女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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俺の限界

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 水である事を確認したら、これの粘度を上げてやる。イメージは蒟蒻…蒟蒻ぅ…。

「魔力を込められておりますね」

「水の組成を変えてる…のかも?」

「…唸ってるだけに見えますな」

見た目変わらずの板状の水に同じく弾を投げ付けると、ぺちっと当たって跳ね返った。成功したー。

「硬くなったようですな」

「弾力が増したのでございましょう」

「水に入った状態であれされたらきっと抜け出せないわね」

今度はもっと柔らかく、石鹸水ってイメージ湧かないな、シャボン玉の液って液体洗剤と水に洗濯糊とか入ってるんだっけ?取り敢えずネトネトにして、水を足すイメージ…。シャバシャバヌルヌル……。

「唸ってますな」

「そうですね」

「調整に難のある術式なのでございましょうか?」

「どうだ!?」

出来上がりはやはり見た目変わらず、薄い板状だ。水板に近寄り、煉瓦で作ったストローを咥えて空気を送ると、幾つもの玉となって落ちて割れた。膜が厚くて重過ぎだ。

「落ちましたな」

「カケルさんも苦手があるのね」

「浮いたらさぞお綺麗でしょうね」

「精進が足りない俺の限界だな。多分、あの子等は直ぐに遊べると思う。お風呂を泡だらけにしないように祈ってるよ」


 翌日も元気一杯の子供達を乗せた橇風呂が行く。シャボン玉遊びを教えてやると、アルアは直ぐにネトネトした水を作り出した。水の適正の無いハークは千切ったネトネトに風を纏わせねりねりしてる。練れば練る程空気を含んで色が変わるのを楽しんでいるよ。そう言う遊びでは無いのだが、楽しそうならそれで良い。アルアは薄めるのをマスターしたようで、指先から出る風でシャボン玉を飛ばす事に成功していた。流石天才。

「お兄様、キレイですよ!」

「流石アルアだ!僕にもカケルにも出来無い事をさらっとやってのける!」

スライミー練って遊ぶ貴方もですよ?練ったネトネトの中に空気を入れて、ゴムボールみたいにして浮かせてる。本当器用。

 昼間はシャボン玉、夜は車をかっ飛ばしての最終夜となった。明日の分も作ってるのでメイド達は忙しそうだ。で、作った物は俺の《収納》で保管しろだと。温かいまま保存出来るので問題無いが、前以て作って保存してもらえば良かったと言われて少し困った。俺が消えたら食えなくなっちゃうじゃないか。
ハーク達がすっかり寝てしまった頃に明日の朝昼と飯を作り終える事が出来た。風呂に入っておやすみなさい。俺達も夜更かしし過ぎたので寝る。

 早起きして朝食を摂り身形を整える。今夜は宿のベッドで寝られるぞ。敵も来なくて暖かく眠れるとは言え仕事だからな。リラックスして寝る事は出来無かったのだ。なのでハークの、家に泊まってってと言うお誘いは断固として断った。疲労を馬鹿にしてはいけないのだ。それにエッチもしたいしな。
 休憩地迄後十キロハーンと言う所で休憩地に人の反応があり移動を止めてもらった。

「何事ですかな?」

「休憩地に人が居たので相談を。それと、ハーク達は安全確保の為ゾーイ車に戻ってもらう」

「僕も戦う!」

「まだ戦うと決まって無いぞ?それに護衛の仕事を奪うな。感知能力でも高めてなさい」

「…はい」

アルアが素直にゾーイ車へ向かう中、ハークは少しごねて居た。子供が人殺しなんてしちゃいかんだろ?ハークがゾーイ車に乗り込んだら、橇風呂を先頭にして進む。五人六人なら冒険者と見ても良い。けど直径三十ハーンそこらの土地に五十人以上は不自然だよな?ゾーイ車も無いし、ほぼ当たりだろう。

 当たりだった。
この国の野盗は皆、毛皮を着込んで顔まで隠してるので丸わかりだ。一キロ手前、隠れてる斥候に見付かると同時に悪意の反応が出る。結構な速さで移動してるがスキーでも履いているのだろうか?
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