女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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学園ではそこそこやれてる

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 宿へと向かう道すがら、ニットが疑問を投げ掛ける。

「そういやカケル様ぁ、魔力を増やすって、どーやんの?」

「セカンドハウスに帰ったら教えてやるつもりだし、此処でやるにはニットには負担が大きい。それでも今知りたいか?」

「知りたい!」

即答か。

「明日ハークと遊べなくなっちゃうぞ?」

「後でいい!」

即答か。

「俺は聞くだけ聞きたいぜ」「おれもー」

ダートとガットは知りたいそうだ。ガットの角はハークを痛め付けてる時に使い方が頭に浮かんだが、魔力を使うそうで、その時は使わなかったそうだ。使わなくて正解だな。

魔力を消費し角を突き刺した相手の体液を奪う。奪った体液は自身の体力と魔力に還元される。

…と、そんな効果だそうだ。呼び水分の魔力さえあればドレインし放題。頭突きの間合いは中々シビアだが、大型種との戦闘には特化してそうだな。そうなると、ガットも魔力を使えるようにしなきゃならんのか。ダートは一人になって可哀想だし、魔力臓器の覚醒と魔力増加は三人共にやる事にした。

 翌日も朝食を食ってハーク邸へ向かうと、四人仲良く地下闘技場へ降りて行く。今日は手加減して相手するみたいだな。相対しながら、此処の動きはこう、なんて事やってる。近接の間合いでの長剣の扱い方とか、俺も勉強になりそうだ。

「カケルー。僕も狩りとか討伐とかしたーい!」

「坊っちゃま」

すかさずブルランさんの注意が入る。ブー垂れたハークを諌めたのはあの三人だった。

「ハークはすぐへばるから体力つけろし」「剣筋ふらふら、筋力あげろし」「体かたい。じゅーなんしろし」

「そこまで言われるとは…。学園ではそこそこやれてるのに…」

諌めると言うより凹ませてるな。

「そのうちカケル様に頼んで島で鍛えてやんよ」「ミーネ様に頼んでやんよ」「死ぬかもだけど」

「お三方、出来得れば死なない程度にお留め下さい」

ブルランさんの頬を伝う一筋の冷や汗を、俺は見逃さなかった。

「ハークは魔法系だからな。ミーネよりリュネかリームの方が良いだろう。まあ今はまだまだ会わせるレベルじゃ無いけどな」

「カケル、その、ミーネとかリュネって人達は強いの?」

「強いぞー。俺なんて一瞬で灰になるか廃人になる」

「さまをつけろー」「しょんべんチビらされっぞ」「だっぷんすっぞー」

「だ、脱糞はヤだな…。けど会ってみたいなー」

「ブルランさんが外に出しても恥ずかしくないと認めたら招待してやるよ」

「爺やっ!」

「ふふっ、まだまだお恥ずかしい限りで」

「んもーっ!三人に勝てるくらい強くなってやる!」

頬っぺた膨らますハークきゅん可愛い。
昼飯をご馳走になったらギルドに寄ってヒズラーに帰る。玄関前でくっ付いて離れなかったハークには課題を出しておいた。しっかりこなしたなら何時かは島に招待してやろう。

「ギルドに寄るからバルタリンドに直行するぞ」

「「「は~い」」」

 仮眠して、気付くとバルタリンド上空。殆ど寝た気がしない。《阻害》を掛けて、三人を連れてUFOから飛び降りる。自由落下させてないのでそれなりにゆっくりだ。勝手知ったるいつもの街でも視点が違うと新鮮で、少年隊の三人はキョロキョロしながらあれがあれでと騒いでる。静かにしないとバレるんだがなぁ。
森の中に着地して、《阻害》を解いたら素知らぬ顔で街に入る。どうやら気付かれずに済んだようだ。

「あら、カケル様にダーニーガー。カケル様と一緒にダンジョンに潜ったと聞きましたが、戻られたのですね」

仕事モードのカロが居た。

「ドラゴン殺ってきたー」「素材取れた!」「またなんかつくるー」

ドラゴンを殺った。なんてこんなガキンチョ共には土台無理な話…。と思っているに違いない。午後で暇してる受付嬢が温かい目をしてるよ。

「あ、魔石売りたい」「毛布買えって言われてたんだ」「俺も工具買うー」

「魔石でしたら受付でも大丈夫ですよ。アリエッタ、受けてあげて」

アリエッタの驚く顔はちょっと面白かった。
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