女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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あ、泣いた

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 ハークとブルランさんに連れられて新設された地下への階段を降りて行くと、光の属性魔石輝く広々とした空間が広がっていた。屋敷の地下を丸々空間にしたようで、等間隔に立つ太い柱が屋敷を力強く支えていた。

「無骨な作りの階段を降りて、突然現れる壮麗な扉の向こうはまるで別世界かと見紛うばかりの広々とした空間。均一に配置された柱にはさり気無くも装飾が施され、光を受けて立体感が強調されており、強度と美しさを兼ね揃えた立派な柱として存在感をアピールしております。壁には漆喰。此方は盛り上げてあるかのようで、白いカンバスの上に描かれた絵画のようでもあります。兎角暗くなりがちな地下室と言う空間を見事なまでに明るく照らす技術に賞賛の拍手を送りたい!そして床。これは一見では分からないかと思われますが、これは何層にも積み上げられているかと思われます。地面からの冷気や湿気をしっかりと防いでくれているに違いありません。施行主の強い思いがこの部屋に集約されているかのようです。正に圧巻、素晴らしい一部屋です」

「お褒め頂いた上に隠していた要素までお見抜きになられるとは…。冥利に尽きまして御座います」

「更に天井の「カケル!こっちー」あはい」

家主に止められてしまった。プンスコ顔も可愛いよ?ハークと三人が居る一角には、箱に入った木剣やら盾やらが並べてある。ハークのトレーニングルームなのだな。

「みんなで打ち合うから回復お願~い」

「良いぞ。お前等、手加減はしなくて良いが殺すなよ?後、顔はダメだからな?」

「良いのかよ…」「手足使うなくらい言われると思ってた」「あにきようしゃない」

「ハークは魔法攻撃は禁止だ。部屋が壊れると家が落ちてくるからな」

「え!?防御は良いよね?」

「そのくらいなら良いぞ。ブルランさんに冷や汗かかせるなよ?じゃあ得物持ってタイマンじゃ!」

その後のハークはメイドを卒倒させる程度にボッコボコのボコにされた。勿論その都度完璧に回復してるので痛みも無くなりゃ怪我も無い。そんなボッコボコにしてる兎達に、容赦と言う概念は無い。俺なら余裕で手を抜くぞ?格下の相手にニヤリともせず、殺さないように叩きのめす事に集中している。

「も、物凄い手練ですな…」

「昨日までダンジョンでドラゴン殺ってたからね。飯食って寝て起きて、一番体が動く状態だよ」

「勝てさえせずとも一撃くらいはと考えて居りましたが…、本職には到底敵いませんな」

「仲良くしてやってくれ」

「承知致しました」

「まいったぁ~~~っ!うわ~~ん!」

あ、泣いた。三人寄ってあやしてる。なんかほっこり。回復かけなきゃ。
拳で語り合った四人は凄く仲良しになったようで、今はカトラリーの使い方を教える事で逆襲しているハークがいる。久しぶりの香草入りソーサーは美味いなぁ…。

「そう言えばカケル、三ヶ月くらい前に街に来たって聞いたよ?教えてくれれば会いに行ったのにー」

「会わせる訳に行かない同行者が居てな」

「それってネーヴェさま?」

「カトラリーを置いて、口拭いてから喋る」

「はい…」

「力が強過ぎてハークに何かあったら困るからな」

「それで街の外が更地に…」

「更地にしたのは俺だよ。ネーヴェは更地の外堀を作ったんだ」

「青い光が大地を穿った…ってそれの事だったのかー」

「ネーヴェさまは龍なんだぜ」「ドラゴンの姿見た事ないけど」「強いのぜ」

「人の世界を好きになってもらいたくてな、連れて来ちゃった」

「嫌われてないんだよね?街まだあるし」

「友達が出来たよ。良かったな」

「くれぐれもよろしく伝えてね?アルアの街になるんだから」

その後は話したり遊んだりして夕飯までご馳走になって宿に帰る。

「明日も来てね!」

と言う事でブルランさんに書状を貰った。三人も嬉しそうにしてたので、まあ良いだろう。
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