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忘れてた
しおりを挟む「板とゲル版は最初に加工するのが良いと気付いた」
「厚みを同じくするのですね」
「うム。硬さも同じく出来るからな」
「所でカケル様、今の速度で移動しまして、如何程の時間でカケル様の御屋敷に辿り着くのですか?」
「最高速度は何時も使ってる荷車より早いから、このままの速度を維持すれば昼前には着くと思われる」
「旦那さまぁ、もっとゆっくり飛んでも良いと、わたしは思うのですよ?」
サミイがにじり寄って胡座を枕にして来た。可愛いかよ。
「此処で致すのですか?致すのですね?」
「致したいし、何時もサミイとは荷車でしてるから心苦しく思うのだが、残念な事にこの特化型には、直ぐ食べられる食料は搭載されていない」
「ゆゆしき事態ですね!」
「水は飲めるが鍋が無いのでお湯が作れん」
「忘れ物、でしたね。反省します」
皆で忘れてたので誰も責められん。三人並んで毛布の上でイチャイチャする事数十リットで島の上に到着してしまった。
「ギャレー!ギャレギャオー!?」
お迎え一番乗りのカラクレナイが飛んで来た。飛ぶのはフライングだな。
「ド!ドラ!?」
扉を開けて迎えてやろう。
「カラクレナイ、こっちだよー」
「カララさまー。おひさしー!」
「!?キャイャー!カケリュー!」
流石にカラクレナイが入ると狭いな。カラクレナイは細身だから翼を畳めば入る事は出来るが、尻尾はとぐろを巻かないとならん。
「カララさま、おっきくなりましたね!旦那さまの名前も言えるようになって凄いです!」
「キャイーキュイキュイー」
べろべろしてる二人を横目に、完全に固まってしまったシャリー。そして、俺より先にサミイをべろべろされてショックを受ける俺。
「キャイー、ギャエー」
「あ、其方で固まってるのはシャリーさんです。仲良くして下さいね。此方で固まってるのはカララさまに構って貰えなくて寂しがってる旦那さまですよ」
「カケリュ!ちゅっちゅー」
「うぶ、ぱばぶっかちゅ!」
カラクレナイの唾液を受けて復活を遂げる俺。べろべろべろべろ。
「あ、お、お初にお目にかかります…です。私、シャリー…です…」
語彙が飛んでるな。旧家屋の玄関前に着陸させて皆を降ろした。
「おかえりなさいませカケル様。あたしが寂しく過ごして居た間に随分とお楽しみでしたね」
フライング出来なかったテイカに棘ある言葉を頂いてしまった。色々解ってる体で話してくるのはまさかリュネ達が何かしたか?
「俺を完全に受け止められる人はテイカだけだと悟ったよ」
「確認してくれると嬉しいです」
荷物もあるし、島の皆を食堂に集めてシャリーの紹介と荷物の分配をする事にした。サミイはもうカラクレナイを装備出来無いので背中に乗って移動してた。サミイがドラゴンライダーに進化してしまった…。
「皆様お初にお目にかかります。私エディアルタ商業ギルドから参りましたシャリーと申します。妾の末席としてこれから宜しくお願い致します」
一頻り紹介が終わり、荷物も捌けて居間に戻る。お茶を飲み飲みまったりしてると、徐ろにイゼッタが口を開いた。
「シャリー、シャリー…?」
「はい」
「シャリー、二十八?」
「え?何時聞きました?」
「んー、子供の頃?」
「奥様が子供の頃は私もそんな歳じゃないのですが…あ」
「シャイー、イズ」
「え!?イズ?イー様!?」
「何だ、知り合いか?」
「はい!私が仕えていた貴族様のお嬢様です…。生きて、らしたのですね…」
「カケルのおかげ」
ポロポロと零れる水滴と、プルプル震える双肩に、お茶を飲む手も止まり、居間は音を無くした。
「何でちっちゃいの?」
「そう言う人種なんです!」
それなんてコント?
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