女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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マナーに反する行為

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 浴場に着いて、少し悩んだ。リームが別行動なので火の属性魔石が作れないのだ。悩んだが、後回しにすれば良いと言う事で、水と浄化の属性魔石を作る事にした。
大きい魔石を何時ものように圧縮して魔力を込める。光り出す魔石に俺が水を、ネーヴェが浄化と光の二種類を付与して属性魔石が完成した。

「水を出す前にトイレ設置しなきゃな」

「お風呂でしたら「したらダメだよ?」んぐ…」

ネーヴェよ、それはマナーに反する行為だ。公共浴場では絶対やってはならない。

 脱衣場の壁は高さ二ハーン程のロッカーで埋め尽くされている。壊すのは勿体無いけど幅三ハーン分切り抜いて短い廊下にし、トイレの個室を六つ作った。そこに女達に内職してもらったトイレを安置する。そして内開きの簡易ドアを付けて、単純な内鍵を付ければ個室の完成だ。隣の脱衣場にも六つ作った。減った分のロッカーは部屋の真ん中に長いヤツを設置したよ。

「後は火の魔石だけか」

「火の魔法、できない。ごめんね」

「人に因って、得意な事が違うのは当たり前だ。龍だってそうだろう?リームはリームの、ネーヴェはネーヴェの得意がある。それで良いじゃないか」

「カーケル~」「よーしよしよしよしよしよしよし」

「…何をしておいでか?」

イチャイチャしだすと誰か来る。これもフラグなのだろうか?一仕事終えたリームが合流したので、早速火の属性魔石を作ってもらった。
水と火の魔石を壁の窪みにセットし魔力を込めると、ボコボコシュワシュワお湯となって流れ始めた。
それなりに水量は多いが、二つの浴槽に貯め切るにはそれなりに時間が掛かるみたい。洗い場からはしっかりと湯が出てる。ちょっと温いかな?配管が温まれば丁度良くなるだろう。
クリスタルモドキに大きい魔石を仕込むのも忘れない。

 浄化の魔石をセットしたいがそのまま穴に落とすと割れちゃいそうだよな。なので魔法の水で満たしてから、魔力を込めてそっと穴に落とした。すると、溢れる程入っていた水が青い光を浴びて消えて行く。パワーも充分のようである。

 暗い所に光の棒を挿し、いよいよ公共浴場の完成だ。入口前に、男女の文字と絵を書く。

「どう?どっちが女湯か、分かる?」

「んー」「?」「どうだろう…」「わからんな」

嫁の出来ぬ呪いを受けた兵士が混ざってる。

「どうしたら男女別なのを理解してもらえるんだろう」

「裸の絵でも描いたらどうだ?」

…ホント、そう言うトコだぞ?
スカートを履いた女の絵と、ズボンを履いた男の絵に描き直した。

「異性が入ったら弾き出せば良かろう」

「それだと女達が痛いだろ?」「男も痛いだろが!」

「自動で振り分ける」

「それだとどっちから入っても良い訳だが、折角作った入口が無駄になるな」

「見張り立てる!」

バジャイの一言が俺に閃きを与えてくれた。撫でてやろう。よしよし。

「バジャイは冴えてるな。掃除婦も雇えるし丁度良いじゃないか。強制労働の女達にやらせたいが、どうだ?」

「あ?確かに毎日歩かせるのは酷だから弁当配りしかさせてないな。隊長に聞いてくるわ」

詰所に入って行った呪われた兵士が少しして隊長を連れて来た。

「風呂が出来たそうだな。で、女共に見張りをさせたいと?」

「間違って違う方に入ったら大変だろ?掃除等の管理もさせたいと思ってる。弁当配りの片手間にどうかと思うが、どうかな?」

「良いと思うぞ?暇を持て余しているからな」

その日の内に、強制労働女の六人は公共浴場の管理者となった。二人ずつの三交替で見張りをし、朝と夜は全員で掃除する事となった。夜はクローズだ。バケツや雑木雑巾を出してやり、掃除の仕方を教えたら、後は彼女等に任せよう。偶にチェックすれば良いよな。

昼飯食って、ゆっくりしてたら風呂に湯が張ったと兵士が伝えに来た。風呂の入り方なんて知らないよな。教えてやらねばならんらしい。仕方無いけど行くかぁ…。トイレの使い方から脱衣場の使い方、浴槽には掛け湯して入る等、あれこれ教えて夕方になった。

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