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人気者
しおりを挟む帰る途中で仮眠ありの休憩をして、ダンジョンを出たのは昼前だった。シャバの空気が美味いぜ。
「まぶしい」
「帰って来れた…」
新雪が輝いて、キレイなんだが目に悪いな。俺の体に顔をめり込ませるネーヴェ。そして目を閉じて大手を広げ、日差しを全身に浴びるジョン。
「ジョン様、ご無事で何より。皆もご苦労」
入口を守る衛兵に労われ、ギルドへと戻った。
「「「ジョン様!」」」「「「ジョンさん!」」」「「「ジョンきゅ~ん!」」」
街に入ってからギルドに入り、ギルマスの部屋に入る迄の道程はずっとこんな感じでジョンの凱旋を聞き付けたジョンファンのジョンコールでえらく騒がしかった。ジョンファンの立ち入りを遠慮したギルド内ではギルド職員とたまたま中に居た荒くれ共のお帰りコールが加わった。人気者だなジョンくんは。
ギルマスの部屋で、お茶を持て成されながら結果報告をする。三人のギルド証から討伐履歴を出したりして、どんな獲物をやったのか確認したりしているが、元パーティーメンバーを含めたサブマス一堂、ジョンの冒険譚を聞きたくて仕方が無いのだろう。
「ドラゴン十五匹!?ジョン一人で殺ったのか!?」
「カケルも中々の数だ…。キルヒネー「様を付けろ?」…様は、討伐無しだが」
「理由はジョンが面白可笑しく説明してくれる」
「面白く話せる自信は無いが、キルヒネーヴェ様はとんでもない方だ」
「あのジョンが丁寧な言葉遣い!」
「うるせぇ、怒らせると街が更地になるんだよ」
「まさか」
「お前等はサブマスだから伝えておくが、キルヒネーヴェ様は龍だ。俺が倒したレッサーじゃねぇ、モノホンのドラゴンだ。絶対に怒らせるな。これはギルマス命令だ」
「おそれうやまえ~」
お茶菓子代わりの干し肉をツマツマする可愛い生き物に注目が集まる。が、当人はそう言ってからはツマツマするのに夢中になってた。
ジョンの報告を聞いている内に、怪訝な表情を浮かべていた奴等も触らぬ神になんとやら。皆ネーヴェから視線をそらし、報告に集中するようになった。
「所でジョン、戦利品はあるのか?」
「ああ、カケルに全部持ってもらってたんだった。俺の分け前はあの武器だけで良いぜ?」
「自分が仕留めた獲物の分は取っておけよ。武器は良くなったが防具は唯赤いだけのガラクタじゃねーか。換金するからまともなモン揃えろ」
ガヤが煩いのでジョンにグレイブを出してやると、それを見た外野は押し黙った。鎧がガラクタと言われても文句言えない代物だからな。
「あの、それ魔剣ですよね」
鑑定の出来る小男が声を漏らす。
「これが魔剣か…。確かにすげぇヤツだよコレは。じゃあカケルのも魔剣なのか?」
「どうかな。俺の取り分は今言った武器と、一緒に落ちた魔石で良いや。ネーヴェはトカゲの魔石をいくつかもらえれば良いよな?」
「おやつに最適」
そんな訳で、ジョンはグレイブ、俺は二振りのナイフと魔石二つ。ネーヴェはトカゲの魔石三つキープし、残りを換金する事にして外に出した。
「何てデカさの魔石だ!」
「アクセサリーに盾!どれも魔装だよ!?」
「ジョン様、カケル様、魔装や魔剣は買い取り出来ませんよ?ギルドがスッカラカンになってしまいます」
「だそうだ。どうするカケル」
「全額ギルド証に振り込んでくれ。大枚引き出さなきゃ良いだけだ。安売りしなきゃギルドの損にならんし、ぼったくれれば得になるだろ。国に奪われないように注意しろよ?」
俺とジョンのギルド証に、とんでもない額が振り込まれた。とは言えがっつり引き出す訳にはいかんのであまり気にしない事にした。
「そろそろ帰るよ」
「え?お、おう…。次は何時来れる?」
「気が向いたらな。ドラゴンの所迄は無理でも半分くらいならお前のパーティーでも行けるだろ。仲間にも稼がせてやれって」
昼飯まだだし、ギルドを出たら一直線に宿へと向かい、食堂で腹を満たした。
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