381 / 1,519
爆走兄妹
しおりを挟むハークの駆るスクリューバードが更地になった宿営地を縦横無尽に爆走する。設営に時間は掛からんし、少し遊ばせても良いだろう。
「調整の妙が素晴らしいです」
「流石お兄様です」
「初めは唯の玩具だと思っておりましたが、これを嗜む前と後での習熟には著しい差異がおありになられます」
「私も!わたくしも欲しいですわっ」
アルアもしたいのか、この欲しがりめ。ぐへへ。雑木ならたっぷりあるからな…。で、出来たのがこれ。手に持った時回るタイヤが触れると危ないのでフルカウルにして、ハーク程の調整技術は無さそうなので空力(笑)を付加する…のでは無く後ろや左右から風を当て易くする為のウイングを付けた。そしてタイヤに溝を切った。
「すばらしいものをたまわりかんしゃにたえません」
「…普通に喋ってくれ」
「はぁい」
早速風をぶち当てて爆走を始めたが、凄く直線番長だ。曲がるのに難儀しているな。まあその内クルクル回しながら飛ばして来るだろう。アルアの方がそっちに傾倒しそうである。兄は既にその時期を越えて如何にコーナーを攻めるかで頭を悩ませているようだからな。
「姫様の適正は水なのですけれどもね」
メイド長がごちるのを聞き流し、家を宙に浮かせた。そして足元から二ハーン程の柱を建てて上に載せる。階段と、排水管を作って繋げて、周囲を壁で囲ったら設営の完了だ。下は暗いので光の属性魔石を付けておこう。ワーリン、魔力を頼む。
「凄いよカケル!これなら何時でも走れるね!」
「続きは家に着いてからにしておくれ。移動中の体力管理は重要だぞ」
「「はーーーい」」
お茶に呼ばれるまで遊び倒していた爆走兄妹であった。
「偶には思い切り羽を伸ばすのも良いのかも知れませんな」
「姫様にはお淑やかにお遊び遊ばれる遊戯が良いのですが」
たっぷり遊んで飯を食い、風呂に入って夢の世界へ旅立った二人と二台を見送った家宰達が、夜更かし中の俺達の元へやって来た。お淑やかな遊戯なんて存じ上げませんのことよ?
「キュルケスよ、お淑やかな遊戯ってどんなのがあるか知らないか?」
「カードとか双六とかかしら?前者はお勧めしないけど」
闇のゲームで命を削り合うとかか?魔法のある世界だし、もしかしたらあるやも知れん。…無いな、お淑やかでも無いし。
「そうでございますね。賭事等、姫様に似つかわしくありません」
あ、そっちか。とは言え、胴元さえ居れば何でも賭けになっちまうからなー。
「俺にはお勧め出来る物は無いな、男の子だし」
「カケルさん、多分メイド長さんはアルア様の水の適正を鍛えたいのだと思うの。遊びを通じて、ね」
「左様でございます」
「水かー」
水の魔法は結局の所、勢いと量でしか無い。序に味もあるけど、それはおまけみたいなもんだ。水魔法は他の魔法と合わさって効果の幅が出るんだよ。土と合わせて泥水を作ったり、熱と合わせてお湯や氷を作ったり。アルアの場合は水に風。霧を作っても遊びにはならんな。どうしてもビシャビシャにした雪玉を投げつけ合うバトルしか思い付かなかった。
「水に粘度を持たせて、中に空気を入れて浮かせる…とか」
「ねんど…でございますか」
「とろみの事かしら…?」
「そうだ。自分でも出来ない事を言っているので試してみないと何とも言えんな」
久しぶりの水魔法で少しだけ水を出す。アルアは既に出来ているが、俺には魔法の力で水を玉にして浮かせる事は出来無いのでスキルで浮かす。板状に形を変えて、パチンコ玉程の煉瓦の弾を投げ付けた。パチャンと当たって貫通した。
「水ですな」「水でございますね」「水魔法使えたのね」
次はこれの粘度を変える。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる