女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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とても興奮する

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 荷物を整理したら昨日言ってた杖とリングを渡して外に出た。
家を壊して残るは土台と風呂。土台を細く切って橇にして、下から風呂にくっ付けた。簡易荷車の完成である。

「お前さんのそれは魔法なのかい?」

「魔法だけじゃ無いよねそれ」

「魔法とスキルの混合だよ。魔法は後付けで覚えたから、まだ使いこなせて無いんだ」

「それで魔力無しで煉瓦が切れたり浮いたりしてんのね」

「煉瓦は魔法?それ以外はスキル…であってるか?」

「そうね」

お喋りに花が咲く前に橇に乗せたらゆっくり空に上がってく。二人共驚いているな。街の名前は聞いてないけど《感知》には引っ掛かったのでそこに向かおう。

「空の上から見た事ないけど、確かに知ってる土地だわ。薄ら壁が見えて来たでしょ?あれがルングネンハルトよ」

「オレ初めて来た」

「俺もだ」

「何で初めてなのに場所が…って、それもスキルなのね、流石人外」

「ある程度近付いたら陸を行くぞ。そろそろちんぽ弄るの辞めてくれ。凄くしたいけどスープ飲んで暖まりたい」

「じゃあ、口でするから、濃いの頂戴はむ」

ちょっとゆっくり目に行こう。二人にハムハムぺろぺろされて、街道に降りて更に進む。道の先は真っ直ぐで、襲われてる荷車は確認出来無い。しかし、その油断が面倒事を引き寄せる。

「前の荷車!退けー!!」

後ろから多頭曳きの荷車が結構な速度で迫って来た。この国は街道を往くと面倒事が発生する国なのか?普通の荷車ではこの轍を越えられないだろうに、無理を言う煽り運転だ。ペニスケを装着し、ズルズル轍を越えて対向車線に移動した。

「感謝する!」

礼を言われるとは思って無かったが、面倒事はまだ後ろに居るのだ。雪の壁を削りながら走って来るのは巨大で真っ白な虎っぽい野獣。これはモフりたい!猫科の野獣は初めて見たのでとても興奮する。

「お前さん!逃げなきゃ食べられちまうよ!」

「そうか、腹減ってんだな。これだけデカいと食う量も大変なんだろうな」

「呑気な物ね…」

「キュルケスは余裕じゃないか」

「諦めは前から着いてるからね」

虎っぽいのの射程範囲に入る直前に《威圧》を掛ける。怖がらせ過ぎないギリギリの怖さを出すのが難しいのだ。動きの止まった虎っぽいのに合わせて橇を止め、昨日の残り物の肉と捨て忘れた臟をセットにして目の前に置いてやった。

「食べかけで悪いが持って行け」

ゆっくりと進むと、理解したかは分からんが肉を咥えて去って行った。

「カケルさんはやはり人外ね…」

「あの野獣もお前さんに惚れたな、オレにはわかる」

俺にはわからないよ。元の車線に戻って街に着くと、先行した荷車が待って居た。

「バケモノを押し付けて済まなかった!しかも追い払ってくれた事に感謝する!」

声デカいな。馭者をしていた金属甲冑から声がする。触ったら張り付いてしまいそうだ。

「私からも感謝を」

「お止め下さい!」

なんてメイドの言葉を無視して寄って来た多分少女に驚いた。

「ハーク?…じゃ無いな、スカート履いてるし」

「お兄様をご存知で?」

「嘘っぱちでございます!」

「車が好きで風魔法が達者。王都のセカンドハウスは歪み無く、厚みを揃えた見事なガラス張りでエントランスの階段はカーペットで見えない所にも美しい伝統模様の青いタイル装飾が施されている。で、これ」

「ああ、やはりお兄様のお知り合い」

「疑って申し訳ございませんでした」

便利だな、紋章コイン。

「私はハーク兄様の妹、アルアイア・メルユー「そこまでだ」あう…」

「名乗りを切って済まないが、俺は冒険者だからな、アルアイアだけで良い」

「アルアとお呼び下さい」

アルアたんかわゆすお人形さんみたい。ハークと並べて飾りたい。
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