女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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不動心

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 夕飯を食べながら冒険者組の冒険譚を聞いたり、俺が行ったダンジョンの事等を話して、自分が冒険者らしくない事に気付く。

「羨ましいぞ少年隊。俺よりよっぽど冒険者してるじゃないか」

「トカゲとタイマン張る人に言われてもなぁ」

「俺達は俺達、カケル様はカケル様だぜ」

「俺もダンジョン行きたーい」

「お前さんだってちゃんと冒険者だよ。人よりだいぶぶっ飛んでるけどさ」

「だねー。助けた人がドラゴンだとか、物語みたいだよ」

「私達、その当事者なんだけどね」

「あの時はお世話になりました。ふふっ」

「カララも冒険してみたいの」

「カラクレナイ、お前は人の子の世界をもっと知ってからにするべきだな。我等は強過ぎる。故に力を隠す必要も出よう」

「リュネママ。カララね、冒険者、してみたいの」

カラクレナイに甘いリュネにお強請りしているが、先ずは人の姿に慣れるのが肝要だと諭していた。普段デレデレの癖に中々のハートの持ち主。

「カケルゥ~」

今度はこっちに来たか。

「楽しそうに聞こえるだろうが、これは仕事だ。子供はもっと遊んで良いと、俺は思う。ママ達と遊んで色々学ぶと良いよ」

心が砕けそうだ。

「わたしはカララさまとお料理してみたいです!」

不動心のサミイが動いた。

「お手伝いしたの」

「普段はラビアンさん達がメインで作ってますけど、カララさまと一緒にお料理作って、旦那さまに食べてほしーかなーって」

「カケル、食べたい?」

「感動して泣いてしまうかも知れない」

「私も泣きます。泣きそうです」

「じゃあ、やってみるの」

「街に行ったらママに教えてもらいましょう」

サミイの機転に因ってカラクレナイを冒険者にしなくて済んだ。登録は十四歳からなので出来無いのだが、拗ねたり怒ったりしてギルドを更地にせずに済んで良かった。

「そうだ、カロ達は此処へは来てるのか?」

「はい。七日に一度は来てます」

「野菜等持って来てくれます」

「五人が肉しか用意しないのでアルネスさんには正直助かってます」

アルネスにか。カロも頑張れ?

「シトンは野菜とか調味料ばっかり買うんだもん」

「飯と言えば肉!」「脂!」「こってり!」

「偶に魚も買うよ?」「こっちの干し肉、塩味薄くて美味しいんだもん」

野菜も食え、肉食獣共め。それでも楽しそうにやってるみたいで、この家を作って良かったよ。明日は冒険者組と一緒に街に行くので早寝しよう。

 カラクレナイの部屋の巨大ベッドに皆で横になり、イチャイチャして寝た翌朝。朝食を食べたら直ぐに出発だ。俺達は荷車で、冒険者組は魔動車で出勤する。
道を往くモンスターを撥ね飛ばし、追い剥ぎしては進んでく冒険者組の後ろを車間距離に余裕を持って付いて行く。通勤しながら仕事しているようだ。エリアを選ばない討伐依頼なら効率的だし、依頼が無くても買取りで金にはなるからな。とは言え移動には時間が掛かり、街に着くのは一オコン半程経ってからであった。

「俺達に用が出来たら寝具店かカロ邸で落ち合おう」

「「「おう!」」」「りょうかーい」「「はーい」」

カラクレナイの入門料を払って街に入り、冒険者組は入口側のホルスト車を停める駐車場へ。俺達は寝具店に向かう。裏口に荷車を停めるとエージャが飛んで来た。

「カケル様!いらっしゃいませカケル様!」

「暫くだな。しっかり働いてるか?」

「全てはカケル様の為に」

「旦那さま、わたしはママの所に行ってきますね?カララさまも一緒に行こ?」

「いくいく~」

サミイとカラクレナイがスタコラサッサと家に入るのを見て、残る俺達もそれに続いた。
客間に着くと、カラクレナイはママ上殿の膝の上に座らされていた。これは暫く動けないな。

「暫くです。売り物を作って来ましたよ」

「そんな事より、カララちゃんです。可愛いでちゅねー」

「でしょう?自慢の娘です」

「私のな」

「ママがいっぱいでうれしいの」

世辞も言える自慢の娘です。
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