ移動を始めてる流れに乗って、俺達も出発だ。先頭をナイニャイ、中は二列で冒険者、最後尾にアマルディの隊列で歩いてく。
「明かりを点けたらゴロツキ共も居なくなるだろうなあ」
「他の場所に行くだけだな。それに寝てる者から苦情が来るぞ?」
「海岸沿いに住んでる人、居るんだ?」
「海岸沿いには居にゃ…居ない筈よ。と言うかうちの区画の話じゃ無いの!?」
「前を見て歩けー」
「艦艇から小舟を回収する話は通ったのか?」
「ん?よく知ってるな。あれはダメだった」
「残念だ、俺の提案だったんだ」
「へえ。私も良案だと思ったが、下っ端では何も言えん」
「海岸線に人が居ないなら、全体を明かりで照らせば少なくとも街には入れなくなる、と思う」
「お前みたいな奴が上に居たら良かったのだがな」
「そんだけの魔力が無いじゃない」
「あるかも、知れませんよ?うふふ」
「うひっ!」
「こーらリュネ、脅かすんじゃ無い。まあ、冒険者の能力を当てにし過ぎると兵隊の存在感が薄れるからな」
「その通りだ」
「軍隊と冒険者の戦い方の違いもあるけどね」
「我等は数で押す、お前等は個の力で…って事だな」
「そう。だから突き抜けた才能のある奴は冒険者では強いとされている」
「例えばお前なら?」
「兵隊さん、それは秘密なんだぜ?」
「否、少しだけ教えておくよ。俺は光の精霊に愛されてる」
「ぷふっ」
笑ったのは勿論彼奴だ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる