女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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必殺BGM

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 元の大きさに戻ったグレイブが光を浴びて誇らしげに輝いてる。

「名前付けて愛用してやれよ」

「それならお前の二本も付けてやれよ。形見なんだろ?」

「俺のはまだ使ってないから付けられないな。ジョンくんはよはよー」

「何で名前に拘るんだよ…」

「名前付けると強くなるぞ」

「マジか!」

多分マジだ、なあペニスケ。ネーヴェが抱き着いて来た。お前もか、なでなで。

「名を付けた武器で技名を叫びながら攻撃すると良いぞ」

「何故そんな無駄な事を…」

「格好良いだろ?躱せるモンならやってみろって示威行動でもあるがな」

「か、考えとく…」

新たな力を携えた、ジョンくんのニヤニヤが止まらない。一先ずこれでトカゲと真っ向勝負出来るようになったし、どんどん奥に進んで行こう。下へ下へと向かって行った。


 トカゲに会えたのは更に三回エリアボスを殺った先だった。だだっ広い空間に岩場や水場があり、天井からは絶えず光が降り注いでいる。岩場の上空にトカゲが数匹飛んでるのが見えた。

「あれ、ドラゴンか!?初めて見たぜ!」

「ここにいる」

「あ、ドラゴンの形した奴…です」

「知ってる。からかっただけ」

俺に肩車されてご機嫌のネーヴェが薄ら笑う。ジョンを敵では無いと認めたみたいだ。俺毎結界と阻害諸々を掛けてもらうと、血気盛んな何匹かが此方に気付いて飛んで来た。流石にジョン一人に複数は無理なので、一匹に減らしてやる。

「お前、凄過ぎて感動も無いぞ」

「自分でやるからこそ感動は生まれるもんだ。跳べるようになったんだから少しはやれるだろ。普通に戦ってみれ」

「武器のスキルを使うなって事か。まだ技の名も決めてないし、まあ良いか…」

「今の状態だとムカデスラッシャーだからなー」

「むかで…って言うのかあれ」

「俺の知ってるムカデはこんなにちっちゃいけどな」

親指と人差し指でL字を作って見せてやる。

「それを斬る技はなんか格好悪いな。ドラゴン斬ってドラゴンスラッシャー…良いなこれ」

「トドメはそれだな」

「よっしゃ!殺ってやんぜ!!」

程良く近付いて来たトカゲに向かって跳んで行き、ブンブングレイブを振り回す。猪突猛進に見えてしっかり翼を狙ってる辺り、ちゃんとしたAランクだな。まあ、飛ぶドラゴンは翼で飛んでないのだけどね。柔らかい翼膜を斬られた痛みで集中が途切れて落ちる。何とか着地寸前で踏み止まり、ダメージ無く着地したようだ。それを上から瞬歩で近付き首根っこに一撃、直ぐに間合いを取る。トカゲが口を開け、視線が切れる瞬間を狙って首の下に滑り込み更に一撃。先程首に付けた傷と合わさって、首の横側を深く傷付ける事に成功し、大量の血が吹き出た。

「トドメだ!うおぉおおお!」

必殺BGMを付けてやりたい気合いと共に、巨大化する刃身。威圧を込めて起き上がるトカゲに大きく振り被った剣を振り下ろす。

「これで終いだ!ドラゴォンッ!スゥラッシャアアアアーッ!!」

残心の背後で、袈裟斬りにされたトカゲが煙になって消える。やはり爆発が欲しい。

「殺った!」

「やったな」

「またきた」

「……またかよ」

「そりゃあ、大声で叫んだら何事かと寄って来るわな」

「もう叫ばん!んーっ!」

拗ねてトカゲに殴り掛かって行った。スキル無くてもやれるし、多対一でも大丈夫かな。遠くからブレス吐きそうな奴だけ《威圧》で止めて、総勢十五体のトカゲを一人で屠らせた。

「回復回復ー」「かいふく~」

「ひっ、ひぃ~…。なんて日だ!」

「おめでとうドラゴンキラージョン。討伐記録が輝いてるぞきっと」

「お、俺、ドラゴン、殺ったんだな」

「一戦闘でのドラゴン討伐でも俺の次なのは確定だな」

「カケルもドラゴンきらー」

「俺はドラゴンバスターだ。龍は殺さないからね」

「私はカケルにいちころ。リュネもカララも、みんないちころ」

「女キラーにしといてくれ」

「女の敵みたいだぞそれ」

よく言われる。暫くドラゴンは懲り懲りと言うので、ドロップ拾って帰りましょ。

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